●体重の増加と睡眠時無呼吸症候群の症状※2
体重が増加するにつれて、睡眠時無呼吸症候群の症状も重症になります。
軽度の睡眠時無呼吸症候群は肥満でない人が多く、重度の睡眠時無呼吸症候群は肥満の人が多い
傾向があります。
一例として、愛知医科大学病院が睡眠呼吸障害の疑いで来院し、検査(終夜睡眠ポリグラフ検査)をおこなった2770人を調べたところ、睡眠中の1時間あたりの無呼吸と低呼吸の回数は、標準体重の人が20回だったのに対し、重度の肥満の人(肥満度4度)は75回でした。
肥満度(BMI)と1時間あたりの無呼吸、低呼吸の回数(AHI)

※AHIとは
1時間あたりの無呼吸(呼吸が止まること)と低呼吸(呼吸が50%以下になること)の回数
5〜15回:軽度 15〜30回:中等度 30回以上:重度の睡眠時無呼吸症候群
アメリカで690人を対象に11年間にわたっておこなわれた大規模な調査では、体重が10%増加すると睡眠中の無呼吸と低呼吸の回数が32%も増加するという結果となりました。
逆に体重が10%減少すると、睡眠中の無呼吸と低呼吸の回数が26%も減少するという結果となりました。これは、体重の減少により、いびきや睡眠時無呼吸症候群の症状が軽くなることを示しています。
いびきや睡眠時無呼吸症候群の予防や治療には、体重のコントロールが大切であるといえます。
体重が増加するにつれ、睡眠時無呼吸症候群の症状が悪化します
関連するページ 終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG検査) AHIとは
●睡眠時無呼吸症候群治療の新薬
2025年4月に肥満症治療薬「チルゼパチド(製品名:ゼップバウンド)」の販売が日本で始まり、
2026年5月に中等度から重度の睡眠時無呼吸症候群(BMI27以上)にも保険適用になりました。糖尿病治療薬「チルゼパチド(製品名:マンジャロ)」と同じ成分の薬です。
チルゼパチドは高い体重減少効果をもち、肥満を伴う睡眠時無呼吸症候群の症状を改善します。
※ゼップバウンドを保険診療で処方できる医療機関はごく一部の医科医療機関に限られます。
関連するページ 睡眠時無呼吸症候群の薬物治療
※1 日本肥満学会肥満症診断基準検討委員会(2000年) ※2 P. E. Peppard, T. Young, M. Palta, J. Dempsey, and J. Skatrud Longitudinal
Study of Moderate Weight Change and Sleep-Disordered Breathing JAMA, 2000;
284(23).etc.
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