箔磨き 14回目(10月23日). 15回目(10月30日)

箔磨きは完全に下地が乾いてからでも構いません。

 通常、箔下とのこが磨きに耐えられる硬さに戻ったら磨きを開始します。この時下地は水分を含み幾らか弾力を持ち、瑪瑙石のとおりに凹み、一層強く輝きます。

磨きのタイミングは、難しいです。均一に下地が乾かず、生乾きの場所を磨いてしまい、下地を崩して失敗する事があり、注意が必要です。乾燥の具合は見た目では分からないので、瑪瑙棒で下地を叩きます。金属音がすれば磨き始めます。

始めは軽く石の重みだけでなぞるように磨きます。
徐々に強く、均一に磨きます。一層輝きが増します。

一通り磨き終え、箔が剥がれたところを修正します。補修場所の大きさに箔を切り、準備します。

強く息を吹きかけ、曇りが引く前に箔を載せ、瑪瑙棒で磨きます。

詳しい補修の手順はこちら。

瑪瑙石で傷つけたりと、必ず補修の場所は出てくるものです。

この作業はどこまで補修するか、時間と相談して決めます。

こちらは、箔下とのこを厚く塗りすぎて、失敗した例。

吹き出物のように画面が激しく凸凹しています。紙ヤスリで全て削り落とし、とのこからやり直ししました。

箔の補修が終わったら、不要部分を紙ヤスリで落とします。
小さく切って、刻み線の形に沿って落とします。

慎重に作業を進めます。削りかすで金背景部を傷つけないように注意します。

↓削り終わりました。次は彩色に移ります。

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箔の補修
修正個所を水で濡らします。
濡れた上にくずの金箔、手頃な大きさに切った箔を置きます。
和紙を上から重ね、瑪瑙で磨き、箔を固定します。
和紙を外して瑪瑙で磨くと補修箇所は境目が見えなくなります。
補修前
水で濡らす。
箔を付ける。

補修後。