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食べてばかりの台湾(1)きっかけ〜台北着 新・若旦那
台湾には縁がなかったのは、どうも冴えないイメージしか思い浮かばなかったから
だと思う。売春ツアーとか、ミニ中国とか、貧乏くさいとか、言葉にするとそんな
事だったのだと思う。
家人が教えている日本語のクラスに台湾の女性がいて、その女性が「台北ウオーカ
ー」(これは角川が出している)の温泉特集をくれた事がきっかけで心が台湾にか
たむいた。
台北だけじゃ面白くないから、もうひとつという事で、「台北→台南」というコー
スにしたのは、北の反対で南にしただけで深い意味はないんです。台南は、飲茶発
祥の地という言葉にひかれただけ。
その程度の期待しかなかったのが、それが、帰る時には、台湾絶賛になってしまっ
たのだから、自分でもビックリするほどの変わりようだ。何かそんなに良かったの
かな〜という事を書いてみたい。(2001年。1月2日〜7日の旅でした)
21世紀になった2日目。つまり2001年
1月2日。21世紀になった2日目。つまり
2001年1月2日。10時半の日本アジア
航空に乗って1時半には、もう中正国際空港
に着いた。
機内で、「HAPPY NEW YEAR」」パッケージ
のお屠蘇セットが出た(写真)。時差が−1
時間だから、約4時間の旅。空港から台北駅
徒歩3分の駅までは、市バスで90元(円と
も呼んでいるが、日本円と差をつけて元と呼
ぶ。1元=3.5円)。つまり、300円程度。
台北駅までが50分くらい。まず台
北駅で2日後の台南行きの列車の切符を買う。当日売りとそれ以外と窓口が別なの
がややこしいが、表示はすべて漢字なのでなんとなく分かる。持参の8センチ角の
単語帳には、予めこんな事が書いてある。
1月4日
台北→台南 自強号
2K(枚)14:00発
自強号というのが新幹線に相当する特急で、1等2等はなし。距離は300キロく
らいで、東京からだと浜松の先くらい。値段が700元(つまり2500円程度)
と、これは驚くべき安さ。
ホテルは日本の代理店で予約した。華華大飯店で、1泊8000円程度。50階建
てのヒルトンホテルの真裏。外は汚いけど、わりときれいで広い。部屋はダブルベ
ッドとシングルベッドのツインルーム。おすすめホテル。
どうも外国に来たという気がしないのは、台湾人が日本人と全く同じ姿カタチだか
らという事と、看板が全部漢字だからだと思う。始めての外国に来た緊張感がゼロ。
ちょっととまどったのは、英語が全くダメな事。キヨスクで時刻表を買おうと思っ
て「タイムテーブル」と言っただけで、お姉さんが混乱して逃げようとする。結局、
単語帳に「時刻表」と書いて見せればいいんだ〜という事が分かったので、それか
ら先はその作戦でやる事にしたのであった。
食べてばかりの台湾(2)台北1日目・鼎泰豊 新・若旦那
今回の楽しみは・食べること・温泉・汽車の旅の3つで、ガイドブックを見てると
食べたいものばかりで困る。そこで、食べたい順に食べるのが良かろうということ
にした。まず今夜は、「鼎泰豊ティンタイフォン」という小龍湯包の店。
あるじゃのんさんはバスで行ったが、ぼくたちはTAXIが安いと聞いていたから、
TAXIで。65元だから、250円弱。この店は、NYタイムズがピックアップ
したグルメのベスト10に入った店。して、そのコンテンツは小龍湯包だと言うか
ら恐れ入る。すごいフランス料理とかそういうのじゃなくて、ただの汁入り肉まん
なのだ。
到着するとすでに、待ちの客が外にあふれている。整理してるお姉さんのオーダー
用紙に注文を書いて、ウェイティングのナンバーをもらう。そのナンバーは、電光
掲示板に出るから、隣の本屋で時間をつぶす。その本屋には、「鼎泰豊の成功の秘
密」みたいな本が大々的に売られていた(写真)。
順番が来て3階に通される。思った以上に大きい店。蒸籠を持った店員が行き来し
ていて活気がある。小食のぼくたちが頼んだのは、小龍湯包170元(10粒)をふた
つと鶏のスープ。
このスープも濃くてうまかったが、本題はやは
り小龍湯包。小ぶりで皮はこれ以上薄くできな
いというほど薄い。箸でつまんでレンゲの上に
乗せ、針ショウガと黒酢を垂らして一気に口に
放り込む。
皮が破れ中から肉のうまみがたっぷりの汁が口
中に広がる(思い出しても生つばが出る)。し
かもとても熱いので、冷まそうと息を吹き出し
つつ、一方でうまみを逃すまいと息を吸い込み
ながらの作業となる。この作業を10回繰り返
すと、すでに満腹に状態になるのだが、わたしの聞いたハナシでは、100個食べた
というモサがいるそうである。気持ちは分かるが、そんなに食べてもおいしくなかろ
うに(^_^;)ゞ。
鼎泰豊は、東京新宿高島屋スクエアにも出店しているが、やはり本場が一番。世界
1の小龍湯包だ。こういう単純な食べ物は、職人のほんのちょっとした腕で味が違
ってくるのだと思う。台湾一夜目にして、このようなものが食べられて、これから
が楽しみになってくる。
1日目終わり。切りのいいところでつづくに。
新・若旦那(東京・板橋)
食べてばかりの台湾(3)台北2日目・ワンタン、苦茶之店 新・若旦那
●昨夜のおいしい味に期待は高まるばかり。早起きして、ワンタンを食べに行く。
おめあての店は周記肉粥店なのだが、まだやっていないので、並びにあった三味香
に。おなじみの風景だが、店先は湯気が立ち、うまそうな匂いが、オイデオイデを
している。
ここの「小盆」という小さいワンタン
と、肉マンを頼んだのが、小さいワン
タンというのが、すごいボリューム。
日本のおかゆ茶碗のようなものに、ワ
ンタンが6個入っているだけだが、ひ
とつひとつが大きくて(肉もたっぷり
で)朝から満腹となる。ついでに、こ
の肉まんも、肉が充満。ジューシーで
うまい。ワンタン60元。肉まん20
元。つまり、220円と、70円であ
る。たまりません
(この日は、そのあとに、地下鉄で北投温泉に行ったのだが、
それは「世界の温泉」で紹介する事にしてスキップとする)
●夕方に台北に戻り、台北駅の西側にある甘味処に
行ってみる。「苦茶之店」だ。
ここの名物はその名の通りに苦茶(50元)なので
これを飲む。つまり薬草の苦いお茶だ。とてもまず
いのだが、胃が疲れ気味なのでとてもうまい(矛盾
してるが)。二日酔いのサラリーマンが飲むタフマ
ンのようなものであろう。もうひとつ頼んだのが、
四季実(50元)という季節の実が4種入ったあん
みつのようなものは、HOTでいくらでも食べたくな
るような自然の甘みだった。
●足裏マッサージをやろうと、台北駅の北にある中山まで歩
いてくるとお良さんご用達の「牛乳大王」があったので、パ
パイヤミルク(60元)を飲む。今回は3カ所でこれを飲ん
だが、「牛乳大王」がいちばん美味だった。これは中国料理
とは関係のない、グローバルなうまさである。日本でも売る
べしだ。
ここまでで、夕方の5時くらい。まだまだあるので続く。
新・若旦那(東京・板橋)
食べてばかりの台湾(4)台北2日目・足裏指圧と台南担仔麺 新・若旦那
●さて、ぶらぶらと歩いて足裏マッサージにたどり着いた。驚いた事に、店の前に
大型バスが留まり、ごったがえしている。ここ「滋光堂」はJALパックのご指定
の店らしい。「台湾3泊、美食と足裏マッサージの旅」みたいなやつであろう。1
時間半後に予約を入れて、しばしマクドナルドで時間潰し。またしても、ハンバー
ガーを食べてしまう。さて、いよいよ指圧の時間。
新生北路一路にある「滋光堂」は、20人くらいがいっぺんに出来る大きな店だ。
まず、足をていねいに洗う。しかる後に、歯医者の椅子のようなものに座る。足元
に、指圧師がつく。手には、なぜ足裏マッサージが効くのかという日本語の解説書
を渡してくれるので、それを読みながらの指圧となる。
曰く、「足の裏にはたくさんのツボがあるが、疲れてくると尿酸とかカルシウムが
溜まり血行が悪くなる」「しかるにその尿酸とかカルシウムをほぐすことで血行を
良くするのである」こういう事らしい。
つまり言いたいことは、「足を押していると痛くなることもあるが、我慢せーよ。
それは、溜まった尿酸とかカルシウムをほぐしてるんだからである」という事であ
ろう。
解説書には足の表裏に1〜30番までの数字が書いてあって、それを万遍なく押し
ていく。その内に、とてもとても痛い箇所にぶち当たる。涙がちょちょぎれそうに
なるほど痛いが、そこはグッと我慢するしかないじゃないの(^_^;)ゞ(写真)
40分ほど押してもらって、700元(日本円だと2500円)。おじさんは商売
人であり、日本語もとても上手。特にお金のハナシだとスラスラと答えてくれる。
まめにストレッチをするようにというアドバイスなどをいただき店を後にするが、
脚が軽い。確かに効果がある。安くはないが、上手です。
●そこで、やっと夕食となる。今日食べたものを考えると、すでにカロリーオーバ
になっていて、食べなくてもいいくらいだが、晩飯くわないのは寂しいじゃない。
目指した台南大伴担仔麺(伴は手偏)は、接待用と思われる日本料理屋などがなら
ぶ森林北路の細い路地にあるぼろっちい店です。店先には、例によっておいしそう
なモノがごちゃまんとならんでいる。店の壁のメニューには、日本語でフォローし
てある。その中から(写真)、
・シジミの紹興酒漬け(生シジミだが、生臭くなく美味)
・豚あごの軟骨炒め(日本なら捨ててる部分、珍味)
・青菜(チン・ツァイと発音。覚えていると野菜不足が解消する)
・香腸(シャン・ツァンと発音する。腸詰め。これは美味!)
これに500CCくらいの紹興酒を暖めてもらって1本。
仕上げに担仔麺(タンツーメンは、茶碗そばで、緬や具が選べる)
を2杯食べたらさすが満腹。驚くなかれこれでたったの500元
(1750円)なのである(一番驚いたのはぼくだった)
いやしい事に、帰り道のセブンイレブンで紹興酒を1本買って晩酌をして寝た。な
んて飲んべいなのだ(^_^;)ゞ
2〜4まで書いて、やっと二日目が終わり。
先が思いやられるのだ。
新・若旦那(東京・板橋)
食べてばかりの台湾(5)台北3日目・台北→台南に 新・若旦那
この日は、到着日に台北駅で買ったチケットで、台南に向かう日である。台湾の列
車というものは、どんなものなのか期待が高まる。
●さてと、朝はお粥を食べる。るるぶに出てた
「周記肉粥点」に行く。大衆食堂と呼ぶのもた
めらわれるほどぼろっちさで、本に紹介されて
なかったらまず入らないだろうと思うような店
である。写真で赤いスープのようなものが、お
粥で、すでにしっかり味がついている。米はつ
ぶれていない。お粥というよりもおじやという
方が近いかも知れない。おかずは、焼き豚、心
臓、なにやら内臓、青菜などで、外を見ながら
ズリズリと食べると、中国人のような気がしてくる。
これで225元(800円)。
あんまり安いものばかり食べていたから、高く感じるほど、うまくて安いのだ。
遠いのでTAXIで行った。TAXIで、ぼろっちいお粥の店に行くのは、とても
金持ちのような気がする(しかし考えて見ると金持ちならこんな店には行かないか)。
●午前はまだ長いので、中国茶の体験をしてみようと「陸羽茶芸店」に行く。ここ
はお茶屋さんで2階が個室のティールームになっている。通された部屋は、6畳ほ
どの広さで、正面がお茶をたてる席。そこを囲むように6つの椅子が置いてある。
お茶が選べるので、迷ったけどプーアール茶に
する。店のお姉さんが、見本でお茶を入れてく
れる(写真)。おじぎしてこれをいただく。後
は、自分で入れて勝手に飲めばいい。もったい
ないからがぼがぼ飲んでいたら、茶腹になった。
ふたりで700元(2500円)。この店は、
何時間いてもいいらしいので、集まりのような
ものに使うらしい。
ついでだけど、「陸羽」というのは、香港の飲茶の名店にもついている名前なので
どういう意味か聞いてみた。唐朝の茶の神なのだそうだ。なるほど、なるほど。
(どうやって聞いたかと言うと、「陸羽」という文字の横に「意味」と書いて指さ
しただけ。ホントは、意味は意義と書くらしいのだが通じる。中国語は便利だ)
●茶腹で外に出たら昼飯の時間になっていた。そこで餃子を食べることにする。
中国の餃子はだいたいが水餃子なのだが、焼き
餃子もあって「鍋貼」と書いてある。行ったの
は峨群街の「一条龍子店」というところ。餃子
と豆腐のスープを頼んで待っていたら、お盆に
乗せておつまみを売りにくる。
手に取ったのが(写真)。枝豆をさっと茹でごま
油、にんにく、ラー油であえてある。辛いがうま
い。中国は、こんなものまで手を加えて、ちゃん
とした料理にしてしまうのだな〜とほとほと感心
してしまったのだった。
鍋貼り餃子は、写真の通りおおきくて春巻
きのようなカタチ。これもアチアチでパリ
ッとして、中はふんわりで美味だった。計
250元。実は、まわりのテーブルで食べ
ているものが非常にうまそうだった。親戚
会みたいな家族連れの所には、どんどん料
理が運ばれてきて、ぼくも参加したくなっ
てしまう。その横では、韓国のおじいさん
の帽子みたいな?煙突が立った鍋で、盛ん
に火鍋をやっている。
う〜〜ん、また行ってみたい!
3日目の午前中は食べてばかり(^_^;)ゞ
新・若旦那(東京・板橋)
食べてばかりの台湾(6)台北3日目・台北→台南に。その2 新・若旦那
●1月4日、午後2時の特急「自強号」で台南に向かう。「自強号」は全席指定
で1等2等はなし。台南まで300キロ強を4時間弱で走る。東京からだと浜松
の先あたりまでを4時間だから、あまり早いとは言えない。ただ、料金は(忘れ
てしまったのだが)確か、3000円くらいと驚くほど安い。(日本の鉄道はな
んて高いんだ!)
車両はあまり新しくない。席には、白いカバーがかかっている。「のんびり汽車
の旅」という気分になれる。鳩を飼っている小屋があったり、レンゲの畑があっ
たり、途中の風景ものんびりしていて、20年前の日本を見ているようだ。台湾
の西側を走っている線なのだが、海が見える線と山側を走る線があって、ぼくた
ちのは山線だった。
走り出してすぐに、台北駅で買った駅弁を
開いてみる(写真)。紙のパッケージにご
飯が敷き詰めてあって、その上に鶏?の揚
げ煮、煮卵、湯葉の含め煮が入っている。
これで60元(210円!)は、あまりに
も安く、そしてうまい!
●のんびりと走っている内に日はどっぷりと暮れて台南
に到着。宿は、目の前の台南大飯店。奮発してここで一
番のホテルにしたのだがそれでも1万4千円程度。
部屋の窓を開けると、中庭に丸いプールがあって、噴水
がライトアップされている。西洋式にバーベキュウの準
備が整っていて、東南アジアっぽいトロピカルな雰囲気
だ。でも、プールで泳ぐには、ちと寒い!
「そうだ、こんどは夏のリゾートにこよう」
さて今夜の食事だが、ホテルでは食べないのだ。かねて
お目当てだった本場の台南担仔麺(タンツー緬)を食べ
に夜の町に繰り出す。
台南は、特急が止まるくらいに大都会なのだが、新旧交代のまっさかりという感
じの町で、50Fくらいあるビルや、ガラス貼りの三越があるかと思えば、古い
レンガ造りの店が続いていたりする。初めての町、しかも夜ということで、やや
緊張するが、雰囲気から危険はなさそう。
●その店は、中山路を徒歩15分。ロータリーの消防署を曲がったところにある。
「度小月台南担仔麺本舗」である。「台南担仔麺」というのは東京にもあって、
すでに一般名詞化しているが、この店の支店という事ではない。一般名詞化まで
した総本山がこの店だ!
どんなに立派な店かと思ったら、明かりは薄暗く、おやじが股ぐらで火を暖めな
がら茶碗ソバを作っている。道ばたに背の低いテーブルが2つ、3つ。実に素朴
というか、気取りのない店だ(うまい店はこうじゃなくちゃ!)(写真)
この店は基本は茶碗ソバだけだから、椅子に
座り込んだ親父の前に置かれた具とソバ(普
通のそば、ビーフン)を指でさせばいい。具
は、あひるの卵(これがうまい!)、腸詰め
(シャンツァン)、肉みそ、香菜など。
壁には日本語も書いてあるから頼みやすい。
ビールは、クーラーから勝手に取って飲む。
カラスミ、青菜炒めも頼み、茶碗ソバを4杯
ずつ食べて満腹になる。これで、650元
(2200円)だから、ありがたくて涙がでそう(^_^;)ゞ
夜の町を戻りながら、セブンイレブンで紹興酒を1本買って、部屋で飲んでぐっ
すり眠る。(あとで分かったんだけど、セブンイレブンは高い)
3日目終わり。残るはあと3日。
新・若旦那(東京・板橋)
食べてばかりの台湾(7)台南2日目。ちまき、えびフライなど。 新・若旦那
(台湾に来て4日目。台南の2日目です。)
●台南は、点心発祥の地だから、朝から点心。と言っても、単品だけの専門店
がたくさんある(みたい)。この朝は、ちまきに挑戦。「再発号」のちまきは
ジャイアンツ馬場のにぎり拳ほど?の大きさがある。日本のちまきは、角煮と
卵にしいたけ程度の中身だが、ここの
は八宝ちまきと言って、8つのおいし
いものが入っている。栗、アヒルの卵、
エビ、ホタテの貝柱、しいたけ、などが
入ってひとつ、100元(350円)
白身さかなのスープと、ちまきひとつ
をふたりで分けて腹一杯。有名な店ら
しくて立派なパンフレットもあるのだ
が、店はぼろい。「店よりも大事なの
は味だよ〜!」と店のおばちゃんが言ってるよ
うだ。日本の店長に教えてやりたい事である。
●腹ごなしにお寺をぶらぶら。孔子朝というお寺に、日本風のの門があったり
して、戦争があった事を思い出すが、それも過去のことのように思えるほど、
ひっそりしたたたずまい。お寺は漢字だらけなので、台湾にいる事を忘れてし
まいそうだ。
●そんなことをしてる内に昼飯〜!珍しいモノを食べ
た。米の粉と片栗粉と併せて練って伸ばしたものに、
肉と野菜を包んで蒸す。とろみのついた醤油味のアン
で食べる。書くとややこしいが、(写真)のようなも
のです。
わさびをつけて、つるつるした舌触りを楽しむ。
「友誠蝦仁肉団専科」はこの専門店。コーラも飲んで
ふたりで100元(350円)。
●食事が終わって、特に行くところもない。
そこで、TAXIで安平という古都に行く。
オランダに占領された時の城跡や、日本軍と
戦った防空壕をぶらぶらと見る。ここでのお
目当ては、「周氏之蝦巻」というスナック系
の食べ物。エビとネギのみじん切りを春雨に
巻いてフライ粉であげてあるもの。台南はエ
ビの本場でもある。熱くてうまい。(2本で
40元 130円)。
●夕方が迫ってきたので、ホテルに戻る。北京ダッグを
丸ごと売っている店があって、1匹がたったの150元
(500円くらい)。北京ダッグをちゃんと食べたこと
のない家人がよだれダラダラだったので、よっぽど買お
うかと思ったのだが、これを食べたら晩飯中止になる!
という事でやめる。
さらに、途中で東南アジアで良く見る果物を買ってみた。仏のアタマみたいない
ぼいぼのある果物。これ食べたことありますか?ぜひ、
試してください。びっくりします。
なぜかと言うと、カスタードクリームの味がします(^_^;)ゞ
この果物の名前が分からなかったのだが、帰国してか
ら釈迦頭(シャカトー)という事が判明した。
お良さん、ありがとう!
新・若旦那(東京・板橋)
食べてばかりの台湾(8)台南2日目。美容院、夜市。 新・若旦那
晩飯の前に美容院に行ってシャンプーをやろうという事になった。これはバリ
島で覚えた旅の楽しみ。マッサージ付きなので、気持ちいい。しかも安い。
道すがら、ぶらっと店に入って、ハイネックの黒いセーターを買う。実は今回
の旅は、季節の読みがはずれた。熱いだろうと思って、半袖ばかり持ってきて
しまった。長袖は、着てきたGAPの白のボタンダウンのシャツだけ。ハイネ
ックの黒いセーター890元(3100円)。ユニクロよりも高かった(^_^;)ゞ
●その店で(手振り身振りで)教えてもらった美容院に行く。男女の乱入でギ
ョッとしたようだが、MEMO用紙に「洗髪」と書いて見せたら、すぐに納得。
ここのシャンプーは変わってる。椅子に座ると頭をしめらす事なく、いきなり
シャンプー溶液をかける。これでもこれでもかと、20分ほど念入りにマッサ
ージ。普通なら、シャンプーを落として次のリンスになるというような事はな
くって、ひたすら頭のマッサージ。そして、流し台で洗い落とす。たったこれ
だけの台湾的特殊技術。その後に肩をもみもみ。
ぼくはする事もないので、読めない台湾の女性誌をながめていたが、おじさん
が美容院にいること事態が珍しいらしく、隣のおばさんが時々見ては笑ってい
た。とても恥ずかしいが、気持ちがいいのはホント。これで150元(500
円程度)。ヘアドライヤーもとっても上手で、髪が増えたような気がした。
●さっぱりしてから、TAXIで小北夜市に行く。「夜市」というのは、屋台
の大集合地帯だと思えば間違いない。一帯がネオンの海。サーカスのようなテ
ント貼りの屋台だ。食べ物の屋台が、1/3。靴や服の屋台が1/3。あとは、
ゲームとか薬とか、がらくたなど。一軒ずつ見てたら、夜が明ける。
おいしそうな店に飛び込んで注文。すじ肉の
スープと酸辛タン(日本でもおなじみ)、青
菜(これは必ず頼む)、きんぴら、水餃子、
おもちがふたつ。それにビール(写真)。特
筆すべきは、平べったい肉まんみたいな「お
もち」で、かぶりついたら中に入っている肉
の汁が、テーブルの端まで飛んでった。水餃
子も驚くほどうまかった。
「台湾はすごいね〜。こんな店でも味は一流!」
ほんとに感激してしまったのだった。安い!265元(950円)。安いと一
層感激するのは、貧乏性だからだ!
●ホテルで一杯やろうと思って、紹興酒を1本(600円)。つまみが臭豆腐
の揚げ物。これは、揚げだし豆腐のようなもの
だが、原料がとっても臭い豆腐なのだ。どのく
らい臭いかと言うと、ほとんど靴下のような匂
い。「テイクアウト!」と言っても通じないの
で、「土産」と書いてみせればすべてOK。
あるじゃのんさんは食べた事あるかな〜〜。こ
れは、ほんと〜にうまくて珍味です。紹興酒に
合う。たったの110元(400円)。食べご
たえ十分です。
(台湾に来て4日目。台南の2日目が、やっと終わり)
新・若旦那(東京・板橋)
食べてばかりの台湾(9)台南→台北 シラミの目のお粥。 新・若旦那
(台湾に来て5日目。台南の3日目です。)
●この日の朝食は、「虱目魚粥」というもので、台南の名物でもある。スームー
ユイチョウと発音する。「シラミの目をし
た魚」と聞くと、おそろしい食べ物を想像
するが、虱目魚という品のいい白身魚の粥
である(写真)。
「第3代」という魚の看板が出ている専門
店だった。日本人だから大サービスなのか、
魚をいっぱい入れてくれた。食べても食べ
ても魚だらけ。この魚、油が乗ってこって
りしすぎていて、食べていてあきてきた(^_^;)ゞ。
60元(210円)。
●朝飯を食べてホテルに戻り、10時40分の呂光号(呂は草かんむり)の人と
なる。翌日の飛行機が昼発なので、それに備えるためである。
この呂光号は、特急じゃなくて急行なので、たった300キロの行程が5時間も
かかる。鉄ちゃんじゃないぼくたちには、ちょっ
ともったいない時間ではあるが、台南で買ってお
いたきなこをまぶした甘いちまきを食べ、駅弁ガ
ールが売りにきたお弁当を食べ、本を読んだり、
寝たりしてたら退屈しないで台北についた。
●台北の宿は、再び華華大飯店。フロントのお姉
さんとも顔見知りで、すんなりとチェックイン。
すでに夕方になっていたので、晩飯を求めて夜の
町にくりだす。最後の晩飯になるのでこの日に食べるものは、すでに決めていた。
それは3日目に餃子を食べた「一条龍子店」の火鍋である。これがあんまりうまそ
うだったので、絶対食べるぞ!と、心に決めていた。
ところが道すがら、ひじょうにうまそうな北京ダッグの店や、行列ができている
ソバ屋があって、心は千々に乱れるのであった(^_^;)ゞ。 そこを理性でなだめ、
なんとか目的の店にたどりついた。
日本のちゃんこ鍋も、みそ味/しょう油味/鶏/海鮮といろいろあるように、火鍋
もいろいろある。そこでいろんなのが入った、ミ
ックスみたいなものを選んだ。ソバで言えば、五
目ソバ。お好み焼きで言えば、ミックス焼きみた
いのものであろうか(写真)。
これは、肉団子を中心に、かに、いかが入ってい
て、野菜いっぱい。春雨がいっぱい。直火なので、
輻射熱の作用もあって、鍋もうまい。頬も火照る
ような鍋であった。(もっとも、頬が火照るのは、
紹興酒のせいもある)。量もたっぷりで食べても
食べても減らないのであった。今回の旅で初めて、
カードで払ったので料金は覚えてないが、400
0円くらいだった。非常にうまかった。
●最後の夜になるので、有名な「士林夜市」スーリンイエスーに行ってみる。台
北駅から地下鉄で15分くらいで最寄りの剣沢駅に着く。ちなみにるるぶを見る
と、ここに行くだけのパックがあって2000円くらい取られる。地下鉄で行け
ば80円くらのいなのに、なんでも商売になる。
「士林夜市」は、駅から徒歩3分くらいの所にあるが、駅前から露天が並び人で
ごったがえしている(スリもいっぱいだろな〜)。なかなか前に進めない。日本
で言うと、東京のあめや横町をイルミネーションして、食べ物屋や、ゲームセン
ターを大量に設置したような場所である。日本の縁日の1万倍以上のにぎやかさ
である。
あんまり混んでいるので、家人が「帰ろうよ〜」と
ごねる。それをだましだましてどんどん歩き、食べ
物の屋台街で、氷あずきを食べる(写真)。台湾の
甘いもの屋さんは、トッピングが自由自在で、杏仁
豆腐を入れてもらったのだが、これがうまいのなん
のって!
さらに揚げたパイ地をクレープでくるんだ「大餅包
小餅」というものを食べる。西洋的なパイ地をクレープで包んで、2種類の食感
を楽しむという発想がいい。
さすが、粉をあつかいなれている台湾ならではの
発想であると、いたく感心してしまったのだ。
満足してホテルに戻る。
新・若旦那(東京・板橋)
食べてばかりの台湾(10)台北から帰国。 新・若旦那
(台湾に来て6日目。最後の日です。)
午後には飛行機の人となるので、食べ残した朝食を食べに行く。それは豆乳屋
さんだ。まず 店の入り口で、豆乳(豆奨)をもらう。次に揚げパンと、ねじ
りパン油条ユーティオ(条は人偏)をもらう。
暖かい甘い豆乳に、ねじりパンをひたして
食べる。揚げパンはニラがたっぷりで栄養
がある。なんてバランスのいい朝飯なんだ
と毎度感心してしまう。日本の朝ご飯がN
O1だとしたら、台湾の朝飯はNO2だな。
いやいや、こういう朝飯なら、「かーちゃ
んやすめ」のハンバーガー世代にも抵抗な
く食べられるだろう(写真)。
ホテルに戻りカードで、チェックアウト。2泊で1万4千円。あらかじめ下見
しておいたバス乗り場から中正国際機場に。空港で最後のお土産タイムを楽し
もうと思ったが、免税店は大したことがない。「おいしいもの+エステ+免税
店」が若い女性の3大楽しみだから、免税店の充実がこれからの課題だろうな
〜。とは言うモノの、もっていてもしかたないので家人がしまいこんでおいた
台湾元を、酒とかタバコとで使ってしまう。
午後1時半の飛行機で5時過ぎには成田着。わが家に帰って、8時ころ。日本
は1月7日の正月明け。あっと言う間に日本に帰れてしまうのが、台湾とか韓
国とか香港のいい所。その中でも、いちばん気にいったのが台湾。
1)移動がしやすく、旅がラク。
近場ならTAXIが安く(基本料金200円)て、ごまかさない。
漢字のMEMOで会話ができ、お年寄りは日本語でしゃべってくれる。
2)食べ物がおいしくて安い。
物価全体は日本の2割引くらいだが、庶民の味はものすごく安い。
3)対日感情も悪くないし、人は親切。
同じ中国でも、日本人に近いシャイな所があるし、親切な人が多い。
アジアの町はどこも活気にあふれているが、台湾が一番日本に近くて、2日
もいると、外国にいるのだという事を忘れてしまいそうになって困った。ま
たすぐにでも行きたいもんだな〜。(完)
新・若旦那(東京・板橋)