東京労演
     2002年度 下半期 作品紹介


 

   七  月
 
 
    ●『幽霊貸し屋』(昴)
     原作/山本周五郎 脚色・演出/
    福田逸 出演/一柳みる 北川勝博
    内田稔 新村礼子 伊藤和晃 水野
    龍司 御友公喜 佐藤しのぶ
     巷に綾なす人情の機微を濃淡細や
    かに描き出し、日本人の心に生きつ
    づける作家、山本周五郎の世界。
              俳優座劇場
 
    ●『ファニー・マネー』     
       (俳優座劇場プロデュース)
     作/レイ・クーニー 訳/小田島
    恒志 演出/菊池准 出演/清水明
    彦 井上薫 宮本充 香月弥生 児
    玉泰次 田中正彦 里村孝雄 緒方
    愛香
     ヘンリーとジーンはロンドンの中
    流住宅街に住むごく平凡な夫婦。今
    日は夫の誕生日、ジーンはささやか
    なパーティの準備をしていた。とこ
    ろが帰宅したヘンリーはいきなり「
    外国へ高飛びする」と言い出す。理
    由を問いただすジーンに、アタッシ
    ュケースの中身を見せるヘンリー。
    そこには73万5千ポンドの現金が!
    今は自分のものだと「高飛び」した
    がるヘンリーに、反対するジーン。
    そこへ刑事や友人夫婦、タクシーの
    運転手まで入り乱れ大騒動が始まる
    ……。抱腹絶倒の喜劇をお楽しみ下
    さい。      俳優座劇場
 
    ●『美しきものの伝説』(青年座)
     作/宮本研 演出/鈴木完一郎 
    出演/山野史人 山路和弘 横堀悦
    夫 大家仁志 山賀教弘 檀臣幸 
    津田真澄 川先宏美
    「死ぬほど生きた人たちのため」と
    同時に「未来に生きる人たちのため」
    に残された傑作を個性豊かな青年座
    演技陣が演じます。
        紀伊國屋サザンシアター
    



 

    八    月    
 

 
    ●ミュージカル『ラ・マンチャの男』
               (東宝)
     脚本/デール・ワッサーマン 作
    詞/ジョオ・ダリオン ミッチ・リ
    ー 訳/森岩雄 高田蓉子 訳詞/
    福井峻 振付/森田守恒 演出/松
    本幸四郎 出演/松本幸四郎 上條
    恒彦 佐藤輝 福井貴一 松たか子
    松本紀保 他
     見果てぬ夢を追いつづけ幸四郎主
    演、1000回を迎えます。
     心の底から胸を打つ愛と感動のド
    ラマ−数々の名曲とフラメンコの強
    烈な旋律にのって、あの感動が甦え
    ります。       帝劇
 
    ●『青春デンデケデケデケ』
              (文化座)
     原作/芦原すなお 脚色/小松幹
    生 演出/佐々木雄二 出演/津田
    二朗 青木和宣 鳴海宏明 橘憲一
    郎 伊藤勉 佐藤哲也 米山実 桐
    山京 他
     1960年代、四国は観音寺を舞
    台にして、高校生達のロックに賭け
    た熱く輝かしい青春が描かれます。
    60年代の数々の音楽に合わせて小気
    味よく物語は展開、またベンチャー
    ズを始めとした出演者の生演奏も臨
    場感に溢れています。
               本多劇場
    ●『嫁も姑も皆幽霊』(NLT)
     作・演出/池田政之 出演/田村
    亮 淡路恵子 音無美紀子 塩沢と
    き 倉石功 
     四代続いた和菓子屋の若旦那は売
    れっ子恋愛小説家。18歳も若い妻を
    もらってウキウキ気分。そこへ先妻
    の幽霊が現れた。天国でも嫁姑の関
    係で苦労している為、息抜きをした
    いと言う。そこへ母の姑も現れた!
     母と息子、夫と妻、嫁と姑、家族
    の永遠の愛をテーマに、涙と笑いで
    贈る大爆笑コメディ。
               三越劇場
    



 

    九  月
 

 
    ●『ありてなければ』 (民藝)
     作/大西信行 演出/高橋清祐 
    出演/奈良岡朋子伊藤聡 花村さや
    か
    女手ひとつで育て上げた一人息子の
    結婚騒動。奈良岡朋子主演で、出会
    いと別れを平安朝の古歌にたくして、
    母親の複雑な心情を、きめ細かく、
    あたたかく、ユーモラスに描きだし
    ます。
      紀伊國屋サザンシアター
 
    ●『九月大歌舞伎』(松竹)
     出演/芝翫 吉右衛門 梅玉 福
    助(予定)
             歌舞伎座
 
    ●『銃口−教師・北森竜太の青春−』
             (青年劇場)
     原作/三浦綾子「銃口」より 脚
    色/布勢博一 演出/堀口始
     昭和12年、旭川の師範学校を卒業
    した北森竜太は、恩師・坂部久哉の
    「恵まれない子どもたちにこそ良い
    教育を」の言葉に導かれ、炭鉱町で
    ある幌志内の小学校に赴任する。希
    望と情熱に燃えた彼を待っていたの
    は、「危険思想」の嫌疑と治安維持
    法による検挙であった……。
     戦後、私たちが守り続けてきた平
    和憲法、教育基本法が蹂躙されよう
    としている現在、「教え子をふたた
    び戦場に送らない」という戦後民主
    教育の原点にたち戻って、平和と教
    育の問題に真正面から向き合う作品。
             紀伊國屋ホール
    



 

    十  月
 

 
    ●『山田太一書き下ろし作品』
              (文学座)
     作/山田太一 演出/坂口芳貞 
    出演/飯沼慧 坂口芳貞 三木敏彦
    他(予定)
     TVドラマ、戯曲、小説、映画と
    活躍を続ける山田太一氏の新作が、
    文学座に初登場です。
           紀伊國屋ホール
 
    ●『びっくり箱』
    (メープルリーフ・シアター)
     作/アン・チスレット 訳/吉原
    豊司 演出/貝山武久 出演/里居
    正美(民藝)加藤土代子(フリー)
    高橋広司(文学座)中地美佐子(民
    藝)藤堂陽子(文学座)
     ジョーとアリスはフロリダに隠居
    するという父親ジャックの農場を買
    い取って引き継ぐためトロント郊外
    にある実家の小村に戻って来て、ト
    レーラーハウスに仮住まいして居る。
    そこへ母親のモーリンが訪ねて来る
    が、農場の買い取りの話など夫ジャ
    ックからは一言も聞かされていない
    からさぁ大変。ことの起こりはモー
    リンの60歳の誕生祝いにフロリダに
    コンドミニアムを買ってやろうとい
    う夫の善意からだったのだが…… 
             三百人劇場
 
    ●『きょうの雨 明日の風』
                (俳優座)
     原作/藤沢周平(短編集より)脚本
    /吉永仁郎 演出/安川修一 出演
    /川口敦子 阿部百合子 岩瀬晃香
    野百合子 庄司肇 他
     江戸深川の裏長屋を舞台にたくま
    しく生き抜こうとする女たちに焦点
    をあて、それぞれの運命に泣き、笑
    い、憤る裏長屋の女たち・男たちを
    通して、懸命に生き抜いていく人間
    の美しさを素朴に描いてゆきます。
              俳優座劇場
    



 

    十一 月
 

 
    ●『人間万事漱石の自転車』
            (木山事務所)
     作/堤春恵 演出/末木利文 出
    演/平田広明 林次樹 磯貝誠
     明治33年のクリスマスから、35年
    12月、夏目漱石帰国の直前までの2
    年間。漱石、正岡子規ともに34才。
     場所はロンドンと東京の下町の根
    岸。ロンドンには青年・漱石が留学
    している。根岸の子規庵では俳人・
    子規が病床にある。
     ヨーロッパ文明に触れて精神的に
    追い詰められていく漱石の心情と、
    病床にあって生への執着を失わない
    子規。近代日本の知識人の苦悩と、
    欧米文明(「自転車」がその象徴)
    との相克を鮮明に浮き彫りに。
        東京芸術劇場小ホール1
 
    ●『リア王』(幹の会+リリック)
     作/ウィリアム・シェイクスピア
     訳/小田島雄志演出/平幹二朗 
    出演/平幹二朗 平岳大 新橋耐子
    一色彩子 小林さやか 藤木孝 坂
    本長利 西本裕行 
     人の愛、特に『リア王』では、親
    子の愛の行違いがモチーフになって
    います。これは、いつの時代でも同
    じであり、特に現代でも身近で大き
    なテーマです。『リア王』は、現代
    に生きている悲劇であり、シェイク
    スピアの四大悲劇の中で、現代の観
    客に最もわかりやすく感動していた
    だける作品です。
        紀伊國屋サザンシアター
 
    ●『ハロルドとモード』(青年座)
     作/コリン・ヒギンズ 訳・演出
    /伊藤大 出演/東恵美子(モード)
    鈴木浩介(ハロルド)
     限りある生命を、十二分に輝かせ
    て生きる80歳の老女モードと、生命
    の確かな手ごたえを探す青年ハロル
    ドが奏でる<再生>の物語。
               本多劇場
    



 

    十二 月
 

 
    ●『宅悦−雑司ヶ谷四谷怪談』(民藝)
     作/吉永仁郎 演出/高橋清祐 
    出演/大滝秀治 伊藤孝雄 南風洋
    子 水原英子
     歌舞伎の名作として知られる鶴屋
    南北のおなじみ「東海道四谷怪談」
    を、吉永仁郎が登場人物のひとり按
    摩宅悦の視点から改作し、独自の世
    界を展開します。原作での宅悦は民
    谷伊右衛門の言うなりになる悪党に
    なりますが、この作品の主人公とな
    る宅悦は、生活に追い詰められた庶
    民の一人として、恐ろしく、そして
    滑稽な人物として描かれます。ひと
    味違った宅悦怪談をお楽しみくださ
    い。
               三越劇場
    
    ●『オスカー』(NLT)
     作/クロード・マニエ 翻訳/梅田晴夫
     演出/鵜山 仁
     出演/村井国夫 大沢健 伊東弘美 市川靖子
      眞継玉青 真藤藍 緒方絵理 三輪浩幸 
      平井一早 霜山多加志 
 
      バルニエ石鹸社員、クリスチャンは、
     会社の機構を見事に操って大金をつかみ
     社長令嬢ジャックリーヌに求愛する。と
     ころが彼が、「社長令嬢」と思い込んだ
     のはとんだ人違いで、本当の社長令嬢コ
     レットは運転手のオスカーと熱い仲。し
     かも子供まで出来ているとあって父親の
     バルニエ社長は大弱り。そこへ玉の輿で
     男爵夫人となって家を出て行く女中ベル
     ナデットが、ご丁寧にもカバンを取り違
     えて出て行ってしまうが、カバンには会
     社の裏金が入っていたため、バルニエ社
     長の困惑はl絶頂に。
      3億2千万円入りのカバンと3億2千
     万円の宝石が入ったカバンとそしてもう
     一つ『ブラジャー』が飛び出すカバンが
     大活躍する抱腹絶倒のヴールヴァール劇
              俳優座劇場
    
    ●『 風 浪 』(東 演)
     作/木下順二 演出/鈴木完一郎
     出演/原田清人 渡辺聡 青羽剛 太田佳伸
       マイケル・ネイシュカット・ダニエラ・ムドリアン
       能登剛 腰越夏水 河野あや子 
 
      明治8年の初夏から10年の浅春にかけ
     ての熊本。
      新政府はようやく近代国家の基礎を固
     め、その体制の下で青年たちはそれぞれ
     失われた大儀を求めていた。
      佐山は学校党の教義にあきたらず、実
     践を求めて敬神党(後に神風連)に入る
     のだが、やはり神がかりに疑問を感じ山
     田蚕軒の門を叩く。さらに神学校の教師
     ジョインズの思想(キリスト教)にふれ
     て武士とか士族とかでない人間について
     見えはじめる。
      明治9年10月、神風連の乱がおこる。
     その混乱の<なかで佐山は幼友達を斬って
     しまう。
      激動する明治維新のなか、日本の未来
     を狙った若き群像は、悩み、道を求めい
     かに生き抜いたのか・・・。
              紀伊国屋ホール
    

    
東京労演の紹介に戻ります。