薬について

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☆1 抗うつ薬
☆2 抗不安薬
☆3 感情調整薬
☆4 抗精神病薬
☆5 睡眠薬
☆6 その他
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現代のメンタルヘルス臨床において、薬は不可欠なパートナーです。心の臨床の薬物療法というと、怖いイメージを抱かれる方もおられますが、処方された薬を正しく服用すれば全く問題はありません。薬は症状を緩和し、病気と上手に付き合うためのサポートを提供することができます。
代表的な薬について説明いたします。

1 抗うつ薬


抑うつ気分・意欲低下・思考運動制止などうつ症状に対して処方される薬です。
速効性ではなく、効果が現れるまで少なくとも2週間は必要です。継続して服用することが大切です。ですから調子の良くない時だけ服用するのでは効果が現れません。
三環系抗うつ薬(アナフラニール、アモキサンなど)、四環系抗うつ薬(テトラミド、ルジオミールなど)その他の抗うつ薬(ドグマチール)が長らく使用されてきました。これらの薬剤は中枢神経系のノルアドレナリンの活性を高めることで抗うつ効果をもたらします。
その後SSRI、SNRI、NaSSAと呼ばれる新しいタイプの抗うつ薬が登場し、現在では最も主流の薬剤になっています。SSRIがパキシル、ルボックス、デプロメール、ジェイゾロフト、レクサプロ、SNRIがトレドミン、サインバルタ、イフェクサー、NaSSAがリフレックス、レメロンです。これらの薬剤は中枢神経系のセロトニンの活性を高める作用があり、抗不安作用も併せ持つために、パニック障害、強迫性障害、社会不安障害などの治療にも用いられます。
抗うつ薬はうつ症状にじっくりと働きかけ、抑うつや不安を軽減させ、意欲の回復を助け、思考運動制止を緩和する働きがあります。しかし抗うつ薬を服用することでハッピーな気分になるのではありません。抗うつ薬の効果とは、うつ症状をある程度緩和し、枯渇した中枢神経系のエネルギーが回復するまで十分休養できるようサポートすることにあります。
副作用としては、吐き気(特にSSRI、SNRI)、便秘、眠気、肝機能障害があります。吐き気は胃炎・胃潰瘍ではなく中枢性のものです。

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2 抗不安薬


不安・緊張を緩和させる薬です。リーゼ、レキソタン、コンスタン、セパゾンなどがあり、いずれもベンゾジアゼピン系という大きなグループに属しており、力価や作用時間に違いはありますが、概ね同じように作用します。非ベンゾジアゼピン系のもの(セディールなど)も一部あります。
抗うつ薬とは対照的に、服用して半時間もすれば抗不安作用が現れますが、半日程度で薬理作用は消失します。対症療法の薬と言えます。
不安障害や他の疾患の不安症状の緩和に使用されます。
パニック障害の治療では発作が起きてしまった時の頓服として処方します。
副作用は、ふらつき、脱力感、眠気、肝機能障害などですが、眠気は不安が緩和された結果でもあるので、作用であり副作用でもあると考えるべきでしょう。
依存性の問題が指摘されていますので、服用上の注意をお守り下さい。

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3 感情調整薬


躁病や躁うつ病の治療薬です。再発予防の効果もあります。
リーマスは躁病の治療薬で、躁状態の改善に著効します。
テグレトール、デパケン、ランドセンはもともとはてんかんの治療薬ですが、躁病や躁うつ病の感情調整に有効です。
統合失調症や不安障害などの不安焦燥感にも効果があります。
適切な量の薬剤が体の中にあるかどうかを血液検査によって測定する必要があります。
副作用は、ふらつき、脱力感、眠気、肝機能障害などです。
テグレトールは薬疹が出やすく、まれに顆粒球減少症を引き起こすことがあります。

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4 抗精神病薬


統合失調症の治療薬です。
幻覚や妄想に著効し、統合失調症の再発予防にも大変効果があります。鎮静作用を持っていますので、精神運動興奮状態や躁状態に有効です。
以前はブチロフェノン系抗精神病薬(セレネース、インプロメンなど)フェノチアジン系抗精神病薬(ウィンタミン、ヒルナミンなど)が主流でしたが、現在は非定型抗精神病薬が開発されて治療の主役になっています。ジプレキサ、リスパダール、セロクエル、ルーラン、エビリファイ、ロナセンです。
統合失調症は慢性の精神障害ですので、症状が落ち着いても病気が消失した訳ではなく、安定した状態を維持するために、適切な量の薬を根気よく続けることが大切です。
副作用は、薬剤性パーキンソン症候群(手の振るえ、前屈姿勢など)、眠気、肝機能障害などがあります。非定型抗精神病薬の方がこれらの副作用は少ないのですが、こちらは血糖値を上昇させやすいので注意する必要があります。副作用については相当に個人差があります。
他の疾患においても、不安・焦燥感が顕著であれば処方することがあります。

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5 睡眠薬


睡眠をサポートする薬です。
睡眠に関係する神経伝達物質メラトニン類似の作用を持つロゼレム、覚醒を維持するオレキシンに拮抗するベルソムラ、非ベンゾジアゼピン系のルネスタ、アモバン、マイスリーが新しく安全性の高い薬剤です。
それ以前の薬剤は抗不安薬と同じベンゾジアゼピン系に属しているために、多少の依存性がありますので、医師の指示を守って安全にご使用下さい。

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6 その他


心身のバランスが揺らぐと様々な身体症状が現れやすくなります。例えば、緊張性の頭痛や吐き気・むかつきなどの胃症状、便秘や下痢、血圧上昇などです。
このような身体症状に対して、鎮痛薬、便秘薬、胃薬、整腸剤、風邪薬、高脂血症治療薬などを必要に応じて処方しています。

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