2005年度第3回足立区議会定例会における日本共産党の提案と資料
本会議での一般質問 質問と答弁(9月26日)

○一般質問 伊藤和彦議員

まちづくりと産業振興について問う

○伊藤和彦議員  私は、まちづくりと産業振興について質問します。

都市再生機構の開発とまちづくりについて

はじめに都市再生機構の開発とまちづくりについて伺います。区は西新井駅西口、新田、北千住駅東口、千住大橋駅等、大規模プロジェクトについて都市再生機構などとの協働事業をすすめるとしています。        

【公団から機構に変わり区内各地で問題が】
 以前の公団事業のときは公団法に基づき自治体との協議の名において、自治体の強い権限もあり、保育園の併設や公園の設置など公共施設の建設や提供がありました。
 しかし、これまでの「日本住宅公団、都市整備公団」から都市再生機構に変わり、より採算性・効率性が追求されるようになりました。

西新井西口開発では

 西新井西口開発では、事業途中で、公団が都市再生機構に変わり公園は用地費と建設費の半分は区が負担することになり、「土地をお貸しします」と言っていた病院用地も土地購入を押し付けました。他党議員からも「都市再生機構というのは去年の4月から独立行政法人になって、利益を得なければ会社はつぶれてしまうと言っている」「悪質な不動産屋」と発言があったほどです。災害に強く良好な住環境を整えた住宅市街地、住民と一体となった防災まちづくりを図るとして、パブリックコメントが行なわれましたが、こうした住民の声に基づいた計画が生かされていないのが実態です。

新田地域の開発では

 新田地域の開発では、学校用地について土地価格を引き上げる都市機構の姿勢に議会からも強い批判が上がったとおりですが、まちづくり連絡会の声も生かされていないのが実情です。

東綾瀬団地建て替えでは

 都市再生機構が最初から事業着手した東綾瀬団地建て替えでは、一定の土地を民間デベロッパーに売却する方向が打ち出されています。建ぺい率、容積率いっぱいの高層マンション建設が立つようになれば環境悪化が危惧されます。

西新井第3団地建て替えでは

 西新井第3団地建て替えでは、近隣住民説明会で「公園をつくって欲しい」との町会役員の要望に対し、「ボランティアではないのでその話は区に言ってください」との旨で拒絶。千住大橋駅周辺の開発では、今ある都営住宅がなくなる計画です。

花畑団地では

 花畑団地は建て替え対象であっても、「土地の有効活用」を優先する姿勢のもとで建て替えの計画がないまま空家が増え続けているのが現実です。
 共通しているのは、「営利目的、経済効率」優先の都市再生機構(機構)任せでは、住民の要望するまちづくりにはならないということです。

【区の姿勢が大きく問われる】
 そもそも住民合意のまちづくりは地域住民と十分協議をつくして、住環境を守る立場から住宅、商店、病院、保育所の建設など盛り込み、真に住民生活を支えられるよう行政が役割を果たすことが重要であり、区の姿勢が大きく問われます。
 第1に、都市再生機構への働きかけの問題です。7月21日交通網・都市基盤整備調査特別委員会で行なわれた都市再生機構との協議会で「公共性は公団の時とどう変わったのか」の質問に、都市再生機構は「公共性はより増した」という旨の発言をし、公共性は否定していません。
 そうであるならば都市再生機構は、住民福祉に供する立場でまちづくりを行うべきであります。区は都市再生機構に対し、今後も都市基盤整備公団法があった時と同じように、区の権限を盛り込んだ協定や覚書を交わして取りくむべきと思うがどうか。
 第2に、区の姿勢の問題です。「機構」まかせ、「機構」頼みでまちづくりを行なえば住民の願いは生かせないのです。区の姿勢は都市再生機構の言いなりになっていると言わざるを得ない状況です。住宅や学校など住民要望に基づいたまちづくりをすすめる立場で、区が役割を果たすべきだがどうか。
 第3に、区内の建設業者からは、区内の公共工事なのに「仕事が取れない」と苦情が寄せられています。都市再生機構が発注する(仮称)西新井駅西口公園整備にあたっては、我が党や議会の指摘も受けて「地元業者の参入」の門戸が開かれたと聞きました。区と都市再生機構が平成16年12月に(仮称)西新井西口公園の施行に関する協定、第8条の「地域経済の活性化に寄与し」とあるものをより明文化させるなど、これからの他の開発事業についても区内業者参入の要件を盛り込むべきだがどうか。答弁を求めます。

防災まちづくりについて

次に防災まちづくりについて質問します。
 7月23日、足立区で震度5強を記録した「千葉県北西部地震」が東京を襲いました。下から突き上げるような強烈なゆれが首都圏に広がり、幸い大きな被害に至らなかったものの、多くの教訓を浮き彫りにしました。

震災対策は待ったなし

 政府・中央防災会議は昨年12月首都東京を直撃する直下型地震の被害想定を発表し、マグニチュード7クラスの地震については、30年以内で70%の確立で発生するとしています。阪神淡路大震災では、災害死亡者の6000余名のうち8割りが家屋倒壊による圧死でした。木造家屋の耐震性について、全国の工務店などでつくる協同組合によると81年以前に立てた住宅で88%、81年以降でも62%が不適格という調査があります。震災対策は、待ったなしの課題です。
小・中学校や公共施設の耐震補強工事の促進とともに家屋の倒壊や家具の転倒防止、避難路を確保するなど住民を守る災害に備えた防災まちづくりが求められています。以下質問します。
@ 住宅の耐震性を高めることが震災被害の軽減になることが明らにされる中で、中央防災会議では「耐震改修目標を設定し、耐震改修促進する具体的な計画を策定」「地域単位で対策を進めることを基本に行政の指導権限の強化」などを法改正し規定するとして、今後10年間で90%の耐震化率を示しています。区は「耐震改修促進計画」をどのように策定するのか、伺います。
A 我が党はこれまでも個人住宅の耐震補強工事に対する助成制度の創設を強く求めてきました。相次ぐ地震災害で世論が広がり、国会では個人補償に踏み込んで進める方向が打ち出されています。東京都は「個人資産に公的な資金の導入は慎重に」と理由をつけ、木造密集地域の不燃化や耐震改修の融資制度の紹介にとどまっていましたが、わが党都議団が5月に緊急要望を行なった際、総合防災部長が「個人住宅に対する耐震補強促進策について検討を始める」、「耐震改修への助成」も視野に入れる意向を示しました。今こそ防災まちづくりの一環として、区として個人住宅の耐震補強工事への助成を図るべきだがどうか。
B 耐震相談、診断、補強工事までワンストップサービス(総合窓口)で対応できるようにすべきと考えるがどうか。答弁を求めます。

区内産業振興と地域経済活性化について

 次に区内産業振興と地域経済活性化について伺います。
 2004年度政府の商業統計調査速報値では、2年余りで小売業が6万軒減って減少率は4・8%となっています。こういう中で政府広報室が7月発表した「小売店舗等に関する世論調査」では、大型店への規制は「必要」が60・4%を占めています。新たな大型店には「交通事故や交通渋滞の発生」「騒音公害の発生」「周辺の中小小売店がさびれ、買い物が不便」と指摘しています。世論は大型店が生活環境を壊していく地域社会への問題に目を向け始め、流れが変わってきています。経済産業大臣も機能不全といわれている「まちづくり3法」について「いまの法律は大型店の規制という前提に立っていない。変更を含め検討している」と発言しています。

中小商工業者は地域経済と街のコミュニティの担い手

 いま足立区では、北千住駅西口にマルイが出店し、亀有駅にイトーヨカドー、西新井駅の日清紡跡地にも大型店の出店攻勢が続いており、例えば亀有では地元商店街から「既存商店街がつぶれてしまう」との声が上がっています。区内商店をはじめ中小商工業者は依然として開業率を上回る廃業が続き減少する方向であります。そうした状況の中でも地域経済の支え手であり、コミュニティの担い手であることは変わりありません。

 我が党は、これまで区内商店街を守る立場から大型店の規制など繰りかえし要求してきました。そこで質問します。
@大店立地法で大型店、量販店による無秩序な出店と営業時間の野放し状態が生まれ、まち壊しが現在も進み「大型店栄えて区内商業枯れる」と言う事態を招いています。市区町村にはその規制する権限がありません。その一方で、国は「地域からの発想」と言っています。区は国に対し「大型店規制」のできる権限を区に与えるよう求めるべきと思いますがどうか。
A区内商店を「まちの宝、コミュニティの核」と位置づけ特色ある商店街づくりを進めるための区職員と専門家スタッフによるチームを確立し支援をするべきと考えますがどうか。
 次に、区は区内経済活性化を促進するとして、企業提案型経済活性化推進事業を予算総額一億円で実施しました。産業人が提案する「委託事業」と、ベンチャー企業家や新たに革新的な分野へ事業展開する「補助事業」の提案事業がそれぞれ6件、合計12件が決まり議会に報告がありました。
しかし、区が説明会をした日の3日後から募集がはじまり期間は21日間と短く、「事前に知らなければ提案できない」と苦情も寄せられました。また選考委員会は非公開で行われ決定されたと聞いています。補助金事業の「ビジネスチャレンジコース」では1社が2つの事業を採択されました。「新商品・新技術・新サービスを開発し事業化へ挑戦する」と言う趣旨に照らし、選考は広く募集を行い公平にするなど改善を図り希望する業者が参加できるようにすべきではないか。また選考基準を公開するべきと思いますがどうか。

融資制度について

 次に融資制度について伺います。
 中小商工業者は、国の小泉政治のもとで貸しはがし、貸し渋りなど「処理と倒産」の対象にされています。そうした中で区のあっせん融資は、貸付限度額・融資期間の拡充、要件の緩和なども行なわれ、多くの業者から歓迎されてきました。中小商工業者からの相談で1番多いのが金融相談であり、区の融資実績は平成14年度3039件、平成15年度4203件、平成16年度も対前年度比3割も伸びています。足立区は中小商工業者の多いのが特徴であり、区の融資は起業、経営維持、事業拡大に直接関わっています。資金を必要としているところに融資し、業者と地域経済の再生を支援することが求められています。
 しかし、区は4月からあっせん融資の利子補給を「小規模特別資金」は1・7%から1・1%に、「緊急経営資金」は1・2%からゼロへと削減、廃止を行ないました。これにより「小規模特別資金」は業者負担が0・5%から1・1%へ、「緊急経営資金」は業者負担1・0%から2・2%へと、2倍以上になりました。
 信用保証料も全額補助から2分の1に削減しました。これは区内業者の実態を無視したもので、業者には痛手となり返済計画にも影響するものです。
 区は、削減の理由を「経費補助の適正化を図る」ためとしていますが、区の制度融資は「区内の中小企業を対象に育成・発展の一助として融資を実施している、より一層充実を図る」とした趣旨のもとに実施され需要も高まっています。利子補給をもとに戻し業者負担を軽くして借りやすくすべきと思うが。答弁を求めます。

青年の雇用対策について

 最後に青年の雇用対策について伺います。
フリーターやニートの増大など青年の雇用は深刻な社会問題になっています。
労働政策研究・研修機構の副統括研究員の小杉礼子さんは、子どもがニートになってしまうと親は自分の責任だと思いがち。しかし企業がアルバイト・パートを増やす戦略をとっているからだ。いまの若者は社会の変革期に就職が重なってしまった不運がある。とのべています。青年雇用の厳しさを青年の意識の問題として捉える傾向を改め、青年の心のケアなど医療機関との協力、労働と教育や家庭、社会に関わる抜本的な対策をとることは緊急の課題です。区はこれまで青年雇用対策を重視し拡充すると様々な場で答弁し、基本構想にも位置づけられました。そして「ヤングジョブスポット」の廃止にともない、区立「あだちヤングジョブセンター」を設置して職業紹介もハローワークと連携し、情報提供や相談活動を行うなど事業をレベルアップしてきました。
 しかし最近の区の動きはこれに逆行する消極的な方向であり、区の根本姿勢が問われます。区が青年の雇用対策を重視、拡充する立場にしっかり立って、次のような施策を強化するよう求めます。
 @ニートなど未就労の若者の増加が社会的な問題となっている中、「区立ヤングジョブセンター」は就労意欲の薄い層に働きかける場、青年の気楽なたまり場、居場所として、機能をより充実する必要があります。高校生が授業の一貫として訪問するなど注目されていますが、利用状況は6月、256人、7月、265人、1日平均は11.6人から12.0人という状況です。センター及び事業内容の周知をさらに進めるべきだがどうか。
A 現在の北千住駅西口の場所は来年3月までの契約切れと聞きましたが、ハローワークと連携できるように「あだち産業芸術プラザ」南棟「東京芸術センター」内に設置すべきだがどうか。また、利便性のよい駅近辺に設置する考えはないか。
B求職者が自分をアピールする資料をファイルに入れておくと、企業が閲覧して適任と思える人を「指名」するという「求職者ドラフト事業」は国の「地域求職活動援助事業」で行われ1年で終了します。区として若年者就労支援の観点から、成果を検証し、区として継続することを含め、検討すべきと考えますがどうか。答弁を求めてこの場からの質問を終わります。

答弁

○佃 朝明都市整備部長 都市再生機構の開発とまちづくりのお尋ねについてお答えいたします。
 まず、区と都市機構が交わす協定等には、区民要望を踏まえ、住環境の向上や地域経済の活性化に寄与する項目を今後とも盛り込んでまいります。そのため、区の役割といたしましては、区民要望を十分把握し、地域特性を生かしたまちづくりが推進されるよう、都市機構に強く要請してまいります。
 地元業者活用につきましては、(仮称)西新井駅西口公園整備にあたり、区から都市機構に要望書を提出し、一定の成果を得たところであります。今後とも都市機構と取り交わす協定等の内容も含めまして、さらに地元業者の活用が図られるよう努めてまいります。
○船田栄二建築担当部長 まず、耐震改修促進計画の策定についてお答えいたします。
 個人住宅の耐震性を高めることは、区民の生命や財産を守るとともに、災害に強い都市づくりに不可欠なものであります。
 現在、区では国や都の動向を踏まえ、民間団体の協力を得て、(仮称)足立区建築物耐震化促進計画の策定に取り組んでおります。
 今年度は促進計画を策定し、来年度当初より区に総合窓口を設置し、具体的な促進を図りたいと考えております。
 次に、個人住宅の耐震補強工事への助成についてお答えいたします。
 防災まちづくりの一環といたしまして、個人住宅の耐震化促進は大変重要であると認識しております。このような視点から、現在の耐震診断助成に加え、個人住宅に対する耐震改修の費用助成の導入について検討しているところでございます。
 区民へのワンストップサービスについてでございますが、耐震化を促進するには、区民の方々が気軽に訪れ、耐震診断から耐震補強工事までを安心して相談できる窓口が必要と考えております。
 区におきましても、民間の耐震診断士や施工業者との協働のもとに、区民の方々が活用しやすい総合窓口の設置を検討しております。
○坂本寛文産業経済部長 私からは、区内産業振興と地域経済活性化についてのお尋ねからお答えいたします。
 まず、現在、大型店の出店や営業時間の変更等については、大規模小売店舗立地法に基づき、区の意見を都へ上申しております。
 大型店の出店等につきましては、全都的な対応が適切と考えておりますので、引き続き東京都の事務とすべきと考えております。今後とも法の趣旨に則り、区や地域の実情に合わせた意見を上申してまいりますので、国に権限を求めるつもりはありません。
 次に、特色ある商店街づくりについてですが、専門家のアドバイスが必要とされる商店街、個店につきましては、東京都中小企業振興公社で実施している専門家派遣制度を活用してまいります。
 次に、企業提案型経済活性化推進事業についてお答えします。
 企業提案型経済活性化推進事業は、本年度が事業初年度であり、募集、選考、決定及び事業期間のすべてを合わせて年度内対応が求められ、十分な周知が図れなかったと考えております。平成18年度の募集につきましては、平成17年度中に募集、選考、決定を行うことにより周知徹底を図り、実質事業期間を1年間にできるように改善し、より提案しやすい事業といたします。
 また、選考委員会は、提案の新規性、成長性等を審査する目的で開かれますが、提案者の知的財産権保護の見地から、公開すべきではないと考えております。
 なお、選考基準につきましては、募集要項に選考のポイントとして公開しております。
 次に、区の融資制度についてお答えします。
 利子補給率及び信用保証料補助の改定については、新事業の創出等に対する支援拡大と合わせて経費補助の適正化を図ったものでございます。
 その内容としては、創業資金を創設し、創業のみならず、転業及び事業の多角化も対象といたしました。また、大型店対策資金の資金使途に運転資金を加え、小売業者等の多様な取り組みを支援する内容といたしました。今後も社会経済情勢、金利情勢を勘案しながら制度内容を見直すとともに、利用者の適正な負担を前提とした補助制度となるよう努めてまいります。
 次に、青年の雇用対策についてお答えいたします。
 あだちヤングジョブセンターが開設されて3カ月を経過し、広報やNPO法人が作成したリーフレット、口コミを含めたPR効果が表れております。8月は暑い時期にもかかわらず、1日に400人を超える利用者がありました。今後の周知については、商店へのポスター掲示や、若者が利用するコンビニでのリーフレット配付などを行ってまいります。
 次に、若年者の就労支援場所の確保については、利用者の利便性を図ることが重要と認識しております。東京芸術センターへの設置は、複数年にわたり財政支出を伴うため、費用対効果を勘案して検討してまいります。
 次に、求職者ドラフト事業は雇用に直接結ぶつく事業としてNPOが企画し、国が直接NPOに委託しているものであります。雇用行政に区が直接取り組むべきではないとの考えから、現在、区として継続するつもりはありません。

再質問

伊藤和彦議員 私の方で一つお伺いいたします。
 都市機構の開発まちづくりについては、比較的前向きなお答えなので、ぜひそれを実施していただきたい。
 大型店の問題ですけれども、答弁では、都の事務と考えて、区は求めないということですが、私は国に対して規制できるような権限を区が求める必要があると思って質問いたしました。その点、もう一回お答えをお願いします。
 融資の問題ですが、私の4番目の融資制度についての問いは、利子補給を元に戻して業者負担を軽くしてほしいという質問なので、その答弁をお願いします。
 それから、青年雇用の問題では、あだち産業芸術プラザの南棟に設置のことは答弁がありましたけれども、利便性のよい駅近辺に設置する考え方には答弁がありませんので、お答えをいただきたいと思います。

再答弁

○坂本寛文産業経済部長 まず、第1点目の再質問でございますけれども、大型店の出店等については、全都的な対応が適切というふうに答弁させていただき、今後とも法の趣旨に則り、区や地域の実情に合わせた意見を上申してまいりますので、区に権限を求めるつもりはありませんということでございます。
 それから、第2点目でございますけれども、先ほど答弁申し上げましたように、経費補助の適正化を図る内容は、融資の必要な財政資金でございますけれども、現在、お使いになっている方をより広く、多くの方に活用していただく。そのために1人当たりのご負担額については、適正な負担を前提として、全体として改善を図ったということでございます。
 3点目でございますけれども、先ほど答弁してございまして、利用者の利便性を図ることが重要と認識しておりますということで、お尋ねの趣旨にお答えしたつもりでございます。



3、決算特別委員会の質問等 

10月6日(第3日目)午前 伊藤和彦議員

まちの宝にふさわしい業者支援を

○古性委員長 最初に共産党から質疑があります。伊藤委員。
○伊藤委員 おはようございます。きょう初めての質問ですので、どうぞよろしくお願いいたします。
 私からは、産業経済関係で質問したいと思います。区長は、04年度第1回定例議会で、区内中小企業をめぐる経営環境は依然厳しく、日々変化していると、都市型産業、雇用対策を6つの重点項目の一つといたしました。その決算を検証してみたいと思います。
 平成16年度主要施策の成果報告書の都市型産業、雇用施策は、都市型産業を重点とした二つの事業で決算額は約8億円、21.56%、5分の1を占めております。内容は、シアター1010の運営管理を指定管理者に行わせ、これに要する維持管理経費を負担をしたとして、決算額4億2,600万余、区内産業の振興と活性化を図るとして、(仮称)足立新産業振興センターの整備に決算額3億8,000万余、新産業センターは、当初計画の段階から問題を抱えておりまして、その後さらに大きく内容は変貌いたしました。果たしてこれが区内産業の振興としての中核施設になるか、極めて疑問に思っております。
 これら特定された企業、業者は喜ぶかもしれませんけれども、その一方で、約10年で区内事業所数は17.2%も減少しています。生鮮3品の店舗は3軒に1軒がまちからなくなっている、依然厳しいまま推移をしております。景気の影響を受けやすい足立区という指摘も、この決算特別委員会の中でありました。この決算特別委員会の初日に我が党のぬかが議員が、いまいる区民の暮らしを支え応援することが区政の役割、そのために福祉施策と産業振興、雇用の施策が必要、この質問に、おっしゃるとおり、それが我々の役目と答弁いたしました。この立場で、いまいる頑張っている業者を支え、支援することが大事だと思っております。
 そこで質問いたしますが、足立区中小企業の平成17年度第1・四半期の景況について、概要版では、平成16年度企業倒産は101件、550億5,600万円、平成11年に81件の倒産がありましたけれども、それ以外は100件を超える倒産が5年連続です。この経営基盤を支えることが求められていると思いますが、いかがでしょうか。
○中小企業支援課長 いまおっしゃられましたとおり、区内の中小企業を取り巻く状況は大変厳しい状況が続いていると。一部報道では、大企業におきましては景気が上向き傾向ないしは横ばいというような報道がございますけれども、やはり確かに中小企業を取り巻く状況は大変厳しいという認識でございます。
 そういった点で、経営基盤を強化するという点では、私どもといたしましては、先ほどお話ございました足立産業センターが来年の4月にオープンいたしますので、その足立産業センターを拠点としまして、経営革新とか新事業分野進出等、新たな事業展開をしていただくための一連のサービス等を提供していきたいと。また、融資におきましても、利子補給率一部見直しはさせていただいているところなのですけれども、大型店対策資金は従来設備だけだったのですけれども、運転資金も加えた等、経営基盤の強化についてさらに取り組んでいきたいと考えてございます。

融資制度は縮減ではなく、拡充すべき

○伊藤委員 いろいろおっしゃいましたけれども、いずれにしても経営基盤を支えないと足立区はなかなか大変だということは共通していると思うのです。
 それで、いま融資の話が出ましたので、私、融資のことでお伺いしたいのですが、平成16年度の主要施策の成果報告書、この中小企業融資の説明では、あっせん融資に対する信用保証料補助、利子補給を継続実施するとともに、特に経営基盤の弱い個人零細企業を支援するため、小規模特別融資の融資枠を拡充したといって、小規模特別融資、これは運転、設備あわせますと3,629件の申し込みがありました。平成15年度は2,356件ですから、前年と比べても非常に大きく伸びております。
 ところが、今年、4月から信用保証料の補助を廃止、それから利子補給を削減をしてしまいました。私は、本会議の質問で、利子補給をもとに戻し、業者負担を軽くするように求めました。これに対して区は、創業資金を創設し、創業のみならず転業及び事業の多角化、大型店対策資金の資金使途に運転資金を加え云々と、それで、適正な負担を前提として補助制度にしたという答弁を行いましたが、大型店対策の資金、平成16年度申し込みはゼロ、それから15年度もゼロになっておりますが、これは間違いありませんか。
○中小企業支援課長 はい、間違いございません。
○伊藤委員 本当に使いづらい融資をふやしてもしようがないのですよ。それで、経営基盤の弱い個人・零細企業を支援するためというならば、区内業者にとって利用しやすい資金、これに利子補給を元に戻して業者負担を軽くすることこそ私は必要だというふうに思うのですが、どうですか。
○中小企業支援課長 大型店対策資金につきましては、設備資金で、いま申し上げましたように件数、申し込みがなかったということで、やはり使いづらいのであると、設備というよりやはりいまの経営の安定化のためには運転資金が必要だろうということで、逆に今年度から運転資金を創設させていただいたところでございます。
 また、信用保証料については廃止ではございませんで、2分の1の10万円限度ということで改正をさせていただいたということでございます。
 今年度、融資につきましては、やはりこれからの経営の安定化等で中小零細企業の方々にも配慮しつつ、やはり新しい分野にも進出していただきたい、また創業といった面でも力を入れて、区内経済の活性化を進めていきたいというような状況で見直しをさせていただいたところでございます。
○伊藤委員 創業というのは新しくつくろうということですが、そういう点での支援はやぶさかではないのです。やはり区内の業者を支えるのはこの資金の問題が非常に大事なので、いろいろおっしゃっていましたが、やはりこれは大事な点なので、もう一度検討してみてほしい、このことは要望しておきます。
 それで、区は、かつて活性化センターに商業施策を委託をしてきました。この間の総務委員会ではその話が出ていまして、最高時で職員は24人派遣し、26億円も投下をしてきた。しかし、商店は衰退し続けて、都市型産業といってもこの既存の中小業者には、あっせん融資のいま言った利子補給でも自己負担を押しつけられるという点では非常に冷たい態度だろうというふうに思います。
 そこで質問いたしますが、区はこれまで言っておりました、商店街はまちの宝、コミュニティの核という認識、これは変わりありませんか。
○ 産業振興課長 おっしゃるとおりでございます。

専門家チームによる適切な商店街支援を

○伊藤委員 私は本会議で、区内商店をまちの宝、コミュニティの核と位置づけ、そして特色ある商店街づくり、これを進めるための区の職員と専門家スタッフによるチームを確立して支援をするべきだ、こういう質問をいたしました。区は、東京都中小企業振興公社で実施している専門家派遣制度を活用すると答えましたけれども、ことしの予算特別委員会の答弁では、商業系を中心として、例えば中小企業診断士、そういった者がおじゃますることになると思います、また、これまでも各商店街におじゃまをしてきたときにはそういったチーム構成でおじゃまをさせていただきました、今後ともそういうふうな要望があれば積極的に出向いていきたい、こういうふうに思っておりますと、ことしの3月8日の予算特別委員会で担当課長は答弁しているのですね。私はこの立場で商店街支援というのを行うべきだというふうに思うのですが、いかがでしょうか。
○産業振興課長 私ども、東京都があるものに関してはその制度を活用していきたいという方針には変わりありませんが、いま言ったように、きめ細やかな商店街振興に関しては、区独自のものがあってもいいんじゃないか、これは考えております。
○伊藤委員 本当に、いま課長が答弁されたように、非常に足立区特有の商店の成り立ちというのがありますから、やはり私は区の職員と専門家を派遣していく、それから東京都のいろいろな制度を利用することは別にいいと思いますが、特にそれに頼るのではなくて、区がそのことにきちっと位置づけてこの商店街支援を行っていただきたい。要はやる気の問題です。そういう点では新しい担当課長さんに大いに期待をするところです。どうぞよろしくお願いいたします。
 それで、区の空き店舗対策では、商店街活性化に役立つ、千住や、友好自治体との経済交流が進む綾瀬の旬感プラザ、それから東和、青井で学童クラブづくりなどもやってきた。また、関原三丁目商店街では、お休み処、また高齢者のパワリハなども行ってきましたけれども、この空き店舗対策、その後の計画づくりはどうでしょうか。
○産業振興課長 ことし3月に足立産業振興プランというものをつくらせていただきまして、その中で計画的にやっていく所存でございます。
○伊藤委員 私もまちを歩きますと、ああ、ここのお店もなくなったかという、ちょっとどきっとするような場面があって、結構空き店舗が多くなっちゃったのですね。区としてもやはり積極的にそういう対策を講じていただきたいと思います。
 また、チャレンジショップの事業を拡大してほしいということで質問したときに、西新井とか新田、ここに開設する計画をぜひ進めていただきたいのですが、いかがでしょうか。
○産業振興課長 ただいまは北千住の方でやらせていただいているのですが、いまご指摘いただいた竹の塚、西新井等に関しては、私どもいろいろな部分を含めて、そういう機会がないかという部分を探しているのですが、何せ相手があることですから、なかなか難しい部分がございます。
○ 伊藤委員 このチャレンジショップでは千住のところはかなり東京中、全国でも評判になった取り組みでしたので、ぜひ引き続きチャレンジショップの事業を進めていただきたいと思います。
 次に、区は、現状をよく踏まえて商店街対策を講じることが求められていると思います。北千住駅西口のマルイ出店後、駅周辺は非常ににぎわいになりましたが、昨年11月に行ったといわれている歩行者通行量調査、これでは、ペデストリアンデッキの上と、地上部の通行量、平日、休日余り変わらないようなデータですけれども、流入、流出、この合計は、ペデとか地上部ですね、それぞれどのくらいですか。
○産業振興課長 私ども、16年の11月に調査をさせていただきました。その結果をもとにご報告させていただきます。
 ペデストリアンデッキの上では、大体平日休日ともに約7万人強、地上部が5万5,000から6万人弱ぐらいでございます。
○伊藤委員 この調査結果から、区として今後の課題は何なのか、またこの調査結果を受けてどうやろうとしているのか、お伺いしたいのですが。
○産業振興課長 大変難しいご質問なのですが、私ども、いまご報告した人たちが駅前だけでなく千住地域を回遊していただくという、そういう戦略を立てて事業を展開していきたい、このように考えております。
○伊藤委員 確かにこれはたくさんお客さんが出てきた、しかしそれをもっといい意味で面的に広げていく、回遊づくりは前にも計画としては出されましたので、ぜひそれが実現できるようにお願いしたいと思います。
 次に、西新井開発には東関東一のイトーヨーカドーの出店が予定されておりますが、該当する関原地域でもいろいろ調査したと聞いております。 この地域でも面的に商店街を元気にする対策、これは区として考えていらっしゃいますか。
○産業振興課長 私ども、西新井地域にいまご指摘いただいた大型店が出店するという部分に関して、地元の商店街等といろいろ情報交換等をして、お互いに共存共栄ができるような形で今後進めないかというような部分で話し合いを持っているところでございます。
○伊藤委員 いろいろ情報交換はしているということですが、区として具体的な何か、調査をしたわけですから、調査結果に基づいて支援策というのは打ち出せないのですか。
○産業振興課長 私どもは、大店立地法という法律の範疇内で、いまいろいろと大型店舗等々やっておりますが、そういうものを活用しながら大型店の方に働きかけていきたい、このように考えております。
○伊藤委員 何の支援策もないというのは困りますが、やはりここは関原と西新井大師への新参道というのでしょうか、こういうのもつくって支援をしていくとか、区が積極的に支援策を図る必要があると思うのです。これは地元の要望も出ておりますので、非常に大事だと思いますから、検討して、やはり区が乗り出せばやれると思うので、ぜひその点でお願いをしたい。

大型店への規制が必要

○伊藤委員 それで、私は、本会議の質問で、いま足立では北千住駅西口に丸井が出店をして、亀有にイトーヨーカドー、そして西新井駅の日清紡跡地に大型店出店攻勢が続いている。例えば亀有では、地元商店街から既存商店街はつぶれてしまうという声が上がっていること、それから区内商店を初め中小商工業者は依然として開業率を上回る廃業が続いている。そしてそういう方向であること。そして大店立地法で大型店、量販店による無秩序な出店と営業時間の野放し状態が生まれ、まち壊しが現在も進んで、大型店栄えて区内商業枯れるという事態を招いていること、こういう点を質問いたしました。大型店規制については国に権限を求めない、求めるつもりはないと区は答弁をいたしましたが、いま各自治体では、持てる権限をフルに活用して大型店出店を規制しようという流れが広がっております。地域住民、商店街の要求に基づきまして、地方自治体で条例制定等の取り組みが進められている。
 例えば福島県は、県が広域調整を行う形で大型店出店ルールをつくるための具体的な条例づくり。尼崎市は、「商業立地ガイドライン」で都市計画の用途地域別に市内を8種類のゾーンに分けて、まちづくりと商業機能の方向性を示し、大型商業施設について誘導、規制の考えを示すものとなっています。それから小樽市では、都市計画法を使った市の条例をつくりまして、ストップさせております。それから大阪・堺市では、住宅地で大型店の深夜営業を規制する条例も定めました。
 区は、こうした各地方都市で進められておりますこの内容、こういう姿勢が必要だと思いますけれども、いかがでしょうか。
○産業振興課長 産業振興に関してでございますが、いま言ったように、本会議等でもご答弁させていただきましたけれども、大店立地法の中で東京都を通じて国に具申していく、こういう考え方がございますもので、これに沿ってきめ細やかにやっていきたい、このように考えております。
○伊藤委員 私の質問は、東京都のそれはわかっているのですが、各地方都市でもう進められていると、いろいろ持てる力を出しながら。こういう姿勢がいま求められているのですが、区としてこういうことはやるべきじゃないかと言っているのです。
○産業経済部長 いまお尋ねの中にもあったわけですけれども、その事例の中でもそれぞれ県が中核になっておやりになっているところもあるようですし、市がおやりになっているところもあるでしょう。それは自治体それぞれのやり方があるわけでございまして、私どもの方としては、まず大規模店舗に対する規制そのものは東京都の規制権限とタイアップをしていく。それからまちづくりは、これはまちづくりということで足立区をよく知る各所属が、経済活性化推進本部の中で、それぞれさまざまな方策を出し合う、こういう形でやっておりますので、まだ形にはなっておりませんけれども、一つ一つ進んでいくというふうに考えております。まずはその地域の商業者の皆様方が積極的にご意見を上げていただくということも大事だというふうに思っておりまして、地域との情報交換というものも今後密にしていきたい、このように思っております。
○伊藤委員 部長の答弁としては本当に情けないのですが、商店街はまちの宝だと、地域のコミュニティの核だというなら、この商店街、まちの宝をもっと担当部長としては光らせる必要があるんじゃないですか。この点はどうですか。
○産業経済部長 勘違いしてはいけないのは、結局区が何らかの絵を描いてそこに誘導しようということはできないだろうと思っておりますし、現実的にそれらのまちの方が中心になっているわけですから。ただ、現在活動しておられる商店街が地域の核、コミュニティの核であることは、これは間違いないわけです。ですから、当然その地域の考え方をいうものを尊重しながら支援すべきところを支援していく。先ほど大規模店舗のイトーヨーカドーの例が挙がりましたけれども、そういうことがあるからこそ大規模店舗の対策資金の中に運転資金を入れたわけでございまして、一歩一歩それに対応していくというのが私どもの考え方でございます。
○伊藤委員 私はさっき、各地方都市でいろいろ持てる力を出してやっているという例をお話いたしました。実は区は、他の自治体とは逆に、いま部長が答弁されたのでお話しますと、西新井には1万5,000平方メートルの敷地全体を使う建物、イトーヨーカドーのような巨大ショッピングセンターしか使えない地区計画を出したのです。本来そこに規制をかけるべき地区計画が大型店誘致策をするという、そういう点でも区の態度というのはひどいのです。中小企業4団体、日本商工会議所、全国商工会連合会、全国中小企業団体中央会、全国商店振興組合連合会、これを4団体といっているのですが、このまちづくり3法、中心市街地活性化法、大店立地法、改正都市計画法、この抜本見直しを要求する要望が出されました。これは、要望の中に書かれているのですが、制定されて7年経過したけれども、当初期待された効果は得られず、中心市街地の衰退は一層深刻さを増しているといっているのです。それで、その中小企業4団体は、98年、大店法を廃止してまちづくり3法が制定された際にこれを容認する立場に立っていたのです。そうした団体が初めて見直し要望を表明したこと、これは私は大変重要だと思っているのです。それで、経済産業大臣も、まちづくり3法見直しを含め検討すると言わざるを得なくなっているのです。そもそも大型店出店をめぐる矛盾というのは、このまちづくり3法の下で大型店出店を調整、または抑制、この抑制する機能がなくなったことから始まったわけで、このことを区はどう考えていらっしゃいますか。
○産業経済部長 いま伊藤委員さんがおっしゃられたのは、国の政策といいますか、国策に対して関係者が何かを主張されるということでありまして、それは当然重いお話でもありますし、それに対して国がどのように動くかということは非常に状況推移を見守っていかなければいけないと思います。 先ほど私が申し上げましたように、私どもがそういう状況変化をともすると見逃して、これまでの区の施策というものを、まちの方が考えていることと違って、いわば勘違いして、それで進めていくということがないようにしようという、これが大事でございまして、確かに総論的に国の政策が打ち出されるということは大事ですし、それを土台にしなければ区の産業振興施策というのは一歩も進まないわけですけれども、やはりまちの方々の声を聞いていく、これがやはり一番基礎的自治体としては大事なんだろう、こういうふうに思っているわけでございます。
 そこで職員の思い込み等を最大限除去するためには、地域の方々とよく情報交換をして、そして庁内では経済活性化推進本部、それからまちでは協議会、そして漏れのないような案を打ち出していきたい、こういうふうに考えておりますから、総論的な部分と、それから足立区に個別具体的に合う部分とを両にらみしながらいきたい、このように考えているわけでございます。

「商店がやめてしまって遠くまでのお使いは大変です」

○伊藤委員 推移を見るとか、勘違いをするとか、まちの声を聞くというなら、もっとよく調査をしていただければはっきり出ていますよ。これは内閣府の政府広報室が7月に発表した小売店舗等に関する世論調査、これは、「新たな大型店は不要だと思う」というのが50.6%を占めております。それから「大型店への規制必要」が60.4%、これは国の調査ですよ。新たな大型店で心配なことは何かというのも、交通事故や交通渋滞の発生、騒音公害の発生、周辺の中小小売店が寂れ、買い物が不便と指摘しております。
 我が党が行いました第5回目の区民アンケート、これにはさまざま皆さん声を寄せていただきまして、一つ紹介いたしますと、コンビニや大型店がふえて小さな店は消えて、商店街が寂れ、人と人のつながりが薄くなっていく。これは50歳の女の方です。それから、商店がやめてしまって、遠くまでのお使いは大変です。これは80歳の女性、こうした声が寄せられています。

区民の暮らし第一にしたルールで大型店との本当の共存共栄を

○伊藤委員 我が党の大型店に対する立場は、大型店イコール悪というわけではありません。すべての大型店をなくしてしまおうというものでもありません。住民の暮らし第一にしたルールが確立してこそ初めて大型店と中小商店街の共存共栄が成り立つという立場です。先ほど課長も共存共栄なんて言っていましたけれども、これはルールがないのですから、こういうルールをやはりきちっとしてつくることが大事だと言っているのです。そうしてこそ、地域社会と住民の暮らしを守ることができると考え、その立場から我が党は政策や、あるいは予算要望の提案を行っているところです。
 時間がなくなっちゃったのですが、現在の大型店の問題の特徴などは、東洋経済新報社がまとめておりますが、全国大型店小売店総覧、これによりますと、90年代は、初めは大型店の売り場面積は約3割だったと。それが現在もう6割近くなっていることを示している。大型店出店の特徴は、一つは郊外にショッピングセンターやモール形式の超大規模店、地方にこうした形態が多いわけです。二つ目には、都市部の工業跡地の進出、足立では西新井にイトーヨーカドー、亀有も同じ状況です。三つ目は、自治体がみずから保有する公有地に大型商業施設を誘致する、こういうパターン。
 この深夜営業の激増の問題でも日経新聞が指摘をしておりまして、この点で商店街を守ること、それから深夜営業による環境の悪化、犯罪の増加、深夜労働の蔓延など、こうした面からも何らかのルールづくりが必要だと思いませんか。
○産業経済部長 いま委員さんがお話になられたようなこともございまして、17年、ことしの3月25日、16年度でございますけれども、区民代表にも入っていただきまして足立区経済活性化基本条例、いわば制度をつくったわけでございます。この制度をつくっても魂が入りませんといけませんので、経済活性化基本計画をつくり、当初、私どもの課長が答弁しましたように、場の整備と、それから区民の皆さんからいろいろなお声をちょうだいして仕組みをつくっていこう、こういうことでございますので、この条例に基づきながら着実に進めていきたい、このように考えております。
○伊藤委員 私が聞いているのは、何らかのルールづくりは必要だと思いますが、私の質問にきちっと答えてくださいよ。必要でないのですか。
○産業経済部長 活性化基本条例というのは最高のルール、このように考えております。
○委員長 時間がまいりました。
○伊藤委員 ルールづくりをぜひしていただくことを求めて、私の質問を終わります。

10月11日(第5日目)午後 伊藤和彦議員

竹ノ塚踏み切り対策 鉄道高架化の採択要件緩和も視野にいれ促進を

○委員長 次に、共産党から総括質疑があります。伊藤委員。
○伊藤委員 総括質疑をさせていただきます。お疲れのようですけれども、どうぞよろしくお願いいたします。
 私からは、竹の塚の踏切高架化についてお伺いしたいんですが、竹ノ塚駅付近の鉄道高架化早期実現は、9月30日に連絡協議会結成大会も開かれまして、署名も21万人を超えました。区民世論と運動が高まっている中、区は最重点課題として早急に対策を講じる必要があると思います。議会の総意でもあります。
 そこで、竹ノ塚駅踏切高架化については、我が党としても、東京都や国土交通省と交渉を重ねる中で、国土交通省から、区が赤山街道を拡幅工事なしででも幹線道路とみなして、都市計画道路として決定すれば高架化を認めるとの解答を得ております。このことについては既に区に伝えてあります。また、党区議団としても緊急要望も出しました。が、これは幹線道路2本必要とするという事業採択要件を早くつくり、高架化を早期に実現するためのもので、本会議質問でも求めてまいりました。
 そこでお伺いいたしますが、区は現時点では赤山街道を都市計画決定するなど、幹線道路に格上げする必要があるが、早期事業化に向けてさらなる事業採択要件緩和の可能性も含め、さまざまな角度から検討作業を進めてまいりたい、こう答弁がありました。鉄道高架化に向けて区の具体的な取り組みは、どうなっているのかをお伺いします。
○都市整備部参事 鉄道高架化をする上で代表的な事業が、連続立体交差事業でございます。ご指摘のように、現在の事業採択要件では赤山街道を幹線道路化する必要がございますけれども、実は国土交通省におきましては、今回の竹の塚の事故を大変重く受けとめております。竹の塚の踏切のように、歩行者交通あるいは自転車交通の非常に多い、著しい踏切についても、何とか抜本対策、いわゆる鉄道を上に上げる事業採択要件に入れようではないかというような動きがあるということで、この夏の国交省から財務省への概算要求の中にも盛り込まれているというふうに聞いておりますので、その辺を見極めたいということでのご答弁でございます。
○伊藤委員 国交省が8月の概算要求出したということで、これはちょうど9月の鉄道高架化促進議連の中の資料としてはいただいたんですが、この国の新たな採択要件、この赤山街道を都市計画決定しなくてもできるものなんですか。
○都市整備部参事 そこまで明確な情報はまだ得られておりません。しかし、この要求資料を見ますと、歩行者交通に着目して要件を考えているということが十分読みとれますし、一部情報としてもそのような情報を得ておりますので、その結論を待ちたいというふうに考えております。
○伊藤委員 要件緩和で事前にお話聞いたら、町づくりに融通がきくという話もあったので、町づくりをやってから高架化を進めるということでは認めがたいなと思っていたのですが、この点では町づくりを進めてということではなく、高架化は高架化として進めるということでしょうか。
○都市整備部参事 町づくりを優先するということではなくて、仮に赤山街道を都市計画道路化しなくても済むということになった場合、東西の町づくりをこれからも同時に考えていかなきゃならないんですけれども、制約条件が一つなくなりますので、町づくりにおいては少し自由度が上がっている。住民の意向を反映できる場面が多くなるのではないかということでございまして、高架化と町づくりは一体不可分という形で今後とも進めてまいりたいと考えております。
○伊藤委員 町づくりをやってから高架化じゃなくて一体不可分ということですから、都市計画決定をしなくても高架化事業の要件ができるということのようなので、こういう点では一歩前進だろうというふうに思うんです。
 それで、国の資料では、先ほどお話があったとおり、従来から問題点として、お話があった、三つ出されておりまして、その中に自動車交通主体で歩行者交通にも配慮した踏切対策が不足と、こういっているわけです。このところが重要なところだというふうに理解をしておりますが、そのとおりでいいんでしょうか。
○都市整備部参事 そのとおりでございます。
○伊藤委員 区の方では、いまお話があったとおり、両にらみといいましょうか、国の出した採択要件緩和と都市計画決定と、こう両方で見ているようですが、国の採択要件の緩和の目途、めど、これはいつはっきりするんでしょうか。
○都市整備部参事 当然、国土交通省といたしましても、18年度の予算作成をにらんでのことだと思いますので、年度内、年明け早々には方向性が見えてくるのではないかなと思っております。
○伊藤委員 年度内ということですから、そうすると連続立体交差化事業の採択要件、都市計画決定が必要なら区として直ちに行う用意があるという理解でよろしいでしょうか。
○都市整備部参事 その方式が一番時間的にも、形式的にもいろいろございますけれども、ベストということであれば、これから進めますステップの中で一番早い時期に、適切な時期に都市計画決定をしてまいりたいと考えております。
○伊藤委員 決定がおくれて事業が延びてしまわないようにお願いをしたいと思うのですが、その点は、決定がおくれて全体が、高架がおくれてしまうという事態にはならないでしょうね。
○都市整備部参事 当然ながら、そのようにならないように、万全の体制で進めてまいります。
○ 伊藤委員 この鉄道高架化というのは地元の住民の皆さんの長年の願いでもあり、1日も早く実現をするように、やっぱり区の役割を果たしていただきたいというふうに思います。

青年雇用対策―ヤングジョブセンターの存続と事業の拡大を―

○伊藤委員
 それでは、次に青年雇用の問題についてお伺いいたします。
 区は、これまで青年雇用対策を重視し、拡充するなど、さまざまな場で答弁をしてきました。そして、区は、区立ヤングジョブセンターを設置して、職業紹介もハローワークと連携し、情報提供や相談活動を行うなど、事業をレベルアップさせました。こういう点では前進をさせてきたわけですが、ニートなどの未就労の若者の増加が社会的な問題となっている中、区立ヤングジョブセンターは就労意欲の薄い層に働きかける場、青年の気楽なたまり場、そして居場所として必要であり、しっかり位置づけて機能をより充実することが求められます。
 一つには、青年雇用は、ニートの問題もありまして、独自の追求が必要だと思いますけれども、区はどのように発展させようとしているのか、お伺いいたします。
○産業政策課長 いま現在、あだちヤングジョブセンターで若年者の就労支援対策やっているわけでございますけれども、箱物をつくって構えていましても、フリーターの方たちはおいでいただけるわけでございますけれども、ニートの方たちはなかなか来ないというようなことがございまして、いまはニートの方たちの親御さんの相談事業などをやってございます。
 今後も、ちょっと国の動向等を見ながら、この事業を進めていきたいと思ってございます。
○伊藤委員 いま、ニートの話出ましたけれども、私もいろいろ新聞等で紹介されているのを見ますと、これ東京新聞で、9月22日付ですが、「ニート人ごとではない」、これは民間のネット調査が行ったやつですが、人ごとじゃないと感じている母親が58.3%、母親の6割が我が子に不安を抱いている。
 この問題でもニートの問題に詳しいといわれている労働政策研究所の小杉礼子副統括研究員の話がある、これは9月9日の朝日新聞に紹介されているんですが、子どもがニート状態になってしまうと親が自分の責任だと思いがちだと、しかし最近の調査では、学校を卒業した時点で正社員として就職した割合は、中学、高校、大学の全学卒者の6割に落ち込んでいると。いま、国は、企業はアルバイト、パートをふやす戦略をとっている、いまの若者は社会の変革期に就職が重なってしまった不運がある、その認識がまず親に必要だということが書いております。
 こういう点でも、本当に区立ヤングジョブセンターというのは独自の追求が必要だというふうに思います。
 そこで、私は、ヤングジョブセンターを現在の場所から東京芸術センター内に設置すべきだと、新産業振興センターの中、ここに設置をすべきだと質問いたしました。東京芸術センターの6階から8階に、雇用促進関連施設にはハローワークが入ることになっております。このハローワークのフロアはまだ半分残っていると聞いております。ハローワークと連携していくためにも、この雇用促進関連施設にヤングジョブセンターを設置すべきと思いますけれども、どうでしょうか。
○産業政策課長 いま現在、たしかに東京芸術センターの6、7階から8階の1部がハローワークということが決まってございます。
 いま現在、あだちヤングジョブセンターを運営してございまして、まだ時間的に6月、7月、8月、9月で、いま10月でございますから、まだちょっと数字的なもの等々いろいろございまして、それについてどうすべきかということを検討している最中でございます。
○伊藤委員 私の本会議の質問で、区の方はこう言っているんです。東京芸術センターへの設置は複数年にわたり財政支出を伴うために費用対効果を勘案し検討と、こう言っていたんですが、費用がかかるからやっていないのかなという理解もしたんですが、その点はどうですか。
○産業政策課長 費用対効果の関係でございます。
○伊藤委員 年間ここの、ヤングジョブセンターを東京芸術センターに配置するとどのぐらいの費用を見込んでいるんですか。
○産業政策課長 賃料で1,000万円強でございます。また、あわせまして初度調弁等々がございますので、それも加算されるということでございます。
○伊藤委員 年間1,000万程度ですから、青年雇用というのは基本構想の中でも位置づけられている。そして、ヤングジョブセンターは、先ほど言ったとおり大変重要な役割を果たします。青年雇用に大切な施設でもあります。費用は年間1,000万程度でしたら、コミュニティアーツには5億5,000万出していますから、未来ある青年雇用対策に出せないことはないというふうに思いますが、こういう点でどうですか。
○産業政策課長 いまのヤングジョブセンターでございますけれども、先ほど申し上げましたように、フリーターに対しての効果を持っているということでございます。ただ、ニートに対しては、箱物だけでは効果が出ないということがございまして、ほかのニートを発見したり誘導したりするような仕組みづくりがそれに不可欠になってくると思ってございますので、検討中でございます。
○伊藤委員 まさにニートは新たな課題なんですけれども、そういう点でもいま課長がおっしゃったとおり、やっぱり仕組みづくりをやっていく必要があるんです。やっぱり医療の体制とか、あるいは教育の問題、家庭のこと、いろいろ社会のこと、こうした総合的に考えてこの対策はますます強めなきゃいけないと思います。
 前、区長のあいさつの中でもニート問題を区長自身が触れていたところがありました。こういう点でも必要だというふうに思います。
 それで、仮に東京芸術センターに入れることができないとしても、区として駅近辺などにそうした場所を考えることはありませんか、できませんか。
○産業政策課長 区としてせっかくヤングジョブセンター、運営してございますので、事業としては継続していきたいという点がございます。
 場所的なものとしては、いわゆる千住が適当なのかなと。やはりほかの地区と比べまして、非常に来館者等が多いということがございまして、そのようなことを考えてございます。
○ 伊藤委員 このヤングジョブセンターは、私、非常にますます大事だと思うんです。先ほどフリーターがよく来るというお話でしたけれども、この間、9月26日の新聞には、首都圏の労働局がキャンペーンを張りました。これはどうしてかというと、派遣・業務請負適正化キャンペーンというのをこの10月1日から2カ月にわたってやるそうです。これは、東京、それから茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、神奈川県で。これは、背景には、契約形式は請負と称しながら実際は労働者派遣というにせの偽装請負、これは違法なんですが、これが横行している実態があると。請負は、仕事の完成を目的としているために派遣のように企業の社員が請負労働者に仕事の指示することはできません。一方、請負には、派遣のような期間制限などの法規制がないため、請負を偽装した違法派遣が後を絶たないと、こういうことで首都の労働局がキャンペーンを張ったと。これは、昨年3月から労働派遣法が改悪をされて、こうした違法状態が広がっているわけです。ですから、そういう点でも私はヤングジョブセンターの役割というのは非常に大事だと思うんですが、千住のところにやりたいということですから、先ほど言った文化芸術センター、あるいは千住駅に近いようなところに設置していただきたいというふうに思います。

高齢者の雇用対策もきわめて大事

○伊藤委員 それで、青年の雇用も大事なんですが、高齢者の雇用対策も極めて大事です。
 我が党が区民アンケートをこの間やりました。この中には、「体は健康なのに、年齢制限55歳で仕事がありません。高齢者にも仕事をください、仕事はその人の体力で」と、72歳の男性です。「50歳以上仕事がない、60歳以上はさらにない。労働したいと思うが、何とかしてほしい」と、56歳の女性です。「働かせてください、年金では生活できないのです」、67歳の男性です。「シルバーへの仕事申し込みでもなかなか順番が回らず仕事がもらえない」、66歳男性。等々、切実な声が多数寄せられております。やっぱりこれもいまの社会の状況を反映しているかなというふうに思いますが、高齢者の雇用、平成16年度の実績はどうですか。
○産業政策課長 高齢者、ハローワークの方では55歳以上を高齢者というふうに位置づけてございますが、16年度でございますが、新規の就職の申込件数が9,200ほどございまして、就職件数が1,922、21%程度でございます。
○伊藤委員 9,200人の方が来て就職率は21%というのは、これは私なんか見ると非常に低いなと。これで就職申し込んだけれども就職できなかった残りの7,200人余りの方はどうするんですか、これ。
○産業政策課長 済みません、私がどうするということではございませんが。このところに来て雇用、特に求人等々の関係が改善してございまして、いま現在の、17年度の4月から8月までの数字でございますけれども、求人申し込み約3,329件、就職件数866ということで、先ほど21%程度だったのでございますが、26%ぐらいの就職率といいましょうか、直接数字としてはつながらないんですけれども、高齢者、55歳以上の方については若干、そういった失業の関係が改善しているということでございます。
 ちなみに、若年者の場合でございますが、若年者の場合は、ほぼ横ばいというようなところでございます。
○伊藤委員 改善しているという受けとめはよくないと思います。とにかく就職率低いわけですから、むしろこれはハローワークとよく連携とりながら就職率が上がるように、そしてそういう、先ほど私、たくさんの声を寄せていただいたということで紹介いたしましたけれども、切実なんです。ですから、こういう点では区がそういう点で働きかけをしていただきたいというふうに思います。
 それで、足立区の基本計画では、就労の促進、雇用について、雇用就労の機会をふやす、それから高齢者の就職も促進しますと、こう位置づけております。区民要望が高い高齢者雇用対策を区として強化し、雇用の機会をふやす必要があると思いますけれども、いかがでしょうか。
○産業政策課長 就労の促進というのは当然のことながらでございますけれども、必ずしも雇用されるということではないと思ってございます。いわゆる一定の年齢の方の場合に必ずしも雇用されるということについての担保はできないのかと思ってございます。
 また、私どもの方では、シルバー人材センターの方の助成もやってございまして、いわゆる常勤から最終的に無業者といいましょうか、仕事に就かなくなる間の週2ないし3日についての就労というようなことをやってございますので、そういったことを含めて就労の促進といいましょうか、そういった部分については区として対策をとっていきたいというふうに考えてございます。
○伊藤委員 シルバーの話も出ましたけれども、このシルバーに行っている人の声も結構私のところに寄せてくるんですが、なかなか仕事、あれは仕事の場所じゃないという話も聞いていますけれども。だから、本当にそういう要望にこたえていくためにも、いまお話のあった高齢者雇用対策、これは区としても強化して、そういう機会をふやすようにお願いしたいと思います。
 それで、次に、基本計画には区民の職業、専門性を高めると、こう位置づけしておりますね。それで、区立職業サービスセンターには就業に必要な技能の指導、就業に関する調査及び情報の提供というのがありました。この事業はどうしたんでしょうか、どうなっていますか、その後。
○産業政策課長 技能の関係につきましては、平成7年度だと思いますけれども、その後事業をやってございません。
 それで、就業に関することにつきましては、内職のあっせん、パートの相談等をやっているということでございます。
○伊藤委員 いま、やってこなかったと。いま言ったとおり、就業に必要な技能の指導、就業に関する調査、情報の提供というのはやってこなかったということですが、ほかに他の条例でこの施策を位置づけて今後とも区としてやる意思がありますか。
○産業政策課長 申しわけございません。やってこなかったということではなくて、事業自体、技能の関係については既に事業をやっておらなくなっておりますが、済みません、申しわけございません、職業サービスセンター条例の改正をしてこなかったということでございます。
 ご案内のとおり、ハローワークとも連携いたしまして、就職、雇用等々については、職業サービスセンターではなくて、区の方、経済観光課の方で直接やってきたということでございます。
○伊藤委員 じゃあ、他の条例のこの内容については、位置づけがなくても区としてはそうした内容を盛り込んで進めていくということですか。
○産業政策課長 委員おっしゃったとおり、いわゆる新基本計画の体系の中にも、就労の促進と雇用の安定を実現するという施策がございますので、これについては区として責任を持ってやっていくということでございます。
○伊藤委員 そうすると、これまでいろいろ経過でやってこなかったという話もありましたけれども、この施策については中身を膨らませながらやっていくということで理解していいですね。
○産業政策課長 職業サービスセンターでやってまいりました技能の関係でございますが、主にミシンの関係でございますので、それについてはやっていく意思はございません。いわゆる区民の職業、専門能力を高めるということでは、いわゆる就労支援の位置づけをして、区民の方々の資質を上げるような施策自体をやっていきたいというふうに考えてございます。
 昨年来、新規雇用等々を使ってやっておりました就労支援というのが、履歴書の書き方ですとか面接の受け方ですとか、非常に初歩的なものしかやってきてございませんけれども、いわゆる職に就くための区民のスキルアップについての施策を展開すべきだというふうに考えてございます。
○伊藤委員 そうした必要な人にスキルアップをしていくということで、中身を膨らませていただくようにお願いをしたいと思います。
 それで、私、いまお話しあった内職の問題ですけれども、非常に内職の資料いただきましたら家計の足しにするとかいう内容が大変多くて、70%ぐらい占めています。内職の年齢別、私の理解はもっと年輩の人がやっているのかと思ったら、20代、30代が圧倒的に多いという点で、この内職の事業は、資料を見ますと、平成15年から16年、求職相談者は62%増となっております。こういう点では区民要望の高さがうかがえますので、こういう点での対策も講じていただければいいなというふうに思います。

小規模工事契約登録制度の改善を

○伊藤委員 次に、変わりまして、4月から実施いたしました小規模工事契約登録制度についてお伺いいたします。
 この小規模工事契約登録制度、17業種で97事業登録いたしましたけれども、契約締結は6月まででわずか3件、仕事が回ってこないという苦情が多く寄せられました。区内業者の受注機会の拡大を図るために、まちづくり公社などで行っているような契約課で発注の実態を把握して、受注機会の均等化を図るためのルールづくりなど、小規模工事契約登録制度の改善を本会議質問でも求めました。
 そこでお伺いいたしますが、区は今後発注する主管課、この制度の趣旨を周知徹底し、積極的に活用を働きかけると、こう答弁いたしましたが、契約課は、小規模工事契約登録制度を受付する、しかし問題は、発注する主管課がきちんと受けとめないまま、制度を徹底しないままでは制度をつくった意味がありません。具体的に発注機会の均等化ができる対応が求められると思いますが、どうでしょうか。
○契約課長 いまの小規模工事契約の希望登録制度でございますが、この制度の対象となる工事につきましては、事務規則上、主管課において締結ができる権限内の130万円未満の工事でございます。したがいまして、契約課におきまして、この発注機会の均等を図るような調整といったことは現在考えてございません。
 ただ、今後も、主管課への周知、並びに積極的活用を図るような働きかけは行っていく考えでございます。
○伊藤委員 私は、せっかくそういう制度をつくってよかったわけですから、それがちゃんと実るようにするためには、発注しているのは主管課ですから、主管課にその制度の位置付け、内容についてもきちっと徹底していただいて、受注の機会が均等にできるような方策、これをぜひやっていただきたいというふうに思っているんですが、その改善はできるんじゃないでしょうか。
○契約課長 いま、4月から3カ月間で3件というふうなご指摘ございましたが、契約実績としては3件でございますが、ただ主管課におきまして見積もり合わせ等で、例えば入札参加資格のある業者と今回の小規模の制度の登録業者との見積もり合わせによって、結果的には入札参加資格登録業者に落札したというケースも相当数あるというふうに考えてございます。
 したがいまして、主管課では、今後、契約課からの働きかけに基づいて、利用を拡大していってもらうような形で働きかけますが、現在もそれなりの成果があるというふうに考えています。
○伊藤委員 利用ができるようにぜひやっていただきたいと思います。
 それで、もう一つですが、小規模物品契約登録制度、これは区が12月に行うという方向を聞いておりますけれども、小規模工事契約をいま言ったように教訓に生かして、いつからPRを行って、いつから募集するのか、このことをお伺いします。
○契約課長 物品契約につきましては、12月1日から20日まで登録の受付を行います。それのPRにつきましては、11月10日号の「あだち広報」に周知する予定でございます。
○伊藤委員 この契約登録制度、小規模も物品もそうですが、公共の工事ができて張り合いが出たと、この不況に苦しむ中小業者にとっては新たな仕事起こしにつながっております。そういう点では、制度を周知させてそして信頼を築けばもっと広げられると、これは他都市の契約課長が談話を寄せておりますが、制度を充実させて区内業者の受注機会の拡大を図るようにお願いをいたしまして、質問を終わります。
○委員長 ご苦労さまです。
 この際、審査の都合により暫時休憩いたします。

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