雲の砦 M15 室蘭の造船所に取材した。草むらに錆びた鉄骨のフレームが放置されていた。背景の空の碧と、錆びた鉄の赤のコントラストが美しく、絵にしようと思った。
hospital S6 昔風の素敵な看護婦さんと昔風の病院をイメージした。
ambulance S6 同じ建物を裏側から見た。昔の警官とトラック救急車の運転手の記念スナップ。時代が大きく舵を取り始める危機的風景が今の時代と共通すると感じた。
防人 F4 暗い昔風の軍人のイメージで。亡霊とも墓守りともつかない人物がいる場所を描いてみた。描いていくうちに現在の自分の姿に重ね合ってきた。
気象観測装置#4 15cm x20cm 今回のお題はボックス。構想は以前からあったが、取りかかるのがちょっと遅かったのを反省している。出来は工作部分については完璧。しかも把手付きだ。コンパクトに収納でき移動可能。置物絵画の新しいジャンルを開拓したと自負・・・・・・。ボックスの材料は全て、拾物。リサイクルアート。約一週間で完成。カンペキ。
マウスを重ねると開きます。
「今回のテーマは何ですか。」同僚の先輩に聞かれた。  モチーフはこの夏、父の法事室蘭に帰省した時の取材を基にしている。テーマは敢えて言えば「危機」だ。これはずいぶん前にNHK TVで20世紀の映像を見てから温めていたものだ。近代はいつから始まるのか。近代国家は軍備を整え、核兵器に至る究極の殺戮の道を開いた。戦争は国家の名の元に殺人が合法的に行われる。悲しいことにこの国も過去を忘れ、また後戻りを始めている。9.11テロは新たな殺戮の地平を開いた。終わることのない憎しみの連鎖の始まりだ。国家の指導者の言う「テロとの戦い」。そのテロとは一体誰なのだ?派兵を決めた指導者よ、あなたは自ら前線に立つだろうか。自らを死と直面させる場面に立たせるのだろうか。いつの時代も先に死に行くのは無辜の民だ。ニュースの報道は毎日、パレスチナでイラクでアフガンで、インドネシアでの殺戮を伝える。近代とは人間性の根幹が揺さぶられ、試される時代なのではないだろうか。憲法改正、自衛隊派兵、有事立法、経済効率至上主義、一体この国はどこへ向かっているのだろうか。父の死をきっかけに、自分の生き様を思い返す。余計なことを余計に考えるようになった。あのとき、あの選択をしていなければ今の自分はないだろうと思う。
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