横浜・中川駅前歯科クリニック
掌蹠膿疱症
●掌蹠膿疱症とは
掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)は、手のひら(掌)や足の裏(蹠)に膿(うみ)がたまる病気です。
小さな水ぶくれが生じて、膿に変化します。次第に皮膚が赤くなったり、膿が茶褐色、暗黄色に変化してかさぶた(痂になり、表層が剥がれ落ちてきます。症状は良くなったり、悪くなったりを繰り返します。
汗疱(かんぽう)、湿疹、水虫と見誤られることもあります。当院に来院される患者様の多くは、発症してから「掌蹠膿疱症」と診断されるまで何年もかかっています。一般に治るまでに3〜7年ほどかかるといわれています。
●患者像
厚生労働省の調査によると、掌蹠膿疱症の患者数は全国で2.6万人と報告されています。ただし、病気に気付かない人、単なる湿疹や水虫と診断されてしまう人も多く、実際はその数倍の患者数がいるのではないかとされています。
女性に多く、欧米では男性に比べると女性の方が3倍も多いとの報告もありますが、日本ではそこまでは多くありません。40〜50歳代で発症することが多いものの、20歳代、30歳代でも発症します。女性は閉経が発症の一因になっているとも言われています。
●症状
手足に皮膚症状が生じます。かゆみが生じたり、痛み、接触痛、歩行痛を生じることもあります。
10%程度の患者さんは、胸、首、腰に炎症がおき、痛むことがあります。
膿(膿疱)は無菌のため、他人に感染することはありません。
重症の患者さんは、すねや膝にも症状(赤いぶつぶつなど)が生じることもあります。
●原因
原因は不明ですが、歯の根の膿(根尖病巣)、歯周病、扁桃、副鼻腔、リンパ節などの病巣感染、金属アレルギーを誘因として発症するとされています。また、ビオチン欠乏も原因として考えられています。
●喫煙との関連
多くの研究において掌蹠膿疱症の患者さんの喫煙率は高いと報告されており、喫煙が掌蹠膿疱症に関与しているとされています。
●治療
掌蹠膿疱症は皮膚科を中心に、歯科、内科、耳鼻咽喉科、整形外科で治療をおこないます。当院に来院される患者様の多くは、皮膚科での治療を始めてから数年がたち、治らないために来院されます。
掌蹠膿疱症は歯科医師にはほとんど知られていない病気です。同様に、掌蹠膿疱症が歯の根の治療、歯周病治療、金属アレルギー治療により治ることがあることもほとんど知られていません。
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