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契約の時代 日本社会と契約法 内田貴著 岩波書店

本書は、関係を法的に保護するものとしての契約法という見方を提示してくれる。

従来は、契約法というものに従ってなされたものが契約であるという近代的契約法の視点が前面に出ていた。すなわち、契約というものの概念を定めた上ででそこから演繹的に効果やそのための形式を整備してきたのである。しかしながら、実際には必ずしもそのような契約の畝井がなされているわけではないし、それに応ずるかのように特別法による規制が非常に多いのである(法化現象)。これは、従来の制度の披露という形で語られる多くの社会における婦負じれ岩礁に共通してみられることであるが、本書で、著者は契約というものをその実態に即して考察をしている。

契約というものを法によって作られて他形式としてではなく、文化一般に見られる営為としての契約(約束、利害者相互の関係)として捉えることで、それに対する調整のための法としての契約法という見方を示している。

ルールからスタンダードへの変遷の中に著者自身によって位置づけられているこの見方は、この国が実体を無視して制度を輸入し、制度に合わせた実体を作ろうとしてきた、今もそうしている現状への疑問、そしてそれはそのまま、今の規制緩和の画商に対しても向けられているのではないだろうか。よりより社会を作ろうとして、自らが考えることなく、自らの思い描く像に近いモデルを探し出して、そのモデルをそのまま再現しようとする態度のままでは、何も変わらないし、何も得ることはないのである。

「右にならえのデモクラシーじゃ、夢の未来は築けない。」

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