聖書日課プロジェクト

「4年サイクル主日聖書日課」を礼拝・説教に生かすために

「聖マルコの獅子」を描く絵皿(1530年頃)

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更新日 2017-10-20 | 作成日 2017-04-30

B年降誕前節

「降誕前節」は、降誕日の前、9つの日曜日から構成されている。前半は5週で、ヘブライ語聖書日課を中心にする。後半4週は、伝統的な「待降節」アドヴェントと同じである。
「新しい教会暦」では、降誕前節をもって、礼拝上の1年が始まるようになっており、B年は福音書朗読が、主にマルコによる福音書から取られている。

ヘブライ語聖書日課

「旧約」の神の民の歴史

降誕前節は、ヘブライ語聖書の「歴史」をたどる。

第9主日 神の創造の業の記念(創世記2章)
第8主日 人間の現実(創世記4章)
第7主日 アブラハムの選び(創世記15章)
第6主日 神の民が生まれた出来事=モーセへの召命(出エジプト記6:2〜13)

このようにして、「新しい教会暦」では、「新約」の神の民を「旧約」からの連続でとらえている。
降誕前第5主日は、RCLがこの日を「王なるキリスト」の祝日としているのに倣い、「王の職務」をテーマとする。その際も、イエスが「王」であることを言うのみでなく、ヘブライ語聖書における「王」との関連が意識されている。

待降節(アドヴェント)

待降節に当たる後半4週は、伝統的な聖書箇所、「再臨」を待望する日課から始まる(第4主日)。アドヴェントは、キリストの来臨を待望する期間であることを思い起こさせる。第3主日は「旧約における神の言」が主題となるが、これは、アドヴェント第2主日をイギリスでは「聖書日曜日」としていた習慣に基づいている。
さらに、アドヴェントに当たる期間の後半は、イエス誕生直前の物語を読む。
降誕前第2主日は、イエスの先駆者であるバプテスマのヨハネについて。第1主日は、イエス到来の「告知」が主題となる。B年は、この日(と降誕日)にルカによる福音書から日課が選ばれているが、マリアのエリサベト訪問と「マリアの賛歌(マニフィカート)」が朗読される。

ヘブライ語聖書から新約聖書に至る記述を、神の計画の「歴史」として読む態度。この立場に立つ読み手には、「旧約」の歴史は「失敗の歴史」であり、神の民とされたイスラエルはその選びにふさわしくなかったという解釈が多く見られる。このような立場は、「反ユダヤ主義」的になりかねない。


多くの教会には、アドヴェント・クランツを立てたり、リースを飾ったりする習慣があるが、アメリカの教会から伝えられたものだろう。最近、アメリカでは、アドヴェント・クランツのロウソクを灯す際に、簡単なリタージーを行う教会が増えてきた。「主を待ち望むアドヴェント」(『讃美歌21』242)を歌いながらロウソクを灯すことも考えられる。

12月25日が休日となっていない日本では、その直前の日曜日に「クリスマス礼拝」と称する礼拝を行うことがよく見られる。現在の聖書日課は、クリスマス直前の日曜日も「降誕前節」として位置づけているので、日本の教会の習慣には合っていない。12月24日夕べないし25日朝の礼拝を「クリスマス礼拝」とすることはできないものだろうか。