タムブン(ทำบุญ)とは、寺への寄進のこと。 宗教心に厚いタイ人はタムブンをかかしません。
寺ごとにタムブンをおこなう日が決まっているようで、タムブンの日が近づくと、タイ人は色々準備を始めます。
それだけ聞くと、宗教色の濃いイベントのように思うかもしれませんが、実際に行ってみると縁日そのものです。
寺の周りはものすごい人だかりになり、皆が寄進する物を運ぶのに車を使うので、警察官が交通整理にかり出されます。

タイ人の寄進の仕方は派手です。
日本だったら寄進した人の名前を書いた札が張り出される程度ですが、タイでは寄進された品々がメインストリートに所狭しと並びます。
目立つのは、木や竿に品物をぶら下げた大きなオブジェ(?)です。 ぶら下がっている物を見てみると、小さいのは歯磨き粉やら鏡。中くらいだと洗面器や服。大きくなると電気炊飯器、布団までぶら下がってます。お坊さんの日常生活品がぶら下がっているという訳です。
また、直接お札を飾っているものも多く、下の写真の中央に写っているピンク色の木には、100バーツ札がたわわに生えていました(目算で20万バーツぐらいありました。約60万円です)。

まあ、多くの一般市民はそんなに大盤振る舞いはできないので、鉢植えの花とか、果物などを寄進しているようです。
ほとんどの人がなんらかしら寄進をするので、寄進物置き場はなかなかすごい光景になります。

タムブンは寺に寄進するだけが目的ではなく、知人に会うという意味も大きそうです。例えるなら、コミケに知人に会いに行くような物でしょうか。
寺の周辺には当然ながら屋台が建ち並びますが、この屋台で売っている物の値願が異様に安いです。日本ならイベント会場の出店は値段が高いのが当たり前ですが、タイでは「数がいっぱい売れるから単価が安くなる」理論で安くなるようです。焼きソバなど10バーツ(約30円)で出ていますから、タムブンを狙って食事に出て行けば食費がかなり安くすませられそうです。

とまあ、なかなか楽しいイベントです。
私は食堂のおばちゃんに誘われて行ったのですが、実際に自分の目で見てみると「タムブンを体験しないなら、本当のタイの楽しさを知らないことになる」とまで思いました。
お金では換算できない幸福が、タムブンにはあるように思います。