金属アレルギー治療 Ｑ＆Ａ
Ｑ．パッチテストは歯科医院でできますか？
Ａ．歯科金属のパッチテストは、ごく一部の皮膚科とほんのごく一部の歯科医院でおこなっています。
当院でも患者様のご希望があればパッチテストをおこなっておりますが、症状の原因が歯科金属によるアレルギー以外の可能性もありますので、お近くの皮膚科でパッチテストを実施されることをおすすめしております。
Ｑ．遠方から来院するので、初診時にパッチテスト、金属成分検査、溶出傾向検査をしてもらいたいのですが？
Ａ．大変申し訳ないのですが、初診時は原則として、パッチテスト、金属成分検査、溶出傾向検査はいたしておりません。初診時は症状をお聞きし、お口の中を拝見させていただきます。そして治療方法等についてお話いたします。
Ｑ．パッチテストでいくつかの金属に陽性反応がでました。口の中には金属のつめものがたくさんあります。全部外したほうがよいのでしょうか？
Ａ．つめものを全部外すのは、かなりの労力と期間、そして費用がかかります。全てのつめものに問題があるわけではありません。検査をおこない、金属アレルギーの疑いの高いつめものから交換していくのがよいでしょう。
Ｑ．チタンは金属アレルギーをおこさないのですか？
Ａ．チタンは歯科金属アレルギー治療のほか、インプラント、矯正治療にも使用されます。残念ながら、アレルギーをおこしにくい金属ではありますが、アレルギーをおこさない金属ではありません。
Ｑ．歯科治療に使用されている金属のうち、アレルギーのおきやすい金属にはどのようなものがありますか？
Ａ．アレルギーのおこしやすい歯科金属には、アマルガム合金に使用される水銀、入れ歯のバネなどに使用されるコバルト、クロム、ニッケルなどがあげられます。
Ｑ．歯科治療に使用されるアマルガム合金は、水銀でできていて、体に悪いというのは本当ですか？
Ａ．水銀というと水俣病の水銀を連想される方は多いと思いますが、水俣病の水銀が有機水銀なのに対して、アマルガム合金に使用されている水銀は無機水銀です。異なったものです。アトピー性皮膚炎や自閉症等の原因になるという意見もありますが、問題ないという研究者や歯科医師も多くいます。厚生労働省は問題ないとしています。
Ｑ．他の歯科医院で金属を入れてから金属アレルギーになりました。ミスですか？
Ａ．花粉症が突然発症するのと同じように、金属アレルギーも突然発症します。ミスではありません。長年にわたり金属が使用されているアクセサリー、食器、化粧品などを使用し続けた結果、その金属に対してアレルギー体質になり、たまたま金属を口の中に入れたときに症状がでたものと考えられます。
Ｑ．治療は、健康保険が適応になりますか？
Ａ．治療は、アレルギーの原因となる口の中の金属を除去して、アレルギーの原因にならない材料に変えていくことによって治します。材料の種類や部位によっては、健康保険が適応にならないこともあります。
Ｑ．歯科金属の除去をおこなえば、アレルギー体質は治りますか？
Ａ．金属アレルギーに限らずアレルギーに関する体の仕組みは、一度体がその物資に対してアレルギーを記憶してしまうと、二度と忘れないというのが特徴です。したがって、アレルギー体質は治らないといえます。
しかしながら、歯科金属アレルギー治療によって、かぶれるなどのアレルギー症状が改善されることはあります。
Ｑ．歯科金属の除去をおこなうと、アレルギー症状はすぐに改善しますか？
Ａ．金属アレルギーの症状は、すぐには改善しません。少しずつ改善していきます。
ある医療機関の調査によると、治療終了後に症状が改善した人は全体の15％にとどまっていました。ところが、その後２年経過すると、症状が改善した人は60％にもなったとのことです。
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