聖書日課プロジェクト

「4年サイクル主日聖書日課」を礼拝・説教に生かすために

Buonensigna「降誕と預言者イザヤとエゼキエル」

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更新日 2019-09-28 | 作成日 2017-10-20

聖書日課を用いるために

 「聖書日課は使いにくい」そう思っている人は少なくないでしょう。聖書の箇所が並んでいる無味乾燥な表を見て、そう感じるのかもしれません。あるいは、1日の礼拝に3つ、詩編も含めると4つもの聖書箇所が指定されているのを見て、どうしてよいのか分からないというのがホンネかもしれません。
 しかし、聖書日課は、基本的な考え方を理解し、構成を把握すると、使い勝手のよいものです(このサイトの解説ページを参照してください)。もちろん、福音書日課とヘブライ語聖書日課との(意図されている)結びつけ方に納得できない場合もありますが、その場合は、使う側の理解で読むことも可能です。
 ここでは、聖書日課に関してよく聞かれる質問を想定して、聖書日課の使い方を説明します。

 

聖書日課を使いこなすために

朗読と説教

 聖書日課を用いる場合と、そうでない場合とでは、礼拝における聖書朗読の意味が異なります。プロテスタント教会の多くでは、「説教のためのテキスト」として聖書が朗読されていたと思います。聖書日課は、その関係を逆転させた、「朗読された箇所に基づいて説教する」という考え方に基づいています。些細な違いのようですが、聖書朗読を主とするのが、聖書日課を支える考え方です。
 聖書日課と聞くと、「3箇所(ないし4箇所)全部に触れながら説教しないといけないのではないか」と、説教者も会衆も思いがちです。この反応は、聖書朗読を「説教のためのテキスト」と考えていることから発していると思います。
 礼拝において朗読されるというのが、聖書の本来の姿でした。4年かけて福音書のほとんどの箇所を読み、使徒書やヘブライ語聖書についても、200箇所以上の朗読箇所があるということは、聖書が礼拝の中で本来もっていた役割を取り戻すという点でも、意味があるのです。
 

中心となる日課の選択

 では、どうすれば、聖書日課を、大きなハードルなく導入できるのでしょうか。それは、説教する際に、指定されている箇所の内、1箇所に限って、説教で取り上げるテキストにする、つまり、中心となる日課を決めるという方法です。
 『礼拝と音楽』の「主日礼拝に備えて」欄や、『信徒の友』の「日毎の糧」欄では、ある箇所を「主要日課」としていますが、「4年サイクル主日聖書日課」の基となっているJLG2では、この考え方を取りませんでした。使う側は、自由に中心となるテキストを選んでよいのです。
 聖書日課の構成から考えると、福音書が日課の中心になっています。会衆にとっても最もなじみのあるのは福音書でしょうから、福音書を中心日課にするのは、聖書日課を使い始める時点では、大変有用だと言えるでしょう。しかし、他の箇所も説教で取り上げることは可能です。このサイトでは、ヘブライ語聖書日課を説教に用いるためのヒントを増やしていきたいと考えています。
 どの日課を中心にするにせよ、他の箇所も朗読されるようにすると、聖書日課を使う意義が理解しやすくなります。福音書は日課の中心ですし、聖霊降臨節には福音書を準継続方式で読みますので、他の日課が説教で取り上げるテキストとなる場合でも、少なくとも福音書は朗読するのがいいかもしれません。
 

2つ以上の箇所を対話させる

 最近の文学批評では、「間テクスト性」ということが注目されています。文学作品は単独でも意味を伝えるものですが、それが2つ以上並置されると、1つだけで読んでいたのとは異なる意味を生じるようになります。
 これによって、「著者の意図」を探るという、これまでの読書や聖書研究で重視されていた目的から脱け出して、読み手の想像力や創造性が発揮できる可能性が開かれます。
 聖書日課は、もちろん、複数の箇所を組み合わせた際の「ねらい」はあると考えられますが(朗読箇所間の関係を参照してください)、読み手はそれにとらわれず、自由に、2つ以上の日課を対話させてよいのです。
 これは、実は、これまでの説教者が行ってきたことなのです。
 

講解説教との併用

 「4年サイクル主日聖書日課」では、福音書だけが準継続方式なので、ヘブライ語聖書や使徒書の中から1つの書を選んでの講解説教を望む説教者や会衆もあるでしょう。その場合、聖霊降臨節に、日課の朗読と併用するのはどうでしょう。ヘブライ語聖書から講解する場合、使徒書と福音書は日課から朗読するという具合にです。思わぬ展開があるかもしれません。
 上にも述べましたが、聖書は朗読されることが重要なので、このような方式も意義あると思われます。


聖書日課を用いて説教するために

日本キリスト教団出版局聖書日課編集委員会編『「新しい教会暦」による説教への手引き』、日本キリスト教団出版局、2008年。