タイに住む上での気になるリスクは何かと言うと、「蚊・蟻(アリ)・犬」が挙げられます。

東南アジアの蚊が媒体する病気と言えば、すぐに連想されるのがマラリアです。 タイにもマラリア被害が出る地域がありますが、バンコクやチェンマイなどの都市部では起こりません。
蚊が媒体する病気にはマラリア以外にデング熱などがあり、これは都市部でも毎年患者が出ていて注意が必要です。熱が出たり、おかしな出血があったら病院で検査してもらいましょう。

蚊は、どういう訳かタイ人よりも日本人の血を好みます。おそらくタイ人の体温が低いことが影響しているのだと思います。
また、蚊に刺される場所は、食堂などの人が集まる場所が圧倒的に多いと思います。冷房がガンガンに効いている食堂でも、蚊に狙われます。
都会はそうでも無いですが、地方に行くと家の中でも蚊が出るので、寝る時は蚊帳を使います。
日本のヤブ蚊とは種類が違うせいか、林の中とかでは蚊に出会いません。獲物がいないからなのでしょうか。

蚊に狙われやすい場所が食堂などなので、蚊取り線香はあまり防衛策にはなりません(店が用意してくれている所も多いですが)。
塗る蚊よけ薬 「OFF!」は良いね。これ1本で4ヶ月くらい持ちます。 しかし蚊取り線香よりももっと良いものがあります。それは「塗る蚊よけ薬」です。
スプレー式の物よりも、塗るタイプの方が圧倒的に効果があります。塗ったか塗らないか分からないぐらい薄く塗っても、塗った場所は絶対蚊に刺されません(蚊だって、リスクは心得ているのです)。しかし敵も然る者。肌の露出した部分に薬を塗っておくと、薬を塗ってない服の上から刺してきます。
肌の露出部分には塗るタイプの蚊よけを、服の上から刺されやすい場所にはスプレー式をと、両方を併用するのが良いかもしれません。

蚊に刺されてしまった後の痒み止めは、タイの薬局に行くとタイガーバームのような万能薬を渡されます。確かにこれはこれで効いている気もするのですが、やっぱりムヒのような専門薬の方が効果が高いように思います。タイではムヒは(たぶん)売ってないので、日本から持ってくると良いかもしれません。中くらいのサイズのものでも1年間は持ちます。

蟻(アリ)

蚊の話題が出たら、次は蠅(ハエ)の話題が順当でしょうが、タイでの「後始末の係」は蠅ではなくて蟻(赤アリ)が主役です。物の乾燥が早いので、ハエの出番が少ないんでしょう。

アリも人間を噛むことがあるそうですが、幸い私は一度も経験していません。また、噛まれたとしても病気になることは無いでしょう。
しかしタイでのアリの進出度合いには本当にビックリします。ビルの8階でも平気で行進してます。
アリは部屋の中でも平気で出没します。食べこぼしがあったり、食器の洗い方がちょっと雑だったり、食べ物を袋に入れずにゴミ箱に捨てたりすると、1時間後にはアリの行進を見ることになります。いくら伝染病は無いからと言っても、自分が使う食器などが虫にたかられるのは気持ちの良い物ではありません。

アリの巣コロリ(中国製) そんな目障りなアリですが、強力に効く薬がありました。それは「アリの巣コロリ」です。
スーパーなどではパッケージだけタイ語にした、緑色のプラスチクケース付き「アリの巣コロリ」(中身は日本製)を売ってます。しかし、これよりずっと安くて手に入りやすい、中国製の製品でも十分な効果があります。
一袋全部を使う必要はありません。ほんの耳かき4〜5杯ぐらいで十分です。アリが食べやすいように、大きな塊は少し砕いてやると良いようです。
これをアリの行進の近くに置いてやると、2日後にはアリの姿が一掃されます。そしてその後、3ヶ月くらいは平穏な日を過ごせます。

タイで一番危険な動物。それは犬だったりします。
愛犬家の皆様の為に弁護すると、犬が悪いのではありません。悪いのは狂犬病です。
タイでは狂犬病のために、毎年10名以上が死んでいるのです。

タイで狂犬病予防の注射が行われている犬は、全体の60%だそうです。逆に言えば、5匹に2匹は病気持ちの可能性が高いです。野犬は90%以上危ないと思いますが、飼い犬が全て注射を受けているかと言えばそうでもないらしいので注意が必要です。

犬の対策としては、杖を持って歩くと威嚇になるそうです。
私は杖を使う年齢ではないので、折りたたみ傘で代用してます(だから乾期でも傘を持っている)。犬の姿が事前に見えた場合は傘を伸ばして警戒するのですが、急に遭遇した場合は焦ります。その場合はカバンを振ったりして威嚇します。まあちょっと大げさですが、手ぶらだとかなり怖いですよ。特に、人間の数より犬の数が多い時は要注意です(もっとも、全然危険の無い可愛い犬もたくさんいます)。

狂犬病を持っているのは犬だけでなく、猫やコウモリも危ないらしいです。こっちの方がノラ率が高いでしょうが、遭遇率は格段に低いです。

狂犬病は、発症した場合の死亡率がほぼ100%という恐ろしい病気です。しかし発症する前だったら手立てがあるようです。動物に噛まれたらすぐに病院に行きましょう。
なお、予防接種をしようとしても、タイでは「噛まれてから来なさい」と言われるらしいです(伝聞)。

その他

タイには毒蛇やサソリもいるそうですが、彼らがいるのは森の中です。町にはいません。
トレッキングなどに行く時は経験のあるガイドを使うのが良いでしょう。

意外な所では、野生のバッファローなんかもいたりします。チェンマイでもバッファローが見られる所があったので行ったのですが、彼らと自分との間に柵が無いというのはメチャ怖いです。 今のところ事故は無いようですが(未確認)、挑発行為とかはしない方が無難でしょう。