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教室後方黒板 03年7月11日
ここでは9年間で3回、卒業生を出しました。入学から卒業まで持ち上がったのは最後の3年間だけでした。途中から学年に入ったことが多かったです。この写真の学年は3年からの1年間だけの付き合いだけでした。しかし、とても印象深いクラスでした。文化祭のラーメン店「三六亭」の大ヒット。合唱コンクールで「流浪の民」を歌って優秀賞。最後はクラス文集をカラー印刷で作ったりもしました。四季彩舎での個展も休んでいたので時間的に余裕があったと思います。この子たちは同時多発テロのあおりを受けて、修学旅行が沖縄から京都に直前に変更された学年でした。
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卒業アルバムの集合写真撮影風景。03年7月期末テスト最終日
学校の歴史は古いです。2004年までの百年余り、女子校でした。当然、女子ばかりです。「ミニスカ、化粧、やめれー」毎日、私は叫んでいました。彼女らも当然,毎日、聞き流していました。ほとんどの子は受験勉強に追われることもなく、のびのびとのんびり暮らしていました。美術部も毎日が平和でした。私の波長にピッタリ合っていたかも知れません。しかし、そういうのって良くないですよね。
集合写真は中庭に集まって撮るのが毎年恒例でした。さて、私はどこにいるでしょう。
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授業風景 その1。
毎年、陽気のいい5月になると美術室から出て、油絵の野外制作をします。私も高校生の時は外での制作を経験しました。生物の野外観察もそうですが、教室の外はいいですよね。開放感があって、わくわくした覚えがあります。ですから、私の授業でも屋外制作は外せません。絵の得意な子は一心不乱に制作します。すぐ飽きる子も、取りあえずカンバスを立てておけば怒られないので、ひなたぼっこをしたり,世間話をしたりして、それなりにやっています。
中庭は噴水のある池を中心に薔薇、ふじ、紫陽花、ツツジ、サツキ、などが咲きます。背の高い枇杷の木もあり、たわわに実を付けます。もちろん食べます。種飛ばし競争もします。私は用務員さんに引っこ抜かれる寸前の、ここの枇杷の苗木を持ち帰って自宅に植えました。毎年たくさんの実を付けています。
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授業風景 その2
1年生は静物、2年生は自画像の制作をする3学期の美術室の右半分の様子です。「自画像を描くことは、自分と厳しく対峙することだ。飾りを捨てたホントの自分をカンバスに表現しよう。」スローガンはカッコいいのですが、いざ制作が始まると、ちょっと、やっぱり、あれ、です。絵画指導は奥が深いというか、やはり、難しいです。絵画中心に授業を組み立てられる先生は凄いと思います。そう言う方は、自分をさらけ出し、生徒の魂に迫る迫力があります。私のような凡庸な人間はどうしても他のジャンルに逃げてしまいます。年齢はベテランですが、やってることは新卒と代わり映えがしません。恥ずかしい限りです。
以前、音楽書道美術の3科で生徒の芸術の授業に対する意識調査のアンケートを取りました。「芸術の時間はあなたにとって何か?」答えは圧倒的に、息抜き、リラックスの時間が多かったです。それも、ま、いいか。
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もじょしの頃
斉藤 望
今年で丸9年になる。赴任したての頃は女子ばかりで驚いた。毎日、疲れる程、たくさん驚いた。しかしそれも続くと、驚きのサイズは徐々に小さくなり、反応しなくなる。これを適応したという。そうなるのに一年を要した。前任校では、弁当は教室でみんなと一緒に食べていた。美術準備室で一人孤独に食べるようになり、かなり凹んだ。特に月曜日が辛かった。次に困った事はトイレだ。用を足すのに職員トイレは遥か彼方で、不便だった。朝早く、誰もいないだろうと思い近くのトイレに駆け込んだら、生徒とかち合わせになった。また暫く凹んだ。春から夏にかけて中庭の花々が美しく咲いた。池の噴水が涼しげな水音を立て、教室のカーテンが風に僅かに揺れた。少し、心の蟠りが解れた。茂原高校音頭が面白かった。廊下で合唱練習をしていた。ウサギとカメとコウモリと雀と蛇とカナチョロが棲んでいる。枇杷がたわわに実る。庭でさつま芋を育てた。焼き芋をした。生徒ホールでラーメンを作った。心安らかに振り返られる事柄は幸福である。そうだ、この学窓が私たちに至福の時をもたらしてくれたと思うのだ。(2006年3月卒業文集「どうびょう」)
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卒業式の日のクラス集合写真 06年3月8日
最後の女子だけの学年。この子たちの翌年から共学となりました。ですから、共学の学年と女子だけの学年が混在するという貴重な体験をしました。卒業式の日はみんな泣いた。私も転勤が決まっていたので、一緒に卒業。別れはひとしおでした。唯一、1年生から3年間持ち上がった学年でした。窯場の横に畑を作り、さつま芋とトウモロコシ、トマトを植えました。掃除の時間に草取りをすることになっていましたが、だれもやりません。雑草だらけでした。しかし、芋は強い。秋には大豊作でした。LHRで焼き芋をしたり、バーベキュー大会をしたり、外で遊んでばかりだった気がします。
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私の宝物の一つ。一昨年卒業した連中の名前入りエプロン。
基本的に、毎日学校に着くとエプロンをする。汚れ防止は勿論、手も拭けるのでラク。たまに運動部の生徒が一緒に洗濯機で洗ってくれることもあるが、滅多に洗濯はしない。洗っても変わらないということははっきりしている。長年愛用の絵具だらけのデニムのエプロンを見るに見かねてか、クラスの生徒が卒業式の日にプレゼントしてくれた。勿論、最後のクラス集合写真はエプロンを付けて写った。嬉しかった。全員の名前が刺繍されてある豪華版だ。
しかし、勿体ないので、よそ行きとして後生大事に取ってある。主に用途は観賞用か、インテリア。
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