聖書日課プロジェクト

「4年サイクル主日聖書日課」を礼拝・説教に生かすために

イタリア・ノナントラ修道院聖堂のタンパン

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更新日 2017-04-30 | 作成日 2017-04-30

『改訂共通聖書日課』と「4年サイクル主日聖書日課」

 『改訂共通聖書日課』(Revied Common Lectionary(RCL)、1992年)は、カトリック教会が発表したミサ用聖書日課(1980年)を基に、アメリカのエキュメニカルなグループThe Consultation on Common Textsが編纂したもの。リタージカルな教派だけでなく、従来ノンリタージカルとされていた教派(メソジスト、長老派など)でも用いられています。
 「4年サイクル主日聖書日課」の基となったJLG2編纂の際には、RCLの前身である『共通聖書日課』(Common Lectionary、1986年)が参考にされました(とくに、福音書日課における準継続型の採用)。また、RCLの編纂には、イギリスのJoint Liturgical Groupも参加しました(聖書日課とは参照)。
 独自の聖書日課をエキュメニカルな協力で作り上げてきたイギリスですが、イングランド教会(英国国教会)が、2000年に改訂された祈祷書Common WorshipからRCLを採用し、他の教派もこれにならいつつあります。この結果、RCLは、カトリック教会の聖書日課を含めると、現在、最も広く用いられている主日用聖書日課となっています。(LinkIconThe Revised Common Lectionaryのページへ)

 

両者の共通点

共通点1 西方の伝統的な主日主題に基づいている

 RCLと「4年サイクル主日聖書日課」は、どちらも西方の伝統的な聖書日課に基づき、それを展開させたものです。従って、基本的な構造は同じです。クリスマス前の期節をカレンダーのはじまりとすること、教会暦の終わり頃に「終末」に関する日課を置いていることなどです。
 また、RCLJLG2はお互いに影響を与え合っていますので、聖書日課の配置の仕方にも多くの共通点があります。
 

共通点2 各年に中心となる福音書を定めている

 RCLと「4年サイクル主日聖書日課」は、どちらも、中心となる福音書を決めています。
 RCLでは、A年はマタイによる福音書、B年はマルコによる福音書、C年はルカによる福音書としています。ヨハネによる福音書は、復活節(A年、B年、C年とも)の間に、また、マルコによる福音書の不足分を補うために指定されています(「4年サイクル主日聖書日課」については、聖書日課のページを参照してください)。
 

共通点3  後半に準継続型朗読を含んでいる

 RCLと「4年サイクル主日聖書日課」は、どちらも、聖霊降臨日以降の主日に、福音書を準継続型で朗読するようしています。それによって、1年を通して、それぞれの福音書をほぼ全体にわたって読むことができます。また、1年の礼拝に、中心となる福音書の「トーン」「色合い」が与えられ、統一性を感じることができます。一方、それが1つの福音書に偏ることなく、3年間で4つの福音書を全般的に朗読するので、多様な色合いも生まれてきます。
 

両者の相違点

相違点1 準継続型の朗読箇所に違いがある

 「4年サイクル主日聖書日課」では、聖霊降臨節に福音書だけが準継続型で読まれ、ヘブライ語聖書と使徒書は福音書に関連づけられて選ばれています。
 これに対し、RCLでは、使徒書も準継続型朗読になっています。また、オプションの選択によっては、ヘブライ語聖書も準継続型にすることができます(次の項目参照)。
 

相違点2 RCLでは、後半に2つのオプションがある

 RCLでは、聖霊降臨節のヘブライ語聖書日課は、2つのオプションから選択することができます。
 第1のオプションは、「4年サイクル主日聖書日課」と同様に、福音書の主題・内容に関連した箇所を選ぶもの。第2のオプションは、準継続型を選ぶものです。こちらを選択すると、その日に朗読される3箇所が、特別の関係がなく、それぞれに準継続型になります。
 この2つのオプションから選択する場合、途中で別のオプションへの変更をせず、その期節はどちらかのオプションを使い続けるべきであるとされています。


参考文献

The Consultation on Common Texts. The Revised Common Lectionary. Nashville: Abingdon Press, 1992.


イエスの「山上の変容」を記念する日が、4年サイクル主日聖書日課では復活前第4主日、RCLでは降誕節最終主日(復活前節に入る直前の日曜日)に指定されています。受難へと向かう前にイエスの「栄光」を記すこのテクストを読む日が異なるのは、期節のとらえ方の違いに起因しています。


RCLでは、聖霊降臨節の最後(アドヴェント直前)の日曜日を「王なるキリスト」の日としています(カトリック教会では祝日)。4年サイクル主日聖書日課では、既に降誕前節に入っていますが、アドヴェント直前の日曜日の主題を「王としての職務」とし、ヘブライ語聖書の「王」と「王としてのキリスト」を重ね合わせるような日課が選ばれています。


イギリスでは以前から、アドヴェント第2主日を「聖書主日」として守っていました。4年サイクル主日聖書日課にもそのことは反映されており、降誕前第3主日は「旧約における神の言」を主題とするようになっています。