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蕪栗沼
仏沼

空撮

 蕪栗沼(かぶくりぬま)は周辺を水田で囲まれた湿地で、小山田川という川の河川敷(かせんじき)にあります。沼のほとんどはヨシなどの植物が生えた湿地帯で、水面は少ししかありません。下流の迫川(はさまがわ)に新しい川をつくったことで、水位が低下し現在の姿になりました。遊水地として整備されていて、雨が降ると水位が上昇し、一面の湖になります。

 

仏沼航空写真

 仏沼(ほとけぬま)は小川原湖のほとりにある湿地です。沼のほとんどヨシ原の草原湿地帯で、水面はほとんどありません。もともとは海(もしくは湾、潟)の一部だったのが、砂の堆積によって内陸湖になったものです。水田をつくるために、ポンプで水を排水することで、現在の草原のような姿になりました。

 

マガン

代表的な生き物
 蕪栗沼を代表する生き物は、冬に渡ってくるマガンです。平均で約7万羽が越冬のために集まり、ねぐらとして使っています。採食地(さいしょくち)として使われている周辺の約3000ヘクタールの水田とあわせて、国の鳥獣保護区に指定されています。

 

オオセッカ

代表的な生き物
 仏沼を代表する生き物は、夏に繁殖するオオセッカです。オオセッカは、中国と日本のごく一部の地域でしか繁殖しておらず、仏沼は世界最大の繁殖地であると推測されています。737ヘクタールが国の鳥獣保護区に指定されています。

 

湿地の風景

蕪栗沼の成り立ち

 蕪栗沼はもともと北上川のほとりにある自然の遊水でした。洪水を防いで、新しく水田をつくるために、川の流れを変えて、堤防をつくりました。沼の水位は2〜3メートル低下しました。沼の周辺にあった谷地(やち)は干拓され、水田に変わりました。沼の大きさは、4分の1ほどになりました。

 

景観

仏沼の成り立ち

 仏沼はもとは水面の広がる淡水の湖でした。水田をつくるために干拓と排水を進め、農地整備が行われました。しかし、国の減反政策によって作付けができなくなり、草原のまま農家による排水やヨシ焼きなどの管理が行われ、現在のような湿地環境ができました。

 

飛び立ち

絶滅しそうだったガンが増えてきた
 1970年頃、ガンの仲間は、狩猟や、生息する湿地が全国的に減ったことで、絶滅する直前まで少なくなっていました。それが、伊豆沼・内沼や蕪栗沼など、ガンの生息地が保護されるようになって、だんだんと増えてきました。その一方で、ガンの一極集中が問題になってきました。

 

看板

オオセッカのすみかに
 1970年頃、オオセッカの生息が確認されるようになり、保護活動によって、数が増えました。また周辺の水田開発が進み、仏沼のような湿地環境が少なくなっていることも原因と推測されます。また、残された湿地特有の植物も貴重なものです。

 

ヨシ刈り

課題:湿地の維持
 蕪栗沼は、川の流れが変わって水位が低下したり、周辺が水田に変わったことによって環境が変化しています。土砂や植物残渣(ざんさ)の堆積を防ぎ、湿地を保つために、人が維持管理していくことが必要です。

 

ポンプ場

課題:湿地の維持
 仏沼は、ポンプによる排水や、ヨシ焼きなどの維持管理作業によって湿地の環境が保たれています。ポンプの老朽化や、維持管理作業の担い手の育成が課題です。また「農地」として管理されてきた湿地を、今後どのように管理していくかが大きな問題です。

 

田んぼのガン

課題:ガンの分散
 渡り鳥のガンは、数は増えてきましたが、ねぐらの場所がなかなか増えず、一極集中しています。伝染病の防止や、環境の悪化を防ぐためにも、ガンの分散を図っていくことが必要になります。

 

火入れ

課題:農家のきもち
 仏沼の広い部分が、農家の所有する民有地です。農地として使えると思って買った土地が自由に使えなくなりました。また農家が行った維持作業によって、貴重な湿地環境が保たれ、さらに農地として使うことが難しくなったという現実があります。こうした農家の気持ちをくみとり、今後仏沼をどのようにしていくのか合意をつくっていくのは大きく難しい課題です。

 

   

緑の横棒

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