2002年度上半期作品紹介

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

☆    一    月    ☆

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

・●初姿夢の賑わい・

  振付/花柳衛彦

・●殻茄子屋(前進座)・

作/平田兼三 演出/香川良成

出演/嵐圭史 藤川矢之助 西川たずこ

  今村文美 妻倉和子 小林祥子

  林家正楽 他

「初姿夢の賑わい」

 新春にふさわしい華やかな舞踊ショー。

 楽しい踊りの間に日替わりゲストの紙切

り、曲ごま、落語などの伝統芸能を・・・

「殻茄子屋」

 日本橋横山町の糸問屋、伊勢久の一人息

子徳三郎は、お定まりの道楽の末勘当され、

半月前から行方知れず、たまたま釣りにで

かけた伯父六兵衛は、橋の上からぼんやり

川を見つめている徳三郎を見て連れ帰った。

聞けば二日も食べておらず、着物は垢だら

け。小言を言う徳兵衛、が暖簾に腕押し「今

夜一緒に花魁のところへ行きましょ」

 翌朝、「一ぺんでいいから自分で銭を稼い

でこい」と、天秤棒をかつがせて、唐茄子

を売りに出す。箸より重いものを持ったこ

とのない徳三郎、ヨタヨタフラフラ、迷い

込んだ名代の貧乏長屋・・・

 落語で御馴染みの人情ばなし。

        ・前進座劇場・

 

・●影法師の歌(楽市楽座)・

 作/新藤兼人 演出/神山征二郎

 出演/松山政路 大橋芳枝 山下洵一郎

   水谷貞雄 矢野宣 中村たつ 他

 昭和756日、広島ホテルの応接室。

九鬼村の村の人達に迎えられ、31年ぶりで

帰郷した甲野虎吉がいる。16歳で渡米し、

31歳でチャップリンの自動車運転手とな

った虎吉は、今では秘書となり来るチャッ

プリンの訪日準備のため帰ってきたのであ

る。郷土の偉人といわれ、虎吉はつい広島

へチャップリンを連れてくると約束してし

まう。

 昭和7514日、喜劇王チャップリン

の訪日は嵐のような大歓迎を受け、虎吉と

共に帝国ホテルへ入る。その日は犬養首相

が暗殺されたいわゆる5.15事件の前日

で「チャップリン歓迎会を機会として首相

官邸を襲撃する」としたその事件に、否応

なく一同巻き込まれる。

・紀伊国屋ホール・

 

     ●Shoes Onl.3(博品館劇場)・

構成・演出/福田陽一郎

出演/川平慈英 藤浦功一 平沢智

 玉野和紀 シルビア・グラブ 岡千絵

 高谷あゆみ 吉岡小鼓音

ストリーやテーマはなく、おなじみのミ

ュジカルナンバー、スタンダードナンバ

ーにのせて贈る、歌とタップで綴るエン

ターテイメント・ショー。

 舞台と客席が一体に盛り上げること

ができる、理屈ぬきで楽しいと言えるシ

アター・ショーです。

     博品館劇場・

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

☆    二    月    ☆

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

・●三文オペラ(東演)・

 作/B・ブレヒト 訳/佐藤史郎

 演出/V・ベリャコーヴィッチ 

出演/東演総出演

 劇団東演とモスクワ・ユーゴザパ

ト劇場との合同公演です。過去、「

ロミオとジュリエット」で衝撃の舞

台を創りあげた両劇団が、満を持し

ての企画。ベリャコーヴィッチ演出

が見事にあの「どん底」を現代に蘇

らせた手腕が今回もとても楽しみで

す。

   ・世田谷パブリックシアター

●泰山木の木の下で(民藝)・

 作/小山祐士 演出/宇野重吉 

高橋清祐(補演出)出演/北林谷栄

 伊藤孝雄

 宇野重吉演出で1963年に初演、

以来400回以上の公演を重ねてき

た北林の当たり役。多くの人の要望に

応えて、再度、北林谷栄が渾身の舞

台をつくり上げます。

         ・三越劇場・

・●雁の寺(地人会)・

 作/水上勉 演出/木村光一 出

演/金内喜久夫 高橋恵子 嵐広也

 若狭の貧しい村に生まれた少年は、

京都の「雁の寺」という寺院に口べ

らしのために預けられた。寺の和尚

慈海は少年を慈念と名付け、厳しい

教育をほどこすと同時に、残酷とも

いえるような勝手な振舞いで慈念を

痛めつける。和尚は寺の奥の間に里

子という美しい女をかこっている。

若い母性的な里子に対し、慈念は母

を慕うような感情を持っている…。

ある日、和尚がいなくなった。秘密

は少年僧慈念だけが知っている。

     紀伊國屋サザンシアター・

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

☆    三    月    ☆

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

・●国語元年(こまつ座)・

 作/佐藤B作 土居裕子 沖恂一

郎 田根楽子 小市慢太郎 他

 座付作者・井上ひさしが、ことば

そのものをテーマに書き下ろし、「

政事の権力」がらみで個人が、日本

のことばを「統一」しようとすると

きにおきる滑稽な混乱を、多彩な趣

向を凝らし、ユーモアをまじえた作

品。15年ぶりの再演。

        ・紀伊國屋ホール

●疾風のごとく(松竹)・

 原作/乙川優三郎 脚本/金子成

人 演出/井上思 出演/尾上辰之

助 尾上菊之助 市川新之助 若村

麻由美 三田和代 尾上菊五郎

 辰之助・菊之助・新之助の三人が

瑞々しく描く感動の時代劇!

 逆境の中をもがきながら成長し次

第にそれぞれの道を歩み始める三人

の若者の姿を描く。

          ・新橋演舞場

●ウィンザーの陽気な女房たち

          (無名塾)・

 作/W・シェイクスピア 訳/小

田島雄志 演出/林清人 出演/仲

代達矢 山本圭 山本清 松崎謙二

野崎海太郎 小宮久美子 鈴木弥生

赤羽秀之 中原果南 金子和 

 無名塾はこの25年「マクベス」「

ハムレット」「リチャード三世」と

シェイクスピア作品をとりあげ特に

悪る(ワル)のリチャード三世は仲

代達矢の代表作である。だが同じ悪

でもフォルスタッフは全く別の悪で

ある。酒飲みの大デブでしかも好色

……。色と酒と金の欲にどっぷりつ

かった巨漢フォルスタッフが巻き起

こす、抱腹絶倒、シェイクスピア最

大の喜劇!

       ・サンシャイン劇場・

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

☆   四  月       ☆

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

・●はちまん(銅鑼)・

 作/内田康夫 脚色・演出/平石

耕一 出演/山田昭一 千田隼生 

村岡章 青山恵子 館野元彦 三木

俊彦(文学座)本山可久子(文学座)

をはり万造(造の会)

内田康夫の人気推理小説『浅見光彦

シリーズ』の舞台化、現代の歴史確

認問題と、愛国心を鋭く問う。

    ・紀伊國屋サザンシアター

●八月に乾杯!(俳優座)・

 作/アルブーゾフ 訳・演出/袋

正 出演/岩崎加根子 小笠原良知

 1968年7月末から8月末にか

けて、ソ連のラトヴィア共和国の首

都リガでの出来事です。保養所の医

長ロジオンは妙な患者リーダの訪問

を受けた。二人は個性の違いから会

話が成立しなかったのだが……。

 アルブーゾフの代表的な作品の一

つで、原題は「古風なコメディ」。

心温まる素敵な舞台です。

         ・俳優座稽古場

●高き彼物

  (俳優座劇場プロデュース)・

 作/マキノノゾミ 演出/鈴木裕

美 出演/高橋長英 森塚敏 藤本

喜久子 浅野雅博 増沢望 歌川椎

子 酒井高陽

心に傷を負った少年がやはり心に傷

を持つ元高校教師とその家族に出会

い、精神的成長を遂げてゆく、ある

夏の一週間の物語です。

俳優座劇場・

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

☆    五    月    ☆

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

・●毒薬と老嬢(NLT)・

 作/ジョセフ・ケッセルリング 

訳/黒田絵美子

演出/グレッグ・デール 出演/淡

島千景 淡路恵子渋谷哲平 倉石功

 川端槇二 平松慎吾 池田俊彦

泉関奈津子

スリルたっぷりなストーリーと、の

んびりとしたムードのおばぁちゃま

二人のアンバランスが大きな笑いを

生み、観客をラストまで一気に楽し

ませます。ブロードウェイの大ヒッ

トコメディ。 

          ・博品館劇場

●森の果て(仮題)(文学座)・

 作/渡辺えり子 演出/鵜山仁 

出演/金内喜久夫神保共子 他

文学座が培ってきたドラマツルギー

とリアリティーある演技を軸に、「

生きるとは何なのか、そして老いと

は……」というテーマをも探りなが

ら、ある家族の人間模様をユーモラ

スに描く。

        ・紀伊國屋ホール

●天平の甍(前進座)・

 作/井上靖 脚色/依田義賢 演

出/十島英明出演/中村梅之助 嵐

圭史 中村梅雀 河原崎國太郎 瀬

川菊之丞 他

 奈良・天平の時代、新しい国造り

に情熱を燃やす若き留学僧は、いか

にして鑑真和上にめぐり逢ったか。

鑑真和上はまた、日本の青年僧の熱

き思いに応えて、苦節十余年、幾度

も生死の危険を冒し、失明をしてま

でなぜ日本に渡海し、唐招提寺を建

立したのか。

日本古代史の大テーマを見据えつつ、

日本青年僧の心意気と鑑真和上の強

固な精神と崇高な姿、そして日本と

中国二国間を結ぶ友好の固い絆が、

壮大なスケールで感動的に描かれて

います。

     国立劇場大劇場・

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

☆    六    月    ☆

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

・●アルベルト・シュペーア(民藝)

 作/デイヴィッド・エドガー 訳

・演出/丹野郁弓出演/千葉茂則 

河野しずか

 青年建築家だったアルベルト・シ

ュペーアは、ヒトラー率いるナチ第

三帝国で軍需大臣を勤めた。ナチス

ドイツで第二の権力を持つ男と言わ

れ、ヒトラーの一番のお気に入りと

された彼は、自分は単なる建築家で

あって、政治家ではない。ユダヤ人

虐殺については何も知らなかった、

と主張するシュペーア。知るべきで

あった、知ることができたはずだっ

た。しかし目を背けて知ろうとしな

かったという彼の犯罪は、その複雑

さとともに、いつまでも彼を脅かし

続けていく……。

    ・紀伊國屋サザンシアター

●浅草・花岡写真館(地人会)・

 作/山田太一 演出/木村光一 

出演/手塚里美(予定)他

 親子三代にわたる浅草の写真館。

 明治・昭和・平成とその時代に様

々ないわくありげな人間がカメラの

前に座る。

 その店主がレンズ越しに見たもの

はォ。ュ。

    ・紀伊國屋サザンシアター

●一本未定・

 

東京労演の紹介に戻ります。