第1回目(4月22日)  下絵の拡大
原画の用意

ミケランジェロのシスティーナ礼拝堂の壁画からもらいます。拡大が必要なので、原画と下絵に升目を作ります。さらに対角線を取り、形を追いやすくします。

下絵はこの後、穴をあけて壁に転写します。この下絵をカルトンと呼びます。
  
床で作業したり、机で作業したり、自分のやりやすい方法で。2時間で終わらない人は宿題にしました。次回は壁を作って、転写をする予定です。
    
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第2回目(5月6日) 下地準備
壁下塗り

 ブロック壁は「軽い骨材を使っていて、吸水性があり過ぎ、しかも水の引きが悪い。要するに非常に不安定な保水性が災いして、上のスタッコに悪影響を与える。もちろんフレスコ画描写には適さない。※1」(丹羽洋介フレスコの制作)

そこでセメント層を挟むことにします。

 インスタントセメントを練って、石灰スタッコの下地を作ります。垂直に壁を塗るのは思いのほか、大変です。モルタルの硬さも難しいです。緩いと亀裂ができ、硬いと壁につきにくく、非常に厄介です。

塗る前にセメントの付きを良くするために水で壁を充分濡らします。自分でやってみるとこれが結構、難しいことがよくわかります。壁からポロポロとセメントが落ちてきます。左官屋さんのお金の取れる仕事はさすがです。きっと、このくらいの広さなら10分で塗り終わるでしょうね。

下から塗ります。こて板をあてながら、上から落ちてくるセメントを受け止めます。
だいぶ進みましたが、壁の水が乾き付きが悪くなりました。水分補給のタイミングです。
みんな無心にやってます。
軍手は必需品です。セメントは強いアルカリなので直接手に触れないようにします。肌の弱い人にはかぶれる恐れがあります。
コテの使い方もレクチャーしなければいけないのですが、私もよく分かりません。きっと、コテの先の方は角を押さえるときだけで、普通は下半分を使うのでしょうね。
ここで、2時間目終了!

予定ではとっくに塗り終えて、カルトンの穴開けまで進めるつもりでしたがそれはちょっと無謀でした。作戦変更です。

あと、もう少しなのですが残念。

今日は先にコテ板作りをして、来週と2回に分けて塗っても良かったのでが、

塗り終わり

放課後の延長戦を1時間やりました。天気予報で明日は雨とのこと。だとすると今日中に塗り終えねば。延長戦決行です。

余ったセメントは庭のオブジェを作るのに使いました。使ったセメントは20kg袋4袋でした。次回は石灰モルタルを塗り、描画用の壁を作ります。

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第3回目  5月12日(火)
石灰と砂。

砂はホームセンターで洗い砂を一袋購入しましたが、全然足りませんでした。急遽、鉄棒の砂場から拝借。洗って使うべきでしたが、下塗りなので可としました。砂の目が細かく、生徒には塗りやすかったようですが、ゴミや枯れ草が混じっていて一緒に練り込んでしまいました。

練り

水を加えて、鍬で練り上げます。これが結構な重労働です。

左の鍬は、実は庭掃除用の草取り用の鍬、左側は畑仕事用のもの。チョッと使いにくいのですが、我慢、我慢。

練り終わり

ふねがちょっと小さく使いにくく、もっと大きなものにすれば良かったと後悔しました。

練り終わり拡大

水の分量は、砂の含水量との関係できっちり量れずいい案配でやめます。ちょうど良い堅さは耳たぶの感じだと聞いたことがあります。加水していくとは或る一定のところで急激に緩くなります。

左官屋さんの使うモルタルは垂れてくるくらい柔らかいのですが、それは作業効率を優先させ、亀裂ぎりぎりのところまで緩めるからでしょう。

フレスコで使うモルタルはそれに比べ固めです。

左官ブラシで壁面を充分に濡らします。
常識的には下から上の方向に塗るのでしょうか。

コテの使い方も難しいようです。先の尖った方を使って平にしようとする傾向があります。コテの腹を使ってモルタルを拡げる感じなのですが。まあ、習うより慣れろということですね。

塗り終わり

2時間でだいたい塗り終えました。ここで、カルトンの転写をすべきでしたが、タイムアウト!。転写は次週に持ち越しです。そのため、カルトンの下書きは毎回移さなければならなくなりました。初めに塗ったところはもう描写できる状態で、転写をしておけばずっと残ったのですが。下絵の穴開けも未だなので仕方ありません。フレスコの制作は作業の分配と時間との戦いだと実感しました。

石灰は一袋のおよそ3/4を使いました。

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第4回目 5月20日(火)カルトンの制作/転写準備
雨のため室内の作業。今年は天気が悪いようで関東地方はもう、11日も晴天がないそうです。

下に段ボールを敷き上から千枚通しで形にそって穴を空けていきます。

ひたすら、穴を空けていきます。
画面が大きかったので、思った以上に時間がかかりました。2時間も穴空けをしてると手が腱鞘炎になりそうだと。音楽をかけて適当に休みながらやります。
拡大

穴の間隔は広過ぎず、狭過ぎず。点が大きくなると形の込み入った場所は判別不能になります。反対に小さくてもになっても同じです。切り取られない程度でしょうか。形の目安を移すことが目的です。

めっくて見るとこんな具合です。
すべて穴あけ完了!
顔料(酸化第二鉄)をガーゼで包みます。これをカルトンの上からはたくと、穴を通って顔料が点線となって壁に付きます。
次週は壁に転写して、上塗り、描画に入ります。
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