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下絵の準備 まず、原寸大の下絵を準備します。下絵の上部をテープで留め、下絵をめくってパネルが覗けるようにします。 |
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転 写。 転写には下絵の間にカーボンを挟んだり、裏を鉛筆で汚してなぞった跡を残す方法があります。しかし石膏下地は柔らかいので、なぞった跡がハッキリ残り、特に何もしなくても良いと思います。むしろ、不注意で、余分なところを黒鉛で汚したりする危険の方が大きいので、そのままにします。 |
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刻み線を付ける。 全て転写し終えたらニードルなどで金箔と彩色部の境目を刻線します。 墨でデッサンを固定するのもこの段階で行います。面相筆と墨の含みのコントロールを上手くしないと、画面が汚れるので、注意します。光の角度で充分形を確認できるので省いても構わない作業です。 |
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箔下とのこの準備 右側から箔下とのこ・水・膠水 粘土状のとのこをビーカーに移し、水に溶きます。膠水を少量混ぜ、糊を利かせます。乾燥させて粉が着いてこない程度。膠がきついととのこが割れます。逆に少ないと箔置きの水でとのこが溶け出し、磨けなくなります。 膠は前日に膨潤させておきますが、急ぐときは電子レンジを使うと便利です。 |
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とのこの濃さはこの程度?今回使用したのは、シャボネール社製の赤口です。この他に黒口があります。以前ルフラン社のアシェットがあったのですが、現在は製造中止になっています。 箔を置く部分より大きめにはみ出して塗ります。 |
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2回目を塗ります。 乱れ塗りが基本です。また、刷毛は浮かせて、1回目の層を動かさないように穂先で塗ります。強くこすってはいけません。筆はパステルで使用する毛の柔らかいものを使用します。 |
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急ぐときはドライヤーで乾燥させます。塗れ色が取れたら、次の塗りが出来ます。 薄く、丁寧に、とのこを均等に塗ります。石膏地の平滑な面に肌理を整え、上に置かれる箔と、石膏下地の間にクッションを挟む役目を果たします。凸凹を付けないよう注意します。とのこは石膏に比べ弾力があるので、回数を重ねて塗り、鏡面状態に近づけて行きます。 今回は3回で終わりにして、磨きに入ります。 |
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磨きに使う瑪瑙棒 上2本は金属のつや出し用に市販されているもの。1本1200円程。下の2本は画材店で入手。1万円前後。勿論今回は上の2本を使います。 この他にお土産用に売られている四角い石も使いました。 |
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磨き 最初は軽く、全体を磨きます。力を均等にバランス良く磨きます。 |
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磨き終わり。 仕上げの磨きは、石の幅が広い扁平なものを使います。この石は国立科学博物館のミュージアムショップでお土産用に売られていたもので、300円でした。徐々に光を増し、家具の木目の質感に近づきます。 |
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箔台を作る。 用意するものは、板・脱脂綿・太鼓鋲・金槌・キャンバス張り器 脱脂綿は契らず、なるべくそのままの形で敷きます。厚く且つ、堅く敷くのがコツです。板はある程度厚みが無いと困るので、桐の集成材が軽くベストです。ランバーコアよりも軽く、しかも、安価で言うことありません。 |
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完 成 バックスキンは960円でした。 |
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箔あかし台 こちらは、箔あかし用の台です。板は何でも良いのですが、桐の集成材が軽く安価でお勧めです。木綿の布をホチキスでぴったり張ります、 |
そこで、 日本画の方法で行います。箔をあかすと箔が格段に扱いやすくなる利点があります。しかし、和紙が濡れると箔が和紙から剥がれず、面倒なことになります。水に付いた瞬間端から剥がすタイミングと、水を逃すコツが難しいところです。 |
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油分の付いた面を箔に重ね、竹箸で上からなぞります。 これを必要枚数繰り返す。今回は一人10枚づつ作ります。手際の良い生徒で30分、縮めたり皺にしたり、飛ばしたり苦戦しながら、1時間ほどで全員あかし終わりました。 |
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小さな所は鋏で適当な大きさに切って、使います。 写真のように箔の対角線を持って、水の上に静かに置きます。 |
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細かな作業はピンセットを。 竹鋏からピンセットに持ち替えます。紙の隅を摘んで箔だけ残して、紙を取ります。 |
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水も抜けて箔が落ち着いたところで、2枚目の重ね貼りをします。 強く息を吹きかけ、箔を曇らせます。 |
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全貼り終えました。磨きは次週です。 箔を置くときに一番難しいのは水の分量です。どの場書にも均等に水が吸われないと磨くタイミングがずれます。コツを掴むまでは生乾きの場所を磨いてしまい、下地を壊して修復不可のにしてしまいます。そのため、磨きは完全に乾かしてからが良いようです。勿論、下地が半乾きの状態で、ある程度柔らかい方が、とのこの凹凸を磨き込め、より平滑に画面を磨けます。つよい光を得られる訳です。 |
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