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大崎市市章

生きもの出前講座

出前講座

 生きもの出前講座は、蕪栗沼の魚や水生昆虫など、湿地の生きものを、学校で観察する授業です。身近な生きものを観察することで、自然環境の大切さや、自然のしくみについて学びましょう。

空撮

湿地とは?
 湿地とは、「普通のくつで歩いていって、ここから先は進みたくないと思う場所」という笑い話もあります。じめじめと湿っていて、湿気が多く、虫や草がたくさん、そんなイメージではないでしょうか。 ラムサール条約は湿地を守るための条約です。湿地がなぜ大事なのでしょうか。それは湿地が、あまり今まで貴重なものだとは思われずに、たくさん失われてきたからです。 湿地は、汚いとか気持ち悪いとかイメージが先行して、また利用しにくい場所として、埋め立てられたり、干拓されたりして開発されました。日本にもともとあった湿地の実に9割は、住宅になったり工場になったりして、もうなくなっています。
ラムサール条約:1971年2月2日にイランのラムサールで採択された湿地の保全と利用管理に関する条約です。正式名称は「特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約」といいます。2016年1月現在、168カ国2222箇所が加盟登録されていて、加盟国は条文と、3年に一度開催される締約国会議の決議に従って湿地の保全を進めています。

湿地の風景

湿地はなぜ大事なの?
 湿地は、人間にさまざまな益をもたらしてくれる有用な場所でもあります。魚や貝などの食物資源、薬用資源をもたらすほか、水源としての湿地、景観としての湿地、生態系のバランスをとる役割などです。 あまり良く知られていませんが、水田などの人工的な湿地も、ラムサール条約で定義される湿地に含まれています。湿地がなくなると、大地の保湿力が無くなります。大気が乾燥し、気候も変わります。生物がいなくなり、生態系のバランスも大きく崩れます。日本の環境では、湿地は大きな役割を果たしているのです。

湿地を守るには?
 大崎市にはラムサール条約に登録された蕪栗沼・周辺水田と化女沼があります。また登米市と栗原市には、伊豆沼・内沼があります。ラムサール条約では、登録された湿地だけでなく、それ以外の湿地も大切に守っていくように決められています。この地域には多くの川や湖沼、ため池や水田があります。 こうした環境を守っていくためには、まず生態系がどのようになっているか、つまりどんな生物が住んでいるかを知っていなければなりません。

 

生きもの出前事業のコーナー
生きもの出前授業では、「魚・貝コーナー」「水生生物コーナー」「微生物コーナー」「図鑑コーナー」があります。季節によって、は虫類や大きな魚コーナーがあるときもあります。
sakana
田んぼ
魚・貝コーナー
水生生物コーナー
※魚は手でさわると弱ってしまうので、コップですくって観察します。 ザリガニやヤゴなど大きめの水生生物は、むしめがねで観察します。
   
顕微鏡コーナー
図鑑コーナー
顕微鏡コーナー
図鑑コーナー
プランクトンなどの微生物(びせいぶつ)は顕微鏡で観察します。 名前を聞いたら、どんな生きものなのか、図鑑で調べてみましょう。

 

湿地の生きものたちを見てみよう
※画面をクリックすると拡大されます。画面の下に名前が書いてあるので、スクロールする前に名前を当ててみてください。

タイリクバラタナゴ

 
タイリクバラタナゴ

オスは、繁殖期(はんしょくき)になると、体がバラ色になります。貝の中に卵を産むので、メスの体からは産卵管(さんらんかん)が伸びています。

タイリクバラタナゴのメス
ドブガイ
産卵管が伸びたメス
ドブガイ

ナマズ

 
ナマズ
えさとなる魚が動くときに水の中に流れる電流を感じて、えものを捕まえます。

 

ライギョ

 
ライギョ(カムルチー)

からだのもようがカミナリに見えるからとか、雷雨(らいう)のときに歩いている姿が見られるとか言われます。

ライギョ
稚魚
増水のときに道路を泳ぐ雷魚
稚魚(ちぎょ)はオタマジャクシに似ている

 

ニゴイ

 
ニゴイ

コイに似ていますが、もともと日本にいたのはこちらのコイです。とがった頭をしています。

ニゴイ
コイ
稚魚(ちぎょ)のうちは斑点がある。
コイは頭のうしろが太い

 

モツゴとタモロコ

 
モツゴ(上)とタモロコ(下)
水槽(すいそう)の中にいると、とても良く似ています。頭のかたち、口のかたち、体の中心線、ウロコなどで見分けてください。

 

ざりがに

 
アメリカザリガニ
ウシガエルのえさとしてアメリカから輸入されたものが増えた。ニホンザリガニは平野にはいないので、沼周辺で見られるザリガニは全てアメリカザリガニ。
アメリカザリガニ
威嚇するざりがに
小さいうちは茶色で、枯れた植物を食べる
威嚇(いかく)のポーズ

 

テナガエビ

 
テナガエビ
透明(とうめい)なのがエビの仲間。手がとても長い。触角が6本ある。

 

ぬまえびすじえび

 
ヌマエビの仲間(上)とスジエビ(下)
ヌマエビは外国産のものが多くなっている。

 

カイエビ

 
カイエビ(左)とタマカイエビ(右)
貝殻(かいがら)につつまれているように見えるが、中はエビ。虫めがねで中のエビの部分が観察できる。

イトトンボ

 
イトトンボのヤゴ
3つ尾に見えるのは、呼吸をするえらです。
アメリカザリガニ
威嚇するざりがに
セスジイトトンボの交尾飛行
キイトトンボ

 

ギンヤンマ

 
ギンヤンマのヤゴ
3つ尾に見えるのは、呼吸をするえらです。
アメリカザリガニ
威嚇するざりがに
ギンヤンマの交尾
銀色に光る部分

赤トンボ

 
赤とんぼのヤゴ
頭のかたちが三角形なのが特徴です。
アメリカザリガニ
威嚇するざりがに
ノシメトンボ
アキアカネ

 

 
ニホンアマガエル

手足のさきに吸盤(きゅうばん)があるので壁を登ることができる。場所によって体の色をかえる。

アメリカザリガニ
茶色に変色したとき

 

 
ニホンアカガエル

手足のさきに吸盤(きゅうばん)があるので壁を登ることができる。場所によって体の色をかえる。

アメリカザリガニ
たまご
背中の中心に線がない
3月頃卵塊がみつかる。

 

トウキョウダルマガエル

 
トウキョウダルマガエル
トノサマガエルから別種とされたもの。体の中心線があるものが多い。

 
アオダイショウ

緑色でうすいもようがある。大きいものでは2メートルにもなる。

幼体はもようがあるので、マムシと勘違いされるが、実物はかなり違う。マムシは顔の周辺が黒いし、目が金色で、頭の形が△である(クリックで拡大)。

 

しまへび

 
シマヘビ
黒いたてじまがあるのが特徴。目が赤い。たいへん凶暴。

 
ヤマカガシ
赤と黒のもようが特徴的。のどの奥に毒針がある(神経毒)。目の後ろからも乳液(毒)を出す。田んぼにいてオタマジャクシなどを食べる。

 
イシガイ
石のように堅い。足で踏んでもこわれない。

 
オオタニシ
田んぼの水路にいる大型のタニシ

 

たくさんの生きものが隠れている
 蕪栗沼では、1500種類以上の生きものが見つかっています。いっけん、何もいないように見える場所にも、たくさんの生きものが隠れていることに気付いてください。たくさんの生きものの名前を知れば、それだけ新しい生きものを見つけるのが楽しみになります。図鑑で調べたり、観察会などのイベントに参加して、いろいろな生きものを見つけてみましょう。

 

 

 

大崎市市章
   

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