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北京漫歩 2007年8月28日〜9月1日

万里の長城@八達嶺 2007.8.29 携帯で撮影。


2007年8月28日
私の携帯はauなので、海外でも同じ番号が使える携帯を借りようとしたら、ノキアの電池不良騒動で貸出中止になっており、27日から受付を再開したが、貸出まで申し込みから3営業日必要だという。つまり、私はダメということだ。
しょうがないので、成田空港でテレコムから即日レンタル。サービス期間中で基本使用料が1日350円。auよりお得だった。(^_-)
 
私の乗ったNH905便は、10:35発のはずだったが、理由の説明もなく30分遅れで出発。3時間10分後に北京の空港に無事到着。機上から見ると、北京の上空にはスモッグなのか、汚い薄い雲が低く垂れ込めていたが、地上からは見えない。
高速道路やビルがあちらこちらで工事中だ。30年前の北京とは大違いだ。空港も、30年前は人力で押してきた階段が飛行機に横付けされ、マッカーサーのように滑走路に降り立ったものだが、今は成田と同じだ。
 
税関を抜けて、右手二つめの中国商工銀行で1万円を両替。630.32元になったから1元=\15.865。成田では17.5円くらいだったから、ずいぶんとお得だ。円高のお陰だね。(^_-)
 
空港の国内線側の出口を出て、向かい側にエアポートバス乗り場がある。2番線が西単行きで、私の泊まる越秀大飯店に一番近い。料金は、どの番線でも16元。空港から1時間弱で到着。天気は曇り、気温27度くらい。
 
エアポートバスで天安門前を通る。あれが、毛沢東が立っていた天安門かあ。テレビで見たとおりだが、想像していたより多少サイズが小さい。民主運動で血に染まった天安門前広場も今は観光客が平和に散歩している。でも、再び民主運動が起これば、共産党政府が徹底的に弾圧することは確実だ。
 
天安門 2007.8.30 携帯で撮影。
  天安門前広場 2007.8.30 携帯で撮影。

地下鉄の西単駅でICカード「市政交通一?通」を購入。デポジット20元+地下鉄代30元=50元。1回当たり3元だから、10回使えるわけだ。入り口のチェック機にカードをタッチさせて通過。次の復光門駅で2号線に乗り換えて、宣武門駅で下車し、C2の出口を出ると、目の前に越秀大飯店がそびえている。
 
インターネットで予約していたので、スムーズにチェックイン。デポジットで200元を預ける。バンコクと同じだ。
部屋は10階のツインで、バスタブもダメもとで要望していたお陰か、付いていた。部屋は、やや古いが、広くて清潔だから、1泊素泊まり4,700円はお得だ。冷房、テレビ、冷蔵庫はもちろん、ミネラル・ウォーター3リットルまで付いていて、サービスがいい。(^_-)
 
宣武門駅の隣の地下鉄和平門駅を出て、瑠璃廠を見て歩く。昔の清代そのままの街並みで、筆・硯・書画骨董・茶を売っている。車が無ければタイムスリップしたみたいだ。その奥から旨そうな匂いがする。横道を突き当たって左に曲がると、鮮肉包0.6元、人参包0.5元があり旨そうなので買い、さらに店のテーブルにつき、トマト卵麺10元を注文。いずれも美味だった。
 
瑠璃廠。昔の清代そのままの街並みで、筆・硯・書画骨董・茶を売っている。 2007.8.29 携帯で撮影。
  長陵。第3代成祖永楽帝の陵墓。2007.8.29 携帯で撮影。

8月29日
6:00起床。どこも開店していないので、ホテルの前の歩道に店を出していた夫婦からサンドイッチとハンバーグ各2.5元と豆乳1元を購入。やはり北京の朝には豆乳が欠かせない。(^_-)
 
7;00、インターネットで予約していた英語ツアー(グレート・ウォールとミン・トゥーム)のガイドが私のホテルでピックアップ。ツアー仲間は、気のいい白髭オジサンのジャック(カナダ人)、スェーデン人カップル、アルゼンチン人のヘビースモーキング・ガールのメリッサとカタリーナ、オーストラリアから来た太っちょオバサン・コンビ、私の計8人。
全員をピックアップした後、高速道路を北へ1時間ほどひた走る。あちこちでオリンピックの競技場や宿舎を建設中だ。面白いのは、建築中のテレビ塔だ。足の部分だけができているので、ピサの斜塔が2本、向かい合わせで立っているようだ。(^O^)
 
明13陵は、第3代成祖永楽帝をはじめ13人の皇帝と后と貴妃の陵墓郡だ。初代の墓は確か南京にあるはずだ。第2代のときに永楽帝が反乱を起こして成功し、北京に遷都したので、第2代の陵墓は無いかもしれない。さぞかし当時の儒学者は、皇帝の正統性を立証するのに苦労しただろう。
 
中国最大の高さ約29メートルの石牌坊(参道の始まりの門)の横を通り、最大の陵墓である長陵(成祖永楽帝の墓)に着く。
快晴、気温は30度以上。暑い。(;^^)
 
稷恩殿には、太っ腹の成祖永楽帝の大きな銅像がある。いかにも人の下で大人しくしている顔ではない。(;^^)
ここの展示品のほとんどは、定陵で発掘されたものだ。長陵は発掘されていないからだ。
 
陵墓の手前には、見上げるようなデカイ楼閣があり、最上階には「大明 成祖文皇帝之陵」と刻まれた石碑(高さ約10メートル)があった。
 
陵墓は直径約340メートルの土の円丘で、その両側には殉死させられた16人の貴妃らの墓がある。花の盛りで殺された貴妃らの無念さはいかばかりであっただろうか?
どうも中国の皇帝の墓の無駄ともいえる犠牲の大きさには辟易するばかりだ。
 
2ヶ所ほどショッピングセンターを連れ回され、昼食後、お待ちかねの万里の長城だ。八達嶺(バダリン)長城は険しい嶺の上に作られた立派な石の城壁だ。馬なんかとても登れそうにない急峻に作る必要があったのかなあ?
我々は、通称「女坂」と呼ばれる比較的緩やかな坂の途中まで、コースター(往復60元)に乗っていった(ラクチン)。(^_-) そこから急な坂をいくつか越えると頂上だ。
 
万里の長城@八達嶺 2007.8.29 携帯で撮影。
 

いやあ、どこまでも続く長城を眺めると壮観としかいいようがない。ガイドの話では、長城の総延長は約5,000キロだそうで、作る側の膨大な犠牲と、それだけの犠牲を払っても阻止したかった北方騎馬民族の脅威に思いを馳せると感無量だ。(;^^)
 
帰りは、途中で地下鉄の駅に降ろしてもらって、北京最大の繁華街・王府井(ワンフーチン)を散策。広い通りが歩行者天国となっていて、バンド演奏や新人歌手が賑やかだ。服もファッショナブルで、東京の一角でも不思議はない賑やかさだ。
 
夕食は、その近くの小吃街で京劇を眺めながら、牛肉麺10元(美味)と坦坦麺8元を食べる。坦坦麺は、麺をすするだけで舌がジンジンと腫れ上がってくるほどの辛さだ。(;^^) それでも完食する俺って本当に節約家?
 
 
8月30日
今日も快晴で、暑くなりそうだ。
まず王府井にあるJCBプラザによって、今夜の雑技団鑑賞の予約をした。日本語ガイドとドライバー付きの車を含めて、260元。安すぎ?
 
ATMで500元をおろしてから、地下鉄で天安門東駅に向かう。天安門をくぐって、500メートルほど北上すると、午門という3層建の巨大な城門がそびえ立っている。ここで故宮入場券60元を購入し、いざ中へ。明と清朝の宮殿であった故宮へ。
 
故宮・午門 2007.8.30 携帯で撮影。
 

午門をくぐるとここからが外朝。金水川という曲水に白い石で作られた金水橋が5本かかっている。さらに約150m北には、太和門(工事中)があり、さらに約150m北には、あの「ラストエンペラー」のファースト・シーンで有名な太和殿がある。ここで感動にひたろうと思ったら、ここも工事中。(;^^)
 
 太和殿 2007.8.30 携帯で撮影。

皇帝の玉座 2007.8.30 携帯で撮影。
  皇帝専用通路 2007.8.30 携帯で撮影。

気を取り直し、中和殿と保和殿には玉座がある。うーん、なんか感動。ここに清朝最後の皇帝溥儀が座り、私と同じ道を通って、太和殿に向かったのかと思うと、歴史好きには堪らない。(>_<)
保和殿の北側には、故宮最大の石段(約200トン)があり、中央には御道と呼ばれる龍等が彫られた皇帝専用の坂がある。ひゃー、「ラストエンペラー」のファースト・シーンの石段とそっくりだ。
 
さらに北へ100mのあたりに乾清門があり、ここから北が内廷となる。清代には、この門で聴政が行われたそうだ。
さらに北へ100mのあたりに乾清宮があり、皇帝の執務室・寝室(27室)だ。さらに北には交泰殿、坤寧宮、坤寧門、御花園、欽安殿、順貞門、神武門となって、北端にたどりつく。それから西の麗景軒に向かった。途中に高い塀に両側をかこまれた長い路地がある。「ラストエンペラー」で傅儀が自転車に乗って疾走した場面の道だ。
 
ラストエンペラー溥儀の居室 2007.8.30 携帯で撮影。
  溥儀の自転車道 2007.8.30 携帯で撮影。

麗景軒は溥儀の生活した場所で、以外と質素だ。洋風の机や椅子やピアノがあり、洋風好みだったことがうかがわれる。
西太后が住んでいた西六宮を廻り、雍正帝以下8代の皇帝の執務室・寝室であった養心殿を見る。ここで1912年に行われた御前会議で溥儀の退位が決定されたのだった。
 
東六宮の多くは、珍宝館とされ、別に入場料10元が必要。特筆すべきは、9匹の龍が描かれた九龍壁の見事さと、三層の舞台をもつ蜴音閣だ。ここで西太后も観劇されたそうだ。
 
暢音閣(3階建劇場) 2007.8.30 携帯で撮影。
  閲是楼(観劇用宮殿)。西太后はよくここで観劇を楽しんだそうだ。2007.8.30 携帯で撮影。

景仁宮 2007.8.30 携帯で撮影。
  九龍壁 2007.8.30 携帯で撮影。

角楼 2007.8.30 携帯で撮影。
  天地劇場の雑技団 2007.8.30 携帯で撮影。

実際に歩いて廻ると、その広大さが実感できる。本当に足が棒になりそうだ。
中国の皇帝って、やることのスケールがでかすぎるなあと体感した次第だ。(;^^)
 
午後7時10分からは天地劇場で、中国雑技団の演技を鑑賞。
ここは、革新的な雑技団で、ストーリー性のある芸術的かつスピーディー・スリリングな雑技に感動できる。子供たちが主役で、人間業とも思えない演技を披露する。北京に来られた際には、是非経験してもらいたいものだ。(^O^)
 


8月31日
今日も快晴だ。
前門駅からタクシーで天壇公園西門に行く。前門の南にある大柵欄(北京の浅草)は地区再開発で立入禁止中。
通しの入場券35元を買い、西門から徒歩約30分で祈念殿に到着。途中、太極拳の集団がいたり、笛や胡弓がとても中国らしく聞き惚れてしまった。
 
前門 2007.8.31 携帯で撮影。
 天壇の祈念殿 2007.8.31 携帯で撮影。

祈念殿は、明清時代に皇帝が天に五穀豊穣を祈った、現存する中国最大の祭祀建造物だ。高さ38m、直径30m、青い円形三層の瑠璃瓦と白い石で作られた基壇のコントラストが目に焼きつくように美しく、その優美な曲線は中国木造建築の粋を集めたものだろう。
 
その南約200mに皇穹宇(小型の祈念殿のような形。皇帝の先祖の位牌の置き場所)の周りの円形の壁は回音壁といい、音が反響することで知られている。小声で壁に向かってささやくと反対側でも聞こえる。しかし、朗々と独唱する馬鹿な白人がいて、聞きにくい。そんな大声は、普通に反対側でも聞こえるから、邪魔なんだよ。気づけよ。(>_<)
 
その南側にある圜丘は、石造りの三層の壇(建物はない)で、皇帝が直接神に祈る場所で、真の天壇だ。中心点で小声でしゃべるとまわりに反響してはっきりと聞こえるそうだが、人が多くて実験はできなかった。
 
その後いったんホテルに戻り、チェックアウトして、北京動物園近くの西苑飯店に行く。西直駅からタクシー10元で到着。本館で100m以上離れた7号館に行けと指示され、行くとさらにC号棟に行けとたらい回し。しかも部屋は3階なのに、エレベーターなし、ポーターなし。もう2度と来ないぞ。(>_<)
 
昼食は、北京ダックで有名な北京大董?(火偏に考)鴨2号店(東四十条駅から徒歩5分)で北京ダック半羽79元等を注文。一人でも、空いている午後2時すぎなら予約無しでも大丈夫。鴨は焼き上がるまで1時間かかるそうだ。急ぎのときは別な料理にしよう。
鴨が来るまで、青島ビールの最高の肴である鴨の腸と青菜炒め・鴨の水掻き細切りの辛し酢味噌胡麻ソース添えを楽しむ。鴨の喉や舌まで食べたから、鴨のフルコースだ。(^_-)
 
約40分後、鴨が飴色に焼き上がると、シェフが自ら私の目の前で、切り分けてくれる。肉の部分もたっぷりついている。
北京ダックは初めてだと白状すると、可愛いウェートレスが微笑(苦笑?)しながら、丁寧に説明してくれる。
最初に、白ザラ目砂糖をつけて食べるように薦められる。疑問に思いながら、べっ甲飴のような皮の部分に砂糖をつけて食べると、皮の脂が舌の上で溶けて砂糖と混ざり、極上の味だ。こんなのは全然予想していなかった。
後は、恒例の薄い餃子用?の皮に、鴨を独特の味噌ソースにつけながら、各種の薬味とともに載せ、包み、パクリ。うーん、極楽! ライトな青島ビールと抜群の相性だ。(^O^)
 
しかし、薄いと思った皮が結構ボリュームがあり、全部食べおわった後は、お腹がパンパン。でも、鴨スープとデザート2種はちゃんと入る。(;^^) いやあ、満足!
お値段は、北京ダックの他に4品と青島ビールを頼んで、計195元。JCBカードの特典で1割引後の値段だ。
 
北京ダック 2007.8.31 携帯で撮影。
 前海と鼓楼 2007.8.31 携帯で撮影。

腹ごなしに、鼓楼大街駅で降り、南下して胡同(フートン)を抜け、前海を一周。この辺りは清代の庶民の家である四合院が集まった小路(=フートン)が錯綜し、とてもいい雰囲気だ。夕方の湖にはボートが浮き、柳が風に吹かれ、湖岸のテラスでお茶を楽しみながら眺めていると、炎暑の後だけに極楽だ。
湖には水泳・釣り禁止という掲示があったが、庶民は水泳も釣りも楽しんでいる。いい眺めだ。陽が落ちていく。
 
 
9月1日
今日も快晴だ。
午後2時45分発の飛行機なので、午前中が肝心。
まず学生3人の娘を持つ父として向かった先は、国子監だ。
ここは、元・明・清代の科挙試験場であり、ここの学生は全国からのエリートだったのだ。そして、そこに建てられた孔廟、すなわち孔子を祭った廟は、曲阜の孔廟に次ぐ規模を誇る。ここで、娘たちの学業成就を叩頭して祈願した。(^_-)
孔子様もまさか日本の娘たちの学業成就までお願いされるようになるとは思いもしなかっただろうが・・・。(;^^)
 
次に向かったのは、すぐ近くにある雍和宮。チベット仏教(ラマ教)の中国における中心である。入場券がバーコード処理されているのはさすがと思ったが、さらに驚くのは小さなDVD(CD?)が25元の入場券の中に同封されていることだ。畏るべし、ラマ教!
ここの何百とある仏像に、中国式に線香を頭上に掲げながら参拝し、叩頭する。ここでも、娘たちの学業成就を祈願したのだ。
なお、男女交合の歓喜仏はガーゼをかけられ、見ることはできなかった。残念。(;^^)
 
雍和宮の門。チベット仏教(ラマ教)の中国における中心 2007.9.1 携帯で撮影。
  金鼎軒での飲茶 2007.9.1 携帯で撮影。

この近くには、天壇に対する地壇(地の神をまつった場所。正方形)公園があるが、時間がなくカット。
カットした時間は、近くの金鼎軒での飲茶に費やす。
ここは、リーズナブルなのに料理が凝っていて美味しいという評判で、地元客で賑わっている。6:00〜11:00までが飲茶タイムで、ほとんどの点心が4.8元という安さ!
ここで、小龍包などの点心を満腹になるまで楽しんだ。味も評判通りの美味しさだった。
問題はこの後、4.8*7=33.6元のはずが、なぜか63元という請求書。おかしいと計算機をつきつけて抗議。しかし、相手はメニューを指差して、小龍包などの高級品は除外されているから正しいのだと説明している(らしい?)。(;^^) なぜか喧嘩になると、外国語でも相手の言うことは理解できるし、私の文句は通用する。
たしかにガイドブックにも「ほとんどの点心が4.8元」とあるし、63元(約1,000円)は極めてリーズナブルなので、支払うことにした。
なお、ここは24時間営業で、写真付きメニューもあり、雍和宮駅のすぐ近くなので、北京に来た際には、是非お試しを。
 
それから、ホテルにとって返し出発。西単駅近くのエアポートバスに乗る。予定より遅れていたので焦っていた。
バスにようやく汗だくになりながら席に座ると、バスの外から私に中国人が呼びかけている。彼の手元を見ると、私のクレジットのゴールドカードが。(;^^)
あわててバスを降り、彼からカードを受け取る。いやあ地獄に仏だ。これで私の中国人感は一変した。親切で正直な人もいるんだなあ。(^_-)
 
空港の出発ロビーに着いたが、航空会社のチケットカウンターがない。インフォメーションに聞くと、税関手続を抜けてから先にあるそうだ。こんな飛行場は初めてだ。(;^^)
チェックインを済ませてから、郵便局を探すが無い。人に聞くと、税関の手前にあるという。しょうがないので、また出て、絵葉書を出してから、再度、税関に申告書を渡して入る。(;^^)
 
その後は、順調に成田に到着。いやあ、やはり日本はいいねえ。一気に私の中の警戒態勢が低レベルに下がるのが分かるよ。(^_-)