藤田嗣治書簡集 ー妻とみ宛ー
「パリ留学初期の藤田嗣治」研究会 編 
「パリ留学初期の藤田嗣治」研究会設立について
設立趣意  画家藤田嗣治は、国際舞台で活躍した日本を代表する画家であった。また、十五年戦争期に描いた戦争画に関わる戦争責任問題などをめぐり話題の多い画家でもある。このような藤田について画家としての出発点となる一九一三(大正二)〜十六(大正五)年頃のパリ留学時代の動静は第一次世界大戦の勃発などもあり不明の部分が多い。藤田嗣治の伝記としては最も新しい近藤史人著『藤田嗣治「異邦人」の生涯』(二〇〇二年、講談社)でもこの時期のことは殆ど語られていない。
 ここに、この時期の藤田を知る重要な資料として、渡仏にあたって日本に残した妻とみに宛てた書簡一七〇通余がある。これらの書簡は渡仏直後の巴里生活、画業に対する真摯な取組みと野望、巴里在住画家たちとの交流、そして何よりも妻とみへの熱い思いが藤田自身の言葉によって語られている。まぎれもない藤田研究の一級資料である。藤田の妻とみは市原市草刈の素封家鴇田友七の次女として、一八八六(明治十九)年に生まれ、創立直後の千葉高等女学校を卒業後、東京の女子美術学校に進学し、一九〇八(明治四十一)年、これまた創立当初の東金高等女学校の教師として赴任し、その時期に藤田と知り合っている。藤田の父嗣章も館山藩の士族であり、千葉県とのゆかりは深い。
 この資料の概要は一九八七(昭和六二)年、「資料紹介、藤田嗣治書簡集(妻とみ宛)『パリ留学時代初期の嗣治』」(『千葉県の歴史』三十三号、千葉県発行)として紹介され、さらに二〇〇〇(平成十三)年には千葉県資料財団による『千葉県現代史部会調査報告書 文学美術資料目録』に詳しい書簡目録も掲載されている。しかし、これら豊富な内容を持つ資料の全面公開は、諸般の事情により当分の間困難と思われる。そこで、「パリ留学初期の藤田嗣治」研究会を設立し、その研究資料として書簡の翻刻を逐次刊行し、会員に頒布して、パリ留学時代初期の藤田研究に資するということをしたい。                                 

                               二〇〇三年八月

発起人 代表 塚本 庸(鳥海貞子、吉田良子両氏従兄)     池田 忍(千葉大学助教授)
   山谷瑛一(千葉県美術会顧問)     鴇田房暉(とみ 実家当主)
   宇野俊一(城西国際大学教授)     鳥海貞子(とみ 長女)
   三浦茂一(千葉県史編さん専門委員)     吉田良子(とみ 次女)
   米田耕司(千葉県立美術館館長) 庶務  松浦眞二(千葉県資料研究財団資料研究員)
   前川公秀(佐倉市立美術館館長) 庶務  大竹英志(千葉県立佐倉南高校教諭)
   伊藤敏隆(県立千葉高美術館名誉館長) 幹事  湯原かの子(淑徳大学教授)
   山岡充美(千葉県立東金高校同窓会長) 幹事  加藤時男(千葉県文書館古文書調査員)
内規
1 本会は「藤田嗣治書簡ー妻とみ宛ー」の全面翻刻を行い会員に頒布する
2 翻刻は三回に分けて行い、二年を目途に完了する
3 発刊の際には可能な限り研究会を開催する
4 会費は一口五〇〇〇円とし、入会時郵便振替を以て申込とする
5 会員には発刊ごとに一口につき一部頒布する。
6 二口以上の加入をいただける会員を賛助会員とする
7 「資料集」はA4版、二段組み、一冊約一五〇頁とする
申込先  〒297-0025  千葉県茂原市緑町46-1 加藤時男 宛    tel/fax0475-25-1196
振込先 郵便振替 00110-3-44233 千葉県茂原市緑町46-1   パリ留学初期の藤田嗣治研究会
芸術新潮04年4月号に紹介記事が載りました。
書簡集申込書

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 謹啓 別紙のような要項にて「パリ留学初期の藤田嗣治」研究会を設立することになりました。画家「藤田嗣治」に関心のある方の御入会をお願い申し上げます。

研究資料として、藤田嗣治書簡(妻とみ宛)を3分冊として翻刻致します。第1分冊は以下のような内容であり、2004年4月中には、刊行、頒布、次いで研究総会を予定しております。 敬具

申し込み・連絡先

297-0025 千葉県茂原市緑町46-1 加藤 時男    tel/fax 0475-25-1196

研究会のHPはこちらです。