仏像に水を掛ける

タイで最も気温が高くなる4月の中旬、タイ正月ソンクラーンสงกรานต์)がおこなわれます。ソンクラーンはタイ人にとって最も大切な行事で、仏像や人々に水を掛け合っていました。

ターペー門でのタムブン ソンクラーンは仏教行事では無いそうですが、正月なのでやはり托鉢は外せない感じです。
チェンマイのターペー門の前では、日頃はタムブン(お布施)をしない人(私もですが)も多く集まって、皆が揉み合うようにして僧侶の持つ鉢にお供え物を入れていきます。

寺からは仏像が運び出されて、町中のパレードに出て行きます。 仏像が置いてあった寺の中では、仏像の後ろ側の壁を見ることが出来ます。
下は、チェンマイのプラシン寺から運び出されるシヒン仏と、運び出された後の寺の中です。

プラシン寺から運び出されるシヒン仏    プラシン寺から仏像が運び出された後
運び出された仏像には、皆が水を掛けていきます。そして仏像に掛かって流れ落ちた水を集めて、今度は自分の体に掛けていきます。
仏像だけでなく、人間同士の間でも、肩に水を掛けてあげて正月を祝います。これが「水掛け祭り」の本来の由来なのでしょう。

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運び出された仏像は町中のパレードに参加します。このときも皆が仏像に水を掛けようとしますが、遠くから水を掛けようとするため観客も皆、びしょ濡れになります。

市街地は戦場に

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一方、市街地ではもはや仏像は関係なく、人間同士の水の掛け合いが高じて銃撃戦が始まります。子供は勿論、大人も水鉄砲を持っての無礼講です。
簡易ステージが組まれて大音量の音楽が流され、消防ホースで水を掛けているところもあります。
まあ、暑い国の人達の正月って、こんなものでしょうね。

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路上では、ドラム缶を積んだピックアップトラックとの激しい応戦が繰り広げられます。タイでピックアップトラックが人気なのは、もしかして水掛祭りに使えるからなのではないかとさえ思えます。
バイクでも容赦なく、真横から水を掛けられます(よく転ばないですね) 。


ここまですごいのは市街地の中心部だけで、少し離れた小道などでは、昔ながらの肩に水をかけるだけの水掛もおこなわれてます。
道を歩いていて水を掛けられる度に、知らない人にでも「ありがとう」「新年おめでとう」と声をかけていく感じは、どこかハイキングの途中の挨拶にも似ています。

3日間のソンクラーンが終わると、本当の休日が訪れます。ステージなども一夜のうちに撤去され、多くの店は休業してます。平和で静かな町中は、前日までの騒ぎが夢だったかのようなコントラストを描いています。