東京労演
2004年 下半期 作品紹介
●『ハロー・アンド・グッドバイ』
(俳優座劇場プロデュース)
俳優座劇場
俳優座劇場50周年記念公演第二弾。
『血の絆』『サムとハロルド』『マイ・チルドレン・マ
イ・アフリカ』などアパルトヘイト(人種隔離政策)を
背景にした作品を数多く発表し各国で上演され衝撃を与
えている南アフリカの作家フガードの作品。
キャスト
ジョニー…………北村有起哉
ヘスター…………久世星佳
1965年、夏。南アフリカ、ポート・エリザベス。
事故で片足を失った父親と暮らしていたジョニーのも
とへ、15年前に家を出たきり音信不通だった姉ヘスター
が突然帰ってくる。彼女の目的は財産分与。
ヘスターを拒否するジョニーだったが、ヘスターに取
引きを持ちかける「金は全部やる。家は俺に残せ」と。
事故の保証金があるはずの父の荷物を探すヘスター、
だがそこから出てくるものは…。
●『星逢井戸命洗濯』
(テアトル・エコー)
恵比寿・エコー劇場
キャスト
捻兵衛…………熊倉一雄
扇太郎…………納谷悟朗
藤吉……………沖恂一郎
お浜……………火野カチコ
お糸……………重田千穂子
お由……………岡のりこ
長次郎…………安原義人
源八……………IKKAN
おみつ…………渡辺真砂子
三平……………松原政雄
井戸職人………川田栄
井戸職人………田中英樹
時は文化十四年。江戸深川冬木町の裏長屋に、貸本屋
を生業にしながら読本書きを志す長次郎が、大家捻兵衛
に半ば騙されて引っ越して来る。
空き部屋の幽霊。後生大事に早桶の手入れをするたが
屋の藤吉。 常磐津の師匠お糸。「若旦那」と呼ばれる
老人の扇太郎とその世話女房お浜……。
七月七日。訳ありの住人たちが年に一度の井戸替えに
からんで繰り広げる七夕不思議浪漫物語。
75年テアトル・エコー創作
戯曲入選以来、数々のお江戸ミュージカルを創り上げて
きた岡本蛍の新作。江戸裏長屋を舞台に展開される、し
みじみとした人情喜劇。
●『時の筏を漕ぎゆけば…』(東演)
紀伊國屋ホール
出演者
岸並万里子
吉田美奈子
能登 剛
南保 大樹
他
1959年秋。ニコライ堂の見える旧仁科医院の一室。
仁科風子、上村清一、郡山冬雄等数名の学生が安保反
対のデモではじめて出会う。風子は母由季子と二人暮ら
し。
開業医だった父の亡き後、世間知らずの母が家政婦を
しながら、女手ひとつで育てられた20才の看護学院
の2年生である。
上村、郡山たちは明治大学の学生。三派、草の根的労
農派、良識的市民派と、それぞれが明確な意識されたも
のではないが、若者の正義感とエネルギーで激動の世相
の中で自分達の未来、そして生き方を彼等なりに真摯に
追い求めていた。
そして30年後、理想に燃えたそれぞれの青春の軌跡
は…。
「ほにほに、おなご医者」「いろはに金米糖」など、
評判を読んだ堀江安夫と鈴木完一郎のコンビが、東演45
周年記念公演の第一弾として登場します。堀江作品は「足
摺岬」でも喝采をあびました。
●『GO』 (東京芸術座)
作/金城一紀 脚色/いずみ凛
演出/杉本孝司
出演/井上鉄夫 笹岡洋介 鈴木健一朗
中村亨 深井八郎 前田剛志
斉藤薫 桜井秋子
在日二世の杉原は、日本で生まれ日本で育った。中学
までは民族学校に通っていたが、今は普通高校に進学し、
ケンカ三昧の日々を送っている。ある日、誕生パーティ
ーに出かけた杉原は、そこで出会った日本人の女の子に
恋をした。ある時、杉原は打ち明ける
『僕の…本当の名前は……』。
紀伊國屋サザンシアター
●『花よりタンゴ』 (こまつ座)
作/井上ひさし 演出/栗山民也
出演/小林勝也 旺なつき 三浦リカ
鈴木ほのか 占部房子 田根楽子
昭和22年、東京銀座。戦前は男爵家の令嬢として裕
福な暮らしをしていた月岡家の娘たち。しっかりものの
長女蘭子、本の好きな次女藤子、唄のうまい桃子は別宅
の子で、成績優等の月岡の末娘梅子と同い歳。戦災で家
族も屋敷もなくして、四人の姉妹は寄り添い、銀座にダ
ンスホールを開いた。おかしな人物たちが集まって、次
から次へとくりひろげられる珍騒動の数々。生のピアノ
演奏によるタンゴのリズムと歌声、そしてダンスにのせ
て送る、おかしくて楽しくて感動的な昭和の庶民の物語。
紀伊國屋サザンシアター
●『ミス・サイゴン』 (東宝)
出演/市村正親 筧利夫 橋本さとし 別所哲
笹本玲奈 知念里奈 新妻聖子 松たか子
他
陥落寸前のサイゴン。フランス系ベトナム人。通称「エ
ンジニア」の経営するキャバレーで、アメリカ兵クリス
と17才のベトナム人少女キムとの出逢い。戦争という
極限の中に咲いた「純粋なる愛」のミュ ージカルです。
帝 劇
●『ザ・パイロット』(俳優座)
作/宮本研 演出/安川修一
出演/大塚道子 他
創立60周年公演。宮本研「ザ・パイロット」を40年
ぶりに再演します。長崎に原爆を投下した米軍パイロッ
トと長崎の被災を受けた人々を描くこの作品は当時様々
な話題をよびましたが、自衛隊のイラク派遣問題が現実
になった現在、この作品の上演はますます意 味を持っ
てくるように思われます。
俳優座劇場
●『夜の笑い』
(秋田雨雀・土方与志記念青年劇場)
作/島尾敏雄 脚色/飯沢匡
演出/松波喬介
出演/未定
創立40周年・飯沢匡没後10周年の記念公演として上
演する。1978年に初演され、第13回紀伊國屋演劇
賞・団体賞、第13回東京労演賞、第20回毎日芸術祭賞
を受賞。1980年にはフィレンツェ国際演劇祭に招か
れ、絶賛を博した。「授業中にアンパンを食ったら死刑」
という不条理の世界に、観客を連れ込む飯沢喜劇が再び
蘇る。
紀伊國屋サザンシアター
●『夜からの声』 (地人会)
作/山田太一 演出/木村光一
出演/風間杜夫 倉野章子 花王おさむ
西山水木 佐古真弓 長谷川博己
週に一度「いのちの相談室」ならぬ電話で他人の悩み
をひたすら聞き、必要なら病院や弁護士などを紹介する
というボランティア活動をしている男の家。ある日応対
した男性が、自殺してしまい、その妻が最後に夫が何を
話したのか、あげくのはてには夫の自殺の原因は、最後
に話したその男にあるのではないかォュと、やって来て
……。
紀伊國屋ホール
●『チェーホフ的気分』 (昴)
作/ユーリー・プイチコフ 訳/中本信幸
演出/菊池准 出演/牛山茂
ほか
「チエーホフの私生活の歴史から」という副題をされ
たこの戯曲は、ロシア国立メリポポ・チェーホフ博物館
館長であり、著名な芸術学者、チェーホフ研究の第一人
者でもあるユーリー・ プィチコフが執筆。チエーホフ
を取り巻く交遊を通して作家生涯の物語を描いた作品で
す。
三百人劇場
●『宴会泥棒』(NLT)
作/レンゾ・スカルニッチ
脚色・演出/釜紹人
出演/林与一(客演) 川端槇二 加納健二
渡辺力 池田俊彦 高越昭紀 目黒幸子
田中麻樹
ナポリの裏町にあるアパートの一部屋。この家の主、
オニーダ氏の職業はなんと泥棒。泥棒といっても結婚
披露宴やパーティーに出かけて行き、料理を特製ポケッ
トに入れて持ち帰ってくるという。本人は罪の意識もな
く、そこでの宴会を大いに盛り上げる立派な職業だと思
っているらしい。
そんなレオニーダだが、大家族を養うには今の仕事だけ
では間に合わず、あることを思いつく…。
博品品館劇場
●『踏台』 (文学座)
作/水谷龍二 演出/鵜山仁
出演/角野卓造 田村勝彦 たかお鷹
渡辺徹 他
団塊世代の踏ん張りを描いて、大きな話題と好評を得
た「缶詰」。「踏台」は、「缶詰」のその後が展開される。
団塊三人組(角野、田村、たかお)に加えて渡辺徹が
参戦。前作で頂点からどん底に落ち、製靴会社を去った
三人。
仲良く?三人で清掃会社に再就職し、社員が帰った後、
夜な夜な昔を思い出しオフィスで遊ぶおじさん達。ひょ
んなことから……。
紀伊國屋サザンシアター
●『楽劇 オイディプス王』
(幹の会+リリック)
作/ソポクレス 訳/福田恒存
演出/平幹二朗
出演/平幹二朗 鳳蘭 原康義 渕野俊太
深沢敦 後藤加代 藤木孝 坂本長利
「オイディプス王」は、ギリシャ悲劇の中でも最高傑
作といわれる作品です。このたびは装いも新たに、旅芸
人の一座がニューヨークハーレムで上演する「オイディ
プス王」をご覧いただきます。古代も現在も全く変わら
ない人間の営みと運命。ギリシャ悲劇役者の第一人者で
ある平幹二朗の演出・主演により、古典悲劇が新しく感
動的に現代に蘇ります。
紀伊国屋サザンシアター
●『空(そら)』 (青年座)
作/福島三郎 演出/宮田慶子
出演/高畑淳子 長谷川稀世
増子倭文江 津田真澄 那須佐代子
小林さやか 椿真由美 佐野美幸
青年座創立50周年記念公演の最後を飾る。底なしの
済不況が続く日本。
失業率は上昇を続け「女性ホームレス」が急激に増え
続けている。彼女たちは、男性中心のホームレス社会か
らその身を守り安眠できる場所として、地下トンネルに
生活の場を求めた。やがてそこはホームレス・ウーマン
たちの聖地と化していった。ォ。ュ
本多劇場
●『顔見世大歌舞伎』 (松竹)
出演/芝翫 吉右衛門 雁治郎 團十郎 富十郎
仁左衛門 他
歌舞伎座
●『十二人の怒れる男たち』
(俳優座劇場プロデュース)
作/レジナルド・ローズ 訳/酒井洋子
演出/西川信廣
出演/山本亘 浜田寅彦 三木敏彦 荘司肇
鵜澤秀行 立花一男 井上倫宏
里村孝雄 他
開場50周年の棹尾を飾る不朽の名作。
1998年の公演から6年振り、待望の上演!
俳優座劇場
●『浅草物語(仮題)』(民藝)
作/小幡欣治 演出/高橋清祐
出演/奈良岡朋子他
小幡欣治書き下ろし、奇妙な家族の巻き起こす抱腹絶倒
の喜劇です。舞台は関東大震災から束の間の平和をへて太
平洋戦争へ。家族の幸せは?そして人生の行く末は?いま
「昭和」とは何かを問い直す作品です。
三越劇場
|