#8992/326 世界の旅 コメント数(0)
★タイトル ( ) 99/ 7/ 2 5:27 ( 71)
美味につられて台北へ(1)7月1日。 aruja
★内容
(中正紀念堂)

 あたふたと仕事を午後2時35分に切り上げて、京急線で羽田空港に向かう。
 初めての羽田空港なので、なかなか国際線のターミナルに行くバス乗り場が
分からない。まあ分からないついでに、本屋でマンガ本の立ち読みなんかする
から、ますます時間がなくなる(阿保かいな?)。
 案内所の人に聞くと、指差す方向には「国際線ターミナル」という大きな表
示板がある。なんで先ほどまで、あれが見えなかったのだろう? なんかいつ
もと調子が違うなあ。

 なんとか国際線ターミナルに着き、中華航空のカウンターでチェックイン。
ここは、建物が小さくて迷いようがないのがいいね。

 私の乗ったCI101便は10分ほど遅れて、午後5時30分頃に離陸。青
いチャイナ・ドレスを来たスチュワーデスさんが奇麗だなあ。やはり、訪問先
のエアラインに乗ると、飛行機の中から訪問国の雰囲気があるから、いいよな
あ。特に、スカートのスリットからのぞく白い太ももが何ともはや色っぽい。
(;^^)

 飛行が安定すると、まず台湾のビールで喉を潤してから、夕食。ビーフとシ
ーフードがあり、私はシーフードを選択。エビチリソース&ライスがなかなか
いける。特に大根サラダはさっぱりとしていて美味しい。シンガポール航空と
差がないくらいだ。ということは、私が食べた機内食では一番ましな方だとい
うことだ。

 2時間50分くらいの飛行時間で、台北の空港に午後7時20分頃に着陸(
日本との時差は1時間)。いつものように機内の持ち込み手荷物一つだけだか
ら、税関を先頭を切って抜け、銀行で両替。1万円で2590元だから、1元
約4円。うーん、元が高いなあ。

 そして、銀行の隣りのバスのチケットセンターで、美麗華大飯店経由のリム
ジンバス(120元)を予約して、乗り込む。バスは10分と待たずに出発。
うん、なかなか調子がいいぞ。

 約50分で美麗華大飯店に到着。なかなか大きくて立派なホテルだ。廊下や
室内がやや古びた感じだが、気にするほどではない。インターネット用の装備
も整っていて気に入ったぞ。

 日本にいるより台湾にいる時間の方が長いというのびたさんから教えてもら
ったセブン・イレブンでミネラル・ウォーターを調達してから、街の探索に乗
り出す。これものびたさんから治安が悪いなんてことはないと言われた林森北
路を目指す。確かに夜中の零時近くだというのに結構人通りが多くて危ない感
じはない(薄暗い裏道に入らなければの話だ)。

 私が結局入ったのは「響」というジャズバー(住所 台北市林森北路145巷2
号1F(九條通)、電話02-2561-2950)。マスターは高田さんという品のいい
ロマンスグレーの素敵な日本人で、片言の日本語をしゃべる可愛いクーニャン
もいるぞ。
 ひとしきりマスターと雑談をして、美味しい中華料理の店の情報を仕入れる。
 ウィスキー「山崎」の水割りを2杯飲んで、お勘定は780元。割と安い。
さらにガイドブックまでもらってしまった。マスター、有り難う。

 ちょうど「響」の裏にある「台南大絆担仔麺」で、担仔麺(ジャージャー麺)
40元、煮卵10元、豚足80元、清湯麺(タンメン)40元、蜆の醤油漬け
80元(全部美味しかったが、特に蜆は最高。ニンニクと唐辛子が効いていて
ビールなどのつまみには最高)。ここは、お薦めである。零時を回っているの
にほぼ満員の盛況だ。


 店は家族でやっているらしく、旦那さんもおかみさんもニコニコしていて
愛想がよく、気持ちがいい店だ。
 こちらの分かりにくい中国語も辛抱して聞き分けてくれる。有り難い。

 ほろ酔い加減で歩いているときに特に注意が必要なのが、歩道の犬のウンチ。
大盛りのがあちらこちらに散らばっているから、踏んじゃうと大変だぞ。

 帰りはタクシー。ホテルまで2キロくらいあったが、深夜料金20元を加え
ても100元。しかし、手元には小銭は95元しかなかった。後は1000元
札ばかり。結局、5元まけてもらった。汗。運転手の陳さん、どうも有り難う。
 こうして1日目の夜は更けていったのであった。

   1999・7・2  aruja


#9046/326 世界の旅 コメント数(0)
★タイトル ( ) 99/ 7/13 0: 9 ( 87)
美味につられて台北へ(2)。7月2日。 aruja
★内容
 目覚めるともう10時だ。外へ出ると、快晴! ワア、暑い! 35度はあ
るぞ。さすが亜熱帯の日差しは強烈だ。

 美麗華大飯店の近くを散歩しながら、朝食をどこで取ろうか思案した。のび
たさんから教えてもらった店はまだ開店していない。民権東路から合江街に曲
がって最初の八百屋の右隣りにある「晴光姑嫂麺分店」からうまそうな匂いが
漂ってくるので、飛び込んでみた。元気のいい娘さんが湯麺40元(1元=約
3.7円)と湯(この下に「火」がつく)青菜40元を勧めるので、それをもら
うことにする。それから煮卵10元を指さすと、娘さんは「これにはこの昆布
(20元)がつきものだ。おいしいよ」と言っているようなので、勧めに従う。
待っている間に、屋台グルメガイドを広げると、店のおじさんが見せてくれと
寄ってくる。渡すと、家族全員で読み出す。おいおい、俺の注文はどうなった
んだ。(汗) 士林夜市や牛肉麺街などの写真が満載なので、結構受けている。
「日本ではこんなものが雑誌になるのか?」と聞いているようなので「是(シ
ー)」と答える。そのうちやっと私の茹でた青菜が出てくる。スープの中に茹
でられた青菜が鎮座し、その上によく炒った挽肉がのっかっていて、これを混
ぜあわせてから食べると、これがウ・マ・イ! 昨日の食べすぎが効いた腹わ
たにしみとおるような澄んだ旨味のあるスープと単純な青菜と挽肉のちょっと
コリコリした食感が最高だ。タンメンもまあまあだ。テーブルの上のソース(
昨日、食べたシジミの醤油漬のたれにそっくり)を掛けた煮卵とコンプの味も
なかなかのものだ。


 腹ごしらえが終わったし、さあ、今日は、故宮博物院に行くぞ。まずは、台
北駅へ行って地図とバスガイドブックを買いに行くことにする。ホテル前のバ
ス停に行き、台北駅行きのバスの番号を探す。49番だ。他の人のバスの乗り方
を見ていると、お目当てのバスが来たら手を振って止めるようだ。私もまねて
49番のバスを止め、乗り込む。運転手の脇に「下車収集」という表示があるの
で、このバスは下車時に料金15元を払うようだ。過ぎ去る街並みを眺めてい
ると、「電脳」という表示がやたらに目に付く一画がある。近くに「T−ZO
NE」というビルもあるところからすると、あの辺りが有名な光華市場(パソ
コンショップ街)らしい。時間があったら行ってみよう。そういえば、バンコ
クの知人がその近くの理髪店はムヒヒだとか言っていたが、どういう意味かな?

 台北駅はとても現代的で、近くの新光三越ビルはとても高く、台北のシンボ
ルタワーになっているようだ。私は、書店を求めて、公園路を歩き、YMCA
の近くの書房で台北市街地図80元と大台北市公車指南80元を買う。地図と
バスガイドさえあれば、鬼に金棒。バスガイドは、出発地と目的地のページを
開き、共通の番号を探すだけでいいから簡単だ。もう市内は自由に歩きまわれ
るというものだ。

 地下鉄に乗る前に昼食をとることにした。YMCAの近くの公園路にある「
香華素食餐処」という店に入る。若いOLでいっぱいなので、おいしいのでは
ないかと推測したのだ。カフェテリア方式で、紙容器に好きなものを好きなだ
け盛って、重さによって代金を払う仕組みだ。テーブルには20種類以上の料理
が並びケーキなどの点心類も充実している(だからOLに人気があるのかな?)
。生春巻や空芯菜の炒め物や油条(細いフランスパンを油で揚げたようなもの)
を皿に山盛りにし、デザートのココナッツをまぶしたタロイモケーキと白飯2
0元を追加して、計135元。豆腐とワカメのスープは飲み放題だ。

 テーブルについて、まずはデジカメで料理をピカリ。隣のOLさんが不思議そ
うに見るので、デジカメの液晶画面に今まで撮った写真を映して見せると、OL
さんたちの人気の的。これ(コダックのDC210A)は幾らなのかと聞かれて、10
000元と答えると、流石に高いという反応。
 焼き豚と思ったのは、どうやら違うみたいだ。「素食」とあるので、豆腐か
何かを使って肉のような歯ごたえと味を実現しているようだ。結構、美味しい。
つまり、ここはベジタリアン・カフェテリアという訳だ。低カロリーで美味し
く安いのだから、OLに人気がある訳だ。


 昼食を済ませて、地下鉄(MTR)の台北駅に向かう。出来てから2,3年
という感じで、通路やエスカレーターもきれいで気持ちがいい。
 切符は、まず料金表で確かめてから、料金ボタン(故宮博物院のある士林駅
まで25元)を押し、それからコインを入れる(紙幣は駄目)と、テレホンカ
ードのような切符が出てくる。分からなければ、近くにインフォメーションが
あり、片言の英語で通じるので、聞いてみよう。

 日本と同じ様な自動改札機に切符を入れ、バーを手で押して中に入る。切符
はリサイクルしているようなので、折り畳み厳禁だ。

 車両の中は、二人がけのプラスチック製の椅子が縦横に配置されている。席
に座って地図を広げていると、隣りのおじさんが「日本人か?」と英語で聞い
てくる。「そうです。観光に来ました。故宮博物院に行くところです。」と答
えると、おじさんは、丁寧に故宮博物院への行き方を教えてくれた。台湾のお
じさんは、親切だなあ。有り難う。m(_ _)m

 士林駅で下りて、おじさんに教えられたとおり、通りに出た所にあるバス停
(駅から徒歩1分)で故宮博物院行きのバスに乗る。バスを待っている間に、
近くの店でマンゴーアイス15元を買ったが、美味しい。こんなに超暑い日には、
アイスに限るぜ。
 このバスは、「下車収集」とあるが、皆、乗車時に払っているので、私も払
う。例外はどこでもあるというところか。

 バスの中で騒ぐガキがいる。そばにいる30代くらいの両親は何も注意しない。
そのうち、そのガキが私の足を踏んづける。一度目は我慢したが、二度目はさ
すがに怒って注意する。しかし、ガキも親も謝らないし、親はガキに注意もし
ない。日本にもこういう馬鹿親子はいるが、台湾の将来も明るくないような気
がする。

   1999・7・12 aruja(武蔵小金井)


#9062/326 世界の旅 コメント数(0)
★タイトル ( ) 99/ 7/16 0:50 ( 87)
美味につられて台北へ(3)。7月2日。 aruja
★内容
 MTR士林駅から故宮博物院まで304番のバスで20分くらい。タクシーなら100元
くらいだそうだ。終点で降りたが、故宮博物院の入口までが長い。途中、入場
券の販売所らしきものが左手にあるが、窓口で聞いたらチケットは故宮博物院
の中で買いなさいと指示された。長い階段を上がり(暑いよー)、建物の中に
入ると冷房が効いていてほっとする。80元の入場料を払い、クロークで荷物を
預け、音声ガイド(120元?)を借りる。展示物の前に行き、その番号を押す
と日本語で説明してくれる。借りる際には、パスポートか現金1000元(2000元
だったかなあ?)が必要。午後二時すぎなら、日本人の団体が次々に来るから、
団体の後について日本語の説明を聞くのもいいかも(ちょっとうるさいが)。

 1階は、殷、周時代の墳墓から出土した葬祭品や青銅器が展示されていた。
おどろおどろしい獣面を見ると約3000年前の人々の想像力に驚かされる。

 2階は書画やお目当ての陶磁器で、憧れの宋の汝窯の天青無紋楕円水仙盆と
出会った。NHKで放映されたときに見て、一目ぼれしてたのが、今回の旅行
の最大の動機だ。その青磁の奥深さに魅了されて水仙盆の前から動けない。底
に溜まった釉薬の色合いのなんと見事なこと。さらに龍泉窯の粉青盤口鳳耳瓶
の淡い青磁の深い透明感や、清の康熈窯の宝石紅観音瓶のルビーのような見事
な紅がなんて素晴らしいのだろう。晋の王義之の書、唐の顔真卿の「劉中使帖」
、宋の蘇東坡の「去私来辞」(?)等、歴史の時間に習った有名な書の実物が目
の前にある。遠い過去との一瞬の邂逅に立ち尽くす。ここはほとんど人が来な
いので、修学旅行生の喧騒に悩まされたときはここが一番。

 3階は、玉器などの彫刻。球の中に何重もの球を彫り、さらにその1個々々
が自由に回転するのを見ると、これを彫りあげるまでの時間の長さに感嘆する。
ガイドさんは、孫まで三代に渡って彫りつづけて完成させたと言っていたが、
途中で失敗したら最初から彫り直さなければならなかったそうだ。(;^^)
 美しく色むらがほとんどない黄色の玉石(黄色の玉はとても希少なのに)を
彫り抜いて、鎖に繋がれた3個の分銅を完成させたものも見事というしかない。
鎖も同じ玉石で、つなぎ目がまったく無いのだから、全てが1個の玉石を彫り
抜いて出来たものだ。
 外にも驚嘆すべきものは沢山あったが、書き切れないので、この辺でやめて
おく。

 まったく中国の皇帝の富は驚異としか言いようがない。死ぬまでには必ず故
宮博物院を見ておくことをお薦めする。膨大な量なのでいっぺんには展示しき
れず、順番に入れ替えているそうで、何度行っても新しい作品を見ることがで
きるそうだ。うーん、もう1回、来なくては。

 疲れたら、4階の喫茶室(二つある)へ行こう。ただし、狭いのでテーブル
が5個しかない。30人も座れるだろうか? だから、午後3時頃に行っても座
れないので、少し早めのティータイムがいい。しかし、値段が高い割にはティ
ーバッグ(烏龍茶45元も)なので、がっかりしないように。点心は5種類くら
いしかないが、私が食べたのは鳥豆沙(36元)というお饅頭。味はまあまあ。

 帰りもタクシーの勧誘を振り切り、304番のバスでMTR士林駅へ行き、民
権西路駅で降りて、225番のバスを使って一旦ホテルに戻った。シャワーを浴
び、さっぱりした後、軽く眠り、元気を回復した後は、さあ小龍包の「鼎泰豊」
の本店へ出発だ。寝ている間に雨が降ったらしく、涼しくなっていて気持ちが
いい。台北の人が夜になると街へ繰り出すわけだ。午後7時半なのにバスがな
かなか来ないので(鼎泰豊は午後8時半閉店)タクシーを呼び止め、ゴー! 
ホテルから約15分で鼎泰豊(信義路2段194号)の前に到着。入口に行列が出来
ていたが、一人であることを店員に告げると、すぐに店内に入れた。2階の席
に案内され、注文を聞かれ、メニューを指差し、小龍包(10個入り)170元、蝦
仁焼売(蝦シュウマイ10個入り)290元を注文し、さらに紅焼牛麺180元を注文
すると、小姐は多すぎるのではないかと忠告する。うーん、私の胃袋の大きさ
を知らないなとは思ったものの、こちらも注文した品の量を知らないので、ち
ょっと不安になり、紅焼牛湯170元に変更(珍しく弱気)。(;^^)

 しばらくして、小龍包が登場。小皿に山盛りの針しょうがの上に醤油・酢・
辣油を好みの分量だけかけ、そこに小龍包をつけて食べる。箸で触るだけで破
けそうな薄い透き通った皮の小龍包をほうばると、口の中いっぱいに肉汁がほ
とばしり、思わずアッチッチ・ウ・マ・イ! その熱旨さに「フォ、フォ」な
どと口走る。やはり本店の方が新宿高島屋の支店より美味い(その差は期待し
ていたほどではなかったが)。あっという間にビールで小龍包を腹に納めてし
まった。続いて、蝦シュウマイ。丸い蒸し器の中で湯気を立てている蝦シュウ
マイの何とうまそうなこと。口に入れると、そのむっちりとした歯触りが何と
も言えない。続いて蝦の香りが充満した豊かな味わいのアツアツのすり身が舌
の上に広がる。うーん、天国!

 牛湯の牛肉も箸でほぐれるくらいよく煮込まれていて、なかなかのものだが、
特筆すべきほどのものではない。
 やはりまだ満腹ではないので、鮮肉粽子(肉チマキ)60元を1個注文。これ
が、思わぬヒット!舌でほぐれるほどよく煮込まれた肉は、これぞ角煮ザ・ベ
ストと言わんばかりの旨さで、その肉汁が沁みこんだチマキの何と美味なこと。
今まで食べた中で最高の肉チマキと言っても過言ではない。
 アッ、うっかりして料理の写真を撮るのを忘れていた。メニューに載ってい
る「小龍湯包」は土日の午前9時から10時までしか供しないと書いてあったの
で、日曜の朝に来たときに、写真を撮ることにしよう。

 台湾でも24時間ATMが多くて助かる(日本だけだぞ、客の利便を考えないの
は!)。中華商業銀行でシティバンク・カードで2000元(1元=約3.67円)を
円預金から下ろす。その際、「PIN」を入力してくださいと表示されるが、さ
んざん試行錯誤の末、パスワードのことだという結論に達した。フー。
 その後は、またジャズスナック「響」に行って、マスターやアヤちゃん(沖
縄出身)やヤヤちゃん(台湾人)(二人とも20才くらいのカワイ子ちゃんだよ)
と雑談を交わした後、ホテルに戻って寝る。

   aruja(武蔵小金井)
PS、
 この日、台北駅前の歩道橋で転んだ拍子にパソコンの入った鞄をコンクリー
トの階段に激突させ、パソコンが故障。昨日までは、インターネットで仲間と
メールのやり取りをしていたのに、今日からは不可能になった。うーん、短期
の旅行と侮らず、予備を持ってくるべきだった。(;^^)


#9099/326 世界の旅 コメント数(0)
★タイトル ( ) 99/ 7/28 0:43 (133)
美味につられて台北へ(4)。7月3日。 aruja
★内容
 今朝は、コパ・アメリカでの日本戦があるので、ホテルでNHKの衛星放送を
見るが、1点も取れず、3対0の完敗。こんな不甲斐ない試合を見るために貴
重な台湾での時間をつぶすのではなかった。

 午前11時過ぎに、ホテルを出ると、外は今日も快晴。アッツイぞ!
 まず腹ごしらえだ。のびたさんの教えてくれた(復興北路402巷28だが、民
権東路3段から龍江路へ斜め下に伸びる裏通りで分かりにくい)に行く。割と
清潔な店だ。席に座って、さっそくのびたさん御推薦の清敦(これに火ヘンが
つく)牛肉麺(小)95元(1元=約4円)を頼んだ。客は、駐在員らしき日本人
以外は近所の人達らしい(観光客は私一人だけ)。その牛肉麺のスープは、澄
んだ醤油味で、肉の旨味を残らず溶かしこんだような絶品だ。麺は、讃岐うど
んを細くしたような腰のあるやや縮れた麺で、スープとよく合って、ウ・マ・
イ! うーん、病みつきになりそうだぜ。

 もう1杯、食べたかったが、他にもまわる予定の店があるので、早々と切り
上げ、次の鼎記水餃麺食館(錦州街)に向かう。ここも、のびたさん推薦の店
で、入口では粉末紅茶などを売っている。鮮肉水餃40元(10粒)(うーん、安い)
と、麺のメニューを次々と指差して「ハオチー(おいしい)?」と尋ねると、
愛敬のある小姐(女性の店員。結構、背が高く、すらっとしている)がこれが
美味しいと教えてくれた肉燥乾麺60元を注文。水餃子は、まあまあだが、思い
がけず美味しかったのが肉燥乾麺。これは、スープ抜きの冷やし中華に挽肉入
り味噌ダレ(やや甘口)をかけたもので、この味噌ダレと細切りのキュウリと
シャキシャキしたもやしと、細いキシメンのような腰のある縮れ麺が意外なほ
どマッチしている。

 ここでも、料理の写真を撮っていると、不思議がられ、小姐の写真を撮って、
デジカメの液晶画面に映してみせると、喜ばれた。店のおじさんが日本語を話
せるので、私が日本から観光に来たと言うと、おじさんは、台湾に観光に来た
なら、是非、絶景があるから花蓮に行くべきだと、小姐と一緒になって強力に
薦める。台北の松山空港から飛行機で1時間くらいで、日帰りもできると説明
してくれる。うーん、今回は故宮博物院以外は食べ歩きが目的なので行かない
が、次回は是非そこへ行ってみることにしよう。
 小姐に「ヘン・ハオチー(とても美味しい)、ツァイチェン(再会)」と言
って代金を払うと、笑顔で「さよなら、また来てね。」と日本語で言われた。
是非、また来たいものだ。

 のびたさん推薦の錦州街の山東餃子大王に行くが、まだ開店していなかった
ので、結局、行きそびれてしまった。次回の楽しみというところだ。

 そうこうしているうちに、ゴーという感じでスコールが天からナダレ落ちて
きた。うっかり傘を忘れたので、鼎記水餃麺食館の西隣の丹堤(ダンテ)珈琲
店に入る。ここは龍江路と錦州街の交差点にあるので、位置が分かりやすい。
美味しいホットコーヒー(ダンテ・スペシャル35元)を飲みながら、窓の外の
スコールと行き交う人々を観察する。つい二日前の今ごろは東京の職場で必死
に働いていたのに、今は台北の街角の喫茶店がくつろいでいるのが不思議な気
がする。前の席では、カップルが東京と同様にいちゃついている。まあ、お幸
せに。(^_-)

 スコールをやり過ごしてから、喫茶店で広げた地図で見つけた果菜市場を捜
すことにした。美麗花大飯店の前の栄星花園という公園の向こう側にあるらし
い。民族東路(この辺は中古車販売店や車・バイクの修理屋が多い)まで足を
のばすがなかなか見つからない。あきらめてホテルに戻ろうと南下すると、あ
れ、果物屋の露店が軒を並べているではないか。建国北路と民族東路の交差点
から1本東側の通りを南下すればよかったのか。

 パイナップル、パパイヤ、マンゴー、ココナッツ、ランブータンなど南国の
果物が山となって積まれている。辺りは、南国の香りでいっぱいだ。そして、
その中でちょっと異様な独特の匂い(好きな人にとっては魅惑的。嫌いな人に
とってはゲー)を放つのは、東南アジアでは果実の女王といわれる金枕頭(ド
リアン)だ。でも、匂いが薄いなあ。シンガポールでは100メートルくらい離れ
ていても嗅ぎつけたのに、こいつは5メートルも離れると、他の果物の匂いで
分からなくなる。品種改良で匂いの薄いドリアンが出来たそうだが、これがそ
うなのかなあ? 頑固そうな店の親父さんに、1パック(剥き身2房入り、約
1kg)幾らかなのかと聞くと、答えがかえってくるのだが、台湾語らしくてよく
分からない。持参の電卓に入力してもらうと100元という答え。まけてくれと6
0元と打つととんでもないと首を横に振る。まわりの店の人は、あの頑固親父
に日本人が値切りの交渉をしていると笑っているような気がする(結構、まわ
りに集まるんだよね)。東南アジアに何度か行っているせいか、露店では必ず
値切る癖がついたようだが、まわりを見渡すと、この市場では値切らないのが
普通のようだ(例外あり)。うーん、ちょっと恥をかいてしまった。(;^^)

 結局、違う露店でも値段が同じだったので、1パックを購入。厳重にポリエ
チレン袋で2重に包む(持込み厳禁のホテルの部屋に持ち込むため)。(^_-)
 さらにライチーが安かったので、半斤8元(めちゃ安い)で購入。両手いっ
ぱいもある。食べきれるかな?

 ホテルに帰って、さっそくドリアンにかぶりつく。そのネットリと舌にまと
わりつく濃厚な甘みの何と豊かなこと。そして、豊潤な香り。うーん、お良さ
んに食べさせてあげたい! 思わず、2房全部食べてしまった(でも、これが
後で誤算と気づくのだ)。

 プールで一泳ぎした後、部屋で一眠り(これが最高に気持ちがいいのだ)し
た後、夕闇せまる街へ繰り出す。行き先は、士林夜市だ。ホテル前のバス停か
ら225番のバスで、地下鉄の民権西路駅に行き、そこから剣沢駅まで行く(20
元)。駅から3分ほどで、市場に着く。午後7時頃なら、人の流れのほとんどは
士林夜市に行くので、迷うことはまずない。ここは、台北市最大の夜市で、通
りが一つ丸ごと市場だそうだが、実際に行ってみると、平行する通りや脇道も
市場で全部見物するには一晩かかりそうだ。

 入口のあたりの路上にTシャツを広げて売っている若者もいる。7月10日か
ら公開されるスターウォーズ・エピソード1のTシャツもある。子供や甥っ子
が喜びそうなので、早速交渉。「290元」(英語)と言ってくるので、こちら
はまず「150元」からスタートし、何回かのやり取りの末、3枚買うというこ
とで1枚210元までまけてくれた。ちゃんとした店で、ほぼ同じものが980元だ
ったから、まあお買い得というところか(洗濯したら模様がみんな無くなった
りして・・・)。(;^^)

 他にも通りの真ん中で物を売っている人がいっぱいいるが、時々、一斉にい
なくなる。その後、原付き白バイに二人乗りの警官がやってきたので、ハハー
ンと納得することになる。

 そろそろ夕飯の時間なので、鼻をひくひくさせると、士林夜市に入って3本
めくらいの左側の脇道からなにやら美味しそうな匂いがする。匂いをたどって
いくとTシャツ屋などのお土産街の奥に、飲食屋台が100軒以上ありそうな市場
がある。奥の方の一番美味しいそうな匂いを立てていて、行列ができている店
で「オアジェン イーガ(牡蛎卵1個)!」(40元)と頼む。待つことしばし、
オバチャンが目の前の鉄板でジュージューと作ったばかりの熱々の牡蛎卵がテ
ーブルの上に載る。まずは一口。うーん、う・め・え・ぞ! 外側プリプリ、
中はジューシーな牡蛎の旨味が柔らかい羽二重餅のような卵に閉じ込められ、
甘辛い絶妙なソースと共に口の中ではじける。うーん、幸せ。と思ったら、さ
っき食べたドリアンがまだ消化しきれていないことに気づく。えー、ビールが
飲めないじゃん!(知らない人のための注:ドリアンが腹に入っているときに
アルコールを飲むとドリアンが発酵して死ぬこともあるそうだ) なにしろほ
とんど風の通らない天井の低い市場に100軒以上の屋台が一斉に煮炊きをして
いるのだから、地獄より暑い! まず40度は超えているじゃないだろうか? 
そんな所で美味しい酒の肴を前にビールが飲めないなんて、うー、地獄じゃ!
(;_;)

 灼熱地獄を抜け出して、表通りのジュース売りの露店で木瓜牛乳(パパイヤ
ミルク30元)を注文。目の前のジューサーでパパイヤを砕き、ミルクと氷を入
れて更に混ぜ合わす。カラカラに乾いた喉にしみとおるような美味さだ。つい
でに、粉末紅茶(15元)も頼む。この喉の渇きは木瓜牛乳1杯では納まらない
のだ。

 隣りで、可愛いピンクのドレスで盛装した4才くらいの女の子が興味深そう
にこちらを見ているので、写真を撮らせてもらった。台北の夜の繁華街の特徴
は、家族連れ(子供は着飾っている)が多いことだ。外食が多いというが、こ
れだけ美味しくて安い店が多く、共働きも多いというから当然かもしれない。
それに、夕立後は涼しくて散歩するには最適だもんね。

 再び、士林夜市の喧騒をかきわけ、端から端まで往復したが、さすがに疲れ
た。まだ腹の中のドリアンは健在なようなので(ドリアンの食べ過ぎには注意
しましょう。(;^^))、今晩はスナック響に行くのはやめて、大人しくホテル
に帰ることにした。

   aruja(武蔵小金井)


#9108/326 世界の旅 コメント数(0)
★タイトル ( ) 99/ 7/29 1: 4 ( 78)
美味につられて台北へ(5)。7月4日。 aruja
★内容
 明日は、東京へ帰らなければならないので、今日が実質的には台北最後の日
だ。まずは、土日祭日の午前9時から10時までしか食べられない、鼎泰豊の幻
の小龍湯包が目標だ。

 ホテルの前の公園に通りかかると、何やら騒がしい。午前8時前から何をや
っているのかと中に入ってみると、「何じゃこりゃ!」。50才以上とおぼしき
カップル数十組が、1メーター以上もある巨大なスピーカーから流れる音楽に
合わせてダンスをやっているではないか。スピーカーの前に座っているおじさ
んにお金を払ってダンスをしているようだ。うーん、よく分からない世界だ。
(;^^)

 そして、その向こうでは、数百人の男女が、赤いジャージを着た数人の師範
の動きに合わせて太極拳をやっている。中国だなあと思う瞬間だ。

 その西にある斎場では、お葬式のようだが、丸い花飾りが真っ赤で、看板等
の地が鮮やかな黄色で、まるでお祭りのような飾りつけなのが、中国だなあ。

 民権東路をさらに西へ行くと行天宮というお宮がある。盛んにお香を焚いて
いるが、仏教寺院ではないようだ。何を祭っているのだろう? 人々は、いろ
んな供物を奉げて、熱心にお祈りをしている。中には地面に腹這いになって、
真剣にお祈りをしている人もいる。若い人も多く、宗教が盛んな様子がうかが
える。

 安天宮前のバス停から505番のバスで、鼎泰豊を目指す。新生南路と信義路
の交差点付近でバスを降り、西へ15分ほど歩くと鼎泰豊に到着。まだ午前8時
半なのに、入口にはすでに10人以上の行列ができている。私の後ろにいる夫婦
は、台湾の日本人駐在員だそうで、こんな行列が出来たのは日本人観光客が勝
手に並ぶせいで、以前は混んでいても列なんか作らずに勝手に入口の店員に申
し込んで呼ばれるのを待っていたそうです。そういえば列に並んでいるのは、
私と同様に観光ガイドを持った日本人観光客がほとんどのようだ。

 8時50分頃に入店が開始され、私も2階のテーブルに通された。さっそく小
龍湯包290元(10粒、1元=約4円)と菜肉蒸餃160元を注文。待つことしばし、
湯気の立っている小龍湯包と緑色が透けて見える菜肉蒸餃が到着。うーん、堪
らない匂いだ。小龍湯包には小鉢に入った中華スープが添えられており、その
スープにつけて食べてもいいし、普通に針ショウガ醤油につけて食べてもいい
そうだ。


 まずスープにつけて食べてみる。黄金色の透き通ったスープはやや薄味で、
小龍湯包の繊細な味をこわさず、なかなかグッド。薄い皮を噛み破ると、一昨
日食べた小龍包よりやや肉汁の量が多く、口の中でほとばしり、舌の上で美味
さが踊り、喉を駆けくだっていく。うん、小龍包より一段と旨さが増している。
そうさ、これを食べに台湾まで来たんだぜ!

 菜肉蒸餃は、野菜主体の蒸し餃子で、味わいは素材の味そのもので、期待し
たほどの味ではなかった。いつも当たりという訳にはいかないものだ。

 小龍湯包に満足した後、腹ごなしを兼ねて信義路を更に西へ歩き、途中の露
店でデザートにカットされたパイナップル25元を買って食べる。台湾で食べる
フルーツのなんて美味しいこと。

 蒋介石総統を記念する白亜の巨大な中正紀念堂がある公園の回廊では、ジャ
ジャン・ジャンジャンと京劇のような賑やかな楽の音が聞こえる。回廊のあち
らこちらで、おじさん(おじいさんも半分くらい)たちがドラや胡弓や笛や太
鼓を演奏しているのだ。声高らかに歌い出すおじさんもいて、賑やかなものだ。
皆、実に楽しそうに演奏している。しばらく、楽の音に耳を傾ける。

 私の父も日中戦争で中国北部に出征し、蒋介石の「暴に報いる恩を以ってな
す」という政策(裏の事情もあったが)で日本に帰還できた兵士の一人だ。私
も人々にならって中正紀念堂にお参りをし、心の中で礼をのべた。

 結局、台北駅まで歩いたが、猛暑だったので、途中で買ったポリ袋に入った
氷入りレモネード15元の美味しいこと。喉が鳴るぜ。

 台北駅から歩いて20分、台北市立中興医院の近くで、忠孝西路2段と鄭州路
を結ぶ路地が有名な牛肉麺街で、わずか200メートル足らずの路地に、20軒近
い牛肉麺屋が軒を連ねている。その路地の鄭州路側の入口に位置する大碗公牛
肉麺店で「ニューローメン シャオ イーガ(牛肉麺の小一丁)!」(55元)
と叫ぶと、しばらくして店のおじさんが牛肉麺を運んできた。美味しいぞ、食
べてみろ(日本語)と言うので、早速、麺の上に卓上の高菜漬けを載せ、ラー
油をふりかけ、かぶりつく。よく煮込んだ美味い牛肉が麺が見えないくらいた
っぷり入っていて、それとややあっさりしたスープに太めの麺がよく合い、な
かなかの美味しさだ。汗をふきふき、夢中で食べる。
 おじさんに「ハオチー(美味しい)」と言うと、ちょっと偏屈っぽい顔が笑
顔でほころぶ。屋台のガイドブックを見せ、ほらおじさんの店が載っているよ
と指し示すと、それを見たおじさんが、本当だと嬉しそうにしていた。

   aruja(武蔵小金井)


#9141/326 世界の旅 コメント数(0)
★タイトル ( ) 99/ 8/14 0: 6 ( 98)
美味につられて台北へ(6)。7月4日。 aruja
★内容
 牛肉麺街に別れを告げ、台汽北站(バスステショーン、台湾中への便が集中
している)を通り、台北駅前に又戻ってきた。新光三越でお土産を物色した後、
次に目指すは龍山寺。1738年に建立された台北最古の仏教寺院だ。49番のバス
に乗り、龍山寺(康定路と三水街の交差点付近)のバス停で下りる。路傍には、
僅かばかりの家財を新聞紙に広げた人々が買わないかと売り込んでくる。中に
は仲間との話に興じて客を無視している店もある。

 午後3時頃、龍山寺の手前に来たとき、急にスコールに襲われる。屋根のあ
る路地に飛び込むと、そこは延々と店が続く三水街市場だ。迷いこむと出てこ
れなくなるのではないかと思うような細い路地を奥へと進む。美味しそうな店
がいっぱいあり、鍋貼と書かれた焼き餃子とスワンラータン(割と酸っぱいス
ープ)に心をひかれるが、すでにお腹は満腹。次回の訪問のために心の備忘録
に刻みこむ。ジュース屋で生のパイナップルをジューサーでジュースにしても
らう。うーん、美味い。

 小雨になったところで、再び龍山寺に向かう。赤や青や緑や黄色のド派手な
山門の前で供物を売るオバサンから、お供え物を50元(1元=約4円)で買う。山
門をくぐり、滑りやすい石畳を通り、本堂の前の回廊にたどり着く。線香が並
んでいて、いくばくかのお金を寄付して7本の線香を買う。線香を奉げる場所
が7ヶ所(観音菩薩、文殊・普賢菩薩等。後殿には媽祖、関帝、誕生娘々等)あ
るので、7の倍数だけいるそうだ。8ヶ所だったかもしれない(うーん、年を
取ると忘れっぽくなるなあ。(;^^))。
 次々にお祈りをしながら、線香と供物を奉げる。同じような人がお寺の中に
1000人以上いる。皆、必死に祈っているようだ。何を祈っているのだろうか?
 その真剣な横顔を眺めていると、他人事ながら望みが叶うようにと思ってし
まう。

 龍山寺を出ると、次の目的地はそこから西へ徒歩で10分ほどの華西街観光夜
市だ。ネオンに輝く看板の下をくぐり、夜市を歩くと蛇屋などが目立つ。店先
で生きている蛇の生皮をはいだりしている。反対側では、大蛇の入ったガラス
ケースの中に白い小ネズミを入れて、生餌にしたりしている。観光客がまわり
に群がっている。夜市を15分ほど北に歩くと、右側に有名な「台南担仔麺」(
華西街31号、電話3081123)があった。大きなネオンに店名が輝いているので、
見落とす気遣いはない。店頭のガラスケースの中には鮮魚が数知れないほど多
く泳いでいる。貝やカニも生きている。足を縛られた蟹に目を奪われた。見る
からに旨そうだぜ。一番活きの良さそうな蟹を指差すと親方が800元だと言う。
うーん、流石に高い。でも、せっかくここまで来たのにたかが3000円くらいの
値段に引き下がっては、食いしん坊の名がすたる。

 ここは、一つ贅沢をしてみようじゃないかと、蟹を一匹蒸してくれと頼む。
調理法は客の好みのままで、日本語でも通じるから(私の場合はね)、是非挑
戦してみよう。
 店内に入って驚いたのは、中はヴェルサイユ宮殿もかくやと言わんばかりの
金キラキンの内装に、ゴージャスなシャンデリヤが下がり、美人のウェートレ
スが揃いの制服(もちろんスリット入りのミニスカート)を着て、ウェッジウ
ッドの食器で丁寧に給仕してくれる。
 こちらは、Tシャツに短パンにサンダル履きのオッサンなので、何とも場違
いだ。しかし、ここで逃げ出す訳にもいかず、せいぜい姿勢良く食事をするこ
とにする。注文してから調理にかかるので、最低でも30分は覚悟しておくこと
だ。まずは、前菜の盛り合わせと台湾ビールを注文して、美女の注いだビール
(100元)をぐいっと飲み干す。うーむ、胃袋にキュっとくるぜ。

 約30分後、蒸したてのアツアツの蟹が金に緑の縁のウエッジウッドのお皿に
鎮座して私の前に運ばれて来た。うーん、堪らない良い匂いだぜ。早速、甲羅
を脇にどけ、半分にカットされた片側の身を持ち上げる。鮮やかな黄色のカニ
ミソが早く口に運んでよと急き立てるような感じだ。あーん、カプ。ウッ・ウ
ン・ウンメエー! V(^O^)V

 シンガポールのレストランLEE DOで食べた蟹に優るとも劣らない味だ。やや
シンガポールの方が濃厚な味だったと思うが、これはこれで美味しい。こいつ
と一緒に台湾ビールを飲むと、うーん、極楽気分だぜ!

 締めは、やはり台南担仔麺だ。しかし、これがなんとも少量だ。割と小さめ
のスープカップに入ってきた。ウェートレスが奉げ持つ器があまりに小さいの
で、頼んでもいない紅茶が出てきたのかと思ったくらいだ。透き通った醤油ベ
ースのスープに細めのストレート麺が漂っている。味は、鼎記水餃麺食館に匹
敵するくらい美味しいのだが、何とも量が物足りない。たっぷり飲食した後に
食べるラーメンとしてはいいのだが・・・。

 若者たちで賑わう西門町を食後にぶらつく。映画では、「ハムナプトラ」が
人気があるようだ。行列が出来ている。
 流石に疲れたので、最後は足裏マッサージだ。響のマスターが紹介してくれ
た美楽健康中心(中山北路2段25号6階、電話25422927)に行く。
 途中で鳳梨酥(林森北路156)に寄って評判のパイナップルケーキをおみやげ
に買う。甘さもほどほどで2週間くらい日持ちがするそうなので買ったのだが、
日持ちはともかく、味があっさりしすぎているので、あまり美味しいとは思え
なかった。

 美楽健康中心はビルの6階にあるが、入口が表通りにはないので、ちょっと
分かりにくい。エレベーターで6階にあがると、経営者の難波整体士はもちろ
ん、受付の女性も日本人なので、気軽にいろいろと聞けるので助かる。1時間
コースが1000元、30分コースが600元(カード可)。整体コースの料金は忘れた
が、このコースだけは予約が必要だそうだ。
 時間がなかったので(午後9時半頃に着いたのだが、閉店が午後10時)、30
分コースを選ぶ。若い女性のマッサージャーが、ベッドに横になった私の足を
熱いタオルで丁寧に拭いた後、なにやら先の丸まった木の小さな棒で私の足の
裏をゴリゴリとマッサージをしてくれる。私は悪い所がないようで、あまり痛
くないと思っていたのに、親指のつけ根あたりをゴリゴリされたら、「ギャー!
 痛い!」。マッサージャーの説明では、肩や首がこっているのだそうだ。そ
う言いながら、私の痛がる所をことさら念入りにゴリゴリする。ギャー! こ
ちらが痛そうにすると、なんだか嬉しそうにゴリゴリするのは気のせいかな?
(;_;)

 その後、足全体のマッサージをし、こっていると言われた肩や首のあたりを
念入りにマッサージしてもらった。うーん、気持ちがいい。生き返ったような
気分だ。
 ここのマッサージは、痛いときもあるけれど、なかなか効くような気がする。
次回もまた来たいものだ。なお、サービス券(響でもらった)があると、1割
引きになるよ。JCBなんかで予約すると、割引してくれるかもね。

   aruja(新潟県五泉市)


#9142/326 世界の旅 コメント数(0)
★タイトル ( ) 99/ 8/14 0: 7 ( 47)
美味につられて台北へ(7)。7月5日。 aruja
★内容
 今日は、12:00台北発のCI100(羽田着15:55)に乗るので、遊んでいる暇はな
い。
 でも、朝食を食べるために合江街を民権東路から南下する。ここには、朝か
ら屋台が軒を並べていて、美味しそうな匂いが漂っている。

 シュウマイ売りの屋台で、小龍湯包(40元,10個)と酸辣湯(スワンラータン、
20元)を注文して、歩道のテーブルで待つ。すぐに出てきた小龍湯包は、湯気
を立てていて、アッチッチのムッチリのプリンプリンで、かぶりつくと汁気た
っぷりで、美味い。うう、思い出すだけで唾があふれ出すぜ。ちょっと皮が厚
いが、そのコストパフォーマンスは、鼎泰豊を大幅に上回るものだ。
 スワンラータンには、筍や人参やとき卵等が入っていて、コショウと酢が効
いた割とすっぱいスープだ。黒い細切りの紐のようなものは、どうやら豚の血
を固めたものを切ったもののようだ。うーん、栄養満点。

 更に南下すると、今度は左側の屋台から美味しそうな匂いがする。さっそく
オアジェン(牡蛎オムレツ)30元と牡蛎入り粥(小)30元を頼む。牡蛎入り粥
には、プリプリの牡蛎の他に炒めた挽肉や油条(台湾独特の細長い揚げパン)
の細切りも入っていて、ちょっと塩の効いた薄味の粥は、連日の中華料理に悲
鳴を挙げていた胃にしみ込むように旨い。
 牡蛎オムレツは、一昨日、士林夜市で食べたものより美味しい。泊まってい
る美麗華大飯店に近い所に、こんなに美味しいものがあるなんて灯台下暗しだ。
台湾に来たら、ホテルの近くの市場を探検した方がいい。第二の鼎泰豊が見つ
かるかもしれないし、台湾の屋台や飲食店の水準は極めて高いから、期待以上
の味に出会える可能性は高いのだ。

 更に南下すると、四海豆漿大王があるではないか。ここで鹹豆漿(甘くない
調理豆乳)を食べたかったのだが、すでに満腹。涙をのんで次回の楽しみにし
ておくことにした。

 ホテルに戻り、最後の荷作りをして、清算を済ませ、美麗華大飯店横のリム
ジンバスの停車場で凱悦飯店9:30発のバスを待つ。やってきたのは10時近く。
料金は120元で、空港までの所要時間は約1時間。11:00頃に空港に到着。手早
くチェックインを済ませ、パスポートチェックを通り、お土産を物色。地球の
歩き方「台湾1999〜2000」には空港使用料を払うと書いてあったが、払うべき
場所は見つからなかったし、特に注意をも受けなかった。エアチケットに含ま
れているのかなあ?(後に確認したら、含まれていた。)

 満席のCI100便は、ほぼ定刻どおりに出発して到着(羽田)。モノレールとJ
Rを乗り継いで、午後5時前には職場にたどり着いた。期限の迫っていた仕事
を片づけると、外は真っ暗。窓の外には東京の夜景が広がっている。10時間前
には台北にいたのになあ。なんか夢みたいだぜ。
 さて、馴染みの新宿のジャズスナックで1杯やってから帰るとするか。(完)

   aruja(新潟県五泉市)