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フランス革命 〜歴史における劇薬〜 遅塚忠躬著 

岩波ジュニア新書 2003.08.06

本趣意は、高校生向けにフランス革命の近代史上における意味合いと革命の本性について述べた著作である。フランス革命という複雑な一大政治過程が大変見通がよく解説されており、革命の背景や理念、その効果、つまりは近代社会の成立に寄与した物の発生と革命自体の苛烈さについて、なぜそのような効果が生まれることができたのかということを大変わかりやすく説明している。フランス革命を学ぼうとする際にはもっとも適切な入門書だと思う。だがしかし、フランス革命を学ばれた方でも十分楽しめる内容である。フランス革命はたぶんに伝sつかされている嫌いがあるように思えるし、フランス革命を解説した書物はその著者のスタンスが現れやすいと思う。フランス革命をどう捉えどう理解するかには千差万別でどれが正しいだのという議論は成り立たないだろ牛それはその人の生きる時代背景が大きく影響してくる者であると思う。だから多くの解釈が存在していいはずであり存在している。そのように多様に説がある中でもフランス革命という事実は揺るぐことがないだろうことは確かである。従ってたって新資料がいくつ出てきても事実総体としてのフランス革命とその後の社会はその新資料がでた社会まで通じるものである。つまりはもう一度フランス革命が何であったかを整理し自らの考え方を見る鏡になると思う。

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