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シジュウカラガンの飛来動向

 蕪栗沼には2010年頃から、定期的に複数のシジュウカラガン家族群が飛来している。これは仙台市立八木山動物公園と日本雁を保護する会、 ロシア科学アカデミーが協力して行った羽数回復事業の成果で、千島列島のエカルマ島で放鳥された保護増殖個体が飛来していると推測されている。実 際に、足輪をつけた放鳥個体が蕪栗沼周辺の水田で確認されている。足輪付きの放鳥個体は2005年頃から登米市などで確認され、2008年11月 19日の河北新報で、登米市に放鳥個体が26羽確認されたとあり、2007年には20羽確認されたと記載されている。
足輪をつけたシジュウカラガン
足輪をつけたシジュウカラガン(2011.11.26)
 蕪栗沼に飛来するシジュウカラガンの数は、増加傾向にある。放鳥された個体が、新たな家族をつくり繁殖していると推測される。また数が回復 途上で、千島列島での繁殖可能数に達していないためと考えられる。蕪栗沼では2011年に最大105羽が記録され、2021年には約8000羽に 達している。
蕪栗沼のシジュウカラガン飛来数
 飛来の時期は、10月から2月である。11月中旬にピーク数となり、12月以降急激に減少する。これは蕪栗沼が凍結すること、マガンの飛来 数が増えること、化女沼をねぐらにするシジュウカラガンが増えることなど複数の要因によるものである。そのため、シジュウカラガンを観察する時期 は11月が適している。

 蕪栗沼におけるシジュウカラガンのねぐらは、白鳥地区の南側水面である。朝の飛び立ちを観察する場合は5時頃、ねぐら入りを観察する場合は 4時頃、場所は南の駐車場から歩いて3分の野谷地越流堤付近(図赤い★2)が良い。

 朝は明るくなる前、夕方はねぐら入りが始まる前に観察場所まで移動し、その場をあまり動かないと、驚かさずに観察できる。三脚を閉じた状態 で双眼鏡で探し回る観察者には敏感に反応するが、散歩やジョギングの人、三脚を開いてカメラを構えている人にはあまり反応しない。これは閉じた三 脚が猟銃に見え、狩猟者の動きと同様であるためと推測される。

飛び立ち前のシジュウカラガン
 朝は順光であるが、日の出までにほぼ全てのシジュウカラガンが飛びたってしまうため、質の良い写真を撮影するには何度も通う必要がある。逆 光でのシルエットの写真は、ねぐら入りのときに良い条件となる。

順光の中飛び立つシジュウカラガンの群れ

シジュウカラガンの飛び立ち

水田のシジュウカラガン