蕪栗沼へようこそ
 
大崎市市章

水辺の生き物観察

出前講座

 蕪栗沼のヨシ原は、たくさんの生き物が住む場所であるとともに、遊水地に整備されている大切な場所です。水質調査やヨシ原の生き物観察を通じて、沼や遊水地の役割について学びます。

増水したヌマ

大雨が降ると水を貯める遊水地
 蕪栗沼は遊水地(ゆうすいち)に整備されています。大雨が降ると、川の水が増水して、沼と周辺の水田に水が貯められるようになっています。こうすることで、周囲の水田や家屋を洪水から守っています。

遊水地の看板

遊水地の図

周辺の4つの区画に水が貯まる

 蕪栗沼の周辺の4つの区画は、増水のときに水を貯められるようになっています。野谷地、沼崎、四分区は水田です。白鳥地区は現在湿地に復元されています。

 水田に水が入ると、取れる米が少なくなります。そのため、地役権が設定され、補償金が支払われています。

越流亭

越流中

沼と遊水地水田をつなぐ越流堤(えつりゅうてい)

 増水のときに、沼の水が水田に入る場所が、越流堤(えつりゅうてい)と呼ばれるところです。堤防が一段低くなって、コンクリートやアスファルトで覆われています。越流堤は大切な施設なので、大事にしてください。

ヨシ刈り

沼の環境を守るヨシ刈り

 沼の中にヨシなどの枯れた雑草がたまると、土がたまって洪水が起きやすくなったり、渡り鳥の利用できる水面が少なくなったりします。これを防止するため、刈り取った雑草を運び出しています。

 

環境教育ゾーン

ヨシ原の生き物を観察しよう!
 ヨシ原の中は、モツゴやタモロコなど魚が住み着いています。また川の中にはエビやヤゴがいるほか、湿地には変わった植物がたくさん生えています。
 

生き物の観察

名前を調べてみよう
 見つけた生き物は、図鑑を使って、その生き物の名前や、どんな生態(せいたい)をしているのか調べてみましょう。

水質調査をしてみよう

 沼の水を採取して、水質調査をしてみましょう。どの項目がどんな内容をあらわしているのか、あらかじめ覚えておきましょう。

pH(ピーエイチ、ペーハー) 水の酸性度、アルカリ性度をはかります。飲料水では5.8〜8.6が基準です。
COD(化学的酸素要求量) 数値が高いほど、水の中の有機物が多い。1以下がきれいな水、5以上が汚れた水で、8以上になると不快なくらい汚れている。
PO4(リン酸) 肥料や合成洗剤に含まれている。0.065mg/L以下だときれいな水0.65mg/L以上だと汚染がひどい。
NO2(窒素) 肥料や下水に含まれている。0.02mg/L以下だときれな水。0.1mg/L以上だと汚染されている。
NH4(アンモニア) 下水やふん尿に含まれている。5mg/L以上だと下水レベル。
   

参照

※温度計とストップウォッチが必要です。

 

図鑑シートと持ち物

個人で用意するもの:長袖、長ズボン、軍手、タオル、長靴、飲み物、ぼうし

団体で用意するもの:魚用のしかけ、餌、水質調査キット、温度計、ストップウォッチ

ずかn
図鑑は、上下を山折りにして、中央の半分だけ切り取り、本にして使用してください。

 

ヨシ原の植物を見てみよう
※画面をクリックすると拡大されます。画面の下に名前が書いてあるので、スクロールする前に名前を当ててみてください。

ヨシ

 
ヨシ(葦)

高さが4メートル以上にもなる大型のイネ科の植物です。茎がまっすぐに伸びるので、かやぶき屋根やよしずの材料として使われます。茎の中が空洞なので、水につかっても枯れません。地下茎や種で増えます。

ヨシの切り株にご注意

 ヨシを刈り取ったあとは、たいへんするどく、長靴など穴があいてしまうほどです。ヨシ原の中を歩くときは、切り株に十分注意してください。ふざけて転んだりすると大変危険です。

マコモ

 
マコモ

水辺の代表的な植物で、高さ2メートル近くになるイネ科の植物です。ワイルドライスとも言われ、種や地下茎を食べることができます。冬はハクチョウの食料となります。害虫防除のために松の木など「こもまき」するときにも使います。

浮きマコモ
ハクチョウの食料
浮きマコモと呼ばれる地下茎で増えます。
冬は白鳥が食べます。

 

フトイ

 
フトイ

いぐさ(たたみの原料)の仲間かと思えばカヤツリグサ科の植物です。先端に花がついています。観賞用として高価に販売されていることもあります。巨大な茎だけで、葉は根本の方に少ししかありません。

 

アゼスゲ

 
アゼスゲ

50センチメートルぐらいの草で、春には雄花と雌花が出てきます。

 

ウキヤガラ

 
ウキヤガラ

カヤツリグサの仲間で、花火のような花がつきます。

 

ナルコスゲ

 
アゼナルコ
ナルコスゲの仲間で、垂れ下がった棒のような花がつきます。

ショウブ

 
ショウブ

しょうぶ湯のときにお風呂にいれる植物です。ミズバショウと同じサトイモ科で、似たような花がつきます。花しょうぶとは全く別の科です。

アメリカザリガニ
アヤメ科のキショウブは全く別の科の植物です。

 

ガマ

 
ガマ

ウィンナーのような実がつきます。ヒメガマ、コガマなどいろいろな種類があります。ガマの穂は布団などに使われていました。

 

ざりがに

 
トモエソウ
大きな黄色い花が目立つ。よく見ると、花びらのかたちが「ともえ」になっている。

 

シロネ

 
シロネ
白い小さな花が茎から咲く。オオルリハムシの食草になっているので、この草があればオオルリハムシがいる。
オオルリハムシ
シロネの葉で交尾するオオルリハムシ

 

野生生物と人間の共生
 遊水地として管理することと、生き物を守ることを両立させていくことが大切です。蕪栗沼だけでなく、野生生物と人間との共生を図っていくことは、自然の中で人間が生きるために必ず必要な努力です。そのためにも、自然についてもっとよく知ることが大事です。

 

大崎市市章
   

緑の横棒

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