東京労演
   2011年 上半期 作品紹介
      
1月 2月 3月 4月 5月 6月
 
    一     月  
 
●『初春景(はるげしき)江戸(えどの)人情(やさしさ)』  (前進座)


「江戸の正月」
構成・演出/鈴木 龍男
出演/松浦豊和 柳生啓介 寺田昌樹 高橋祐一郎 上滝啓太郎
   西川かずこ 小林祥子 黒河内雅子 平澤愛
江戸のお正月や物売りの様子、江戸の庶民のエコな長屋生活を女優陣による踊りなど、お正月らしさあふれる盛りだくさんの宝船。

「くずーい屑屋でござい」
台本・演出/鈴木幹二
出演/柳生啓介 横澤寛美 有田佳代 高橋祐一郎 松浦豊和

 昔、江戸の町に正直者清兵衛という働き者の屑屋さんがおりました。
ある日のこと、いつものように裏長屋を回っておりますと、武家女房の千代とその娘しづから呼び止められ、家に代々伝わる仏像を買って欲しいと頼まれます。
屑屋さんは、二百文で引き取り、高く売れた時には、そのもうけを半分にと約束。
屑屋が仏像をもって、白銀の細川屋敷の窓下を通りかかると、高木佐太夫という若侍の目にとまり、仏像はすぐに三百文で売れたのです。 ところが、仏像の中から出てきたものは・・・
 
●『リア王』 (俳優座)

作/W・シェイクスピア 訳/小山田雄志 台本・演出/安川修一
出演/中野誠也 井上薫 佐藤あかり 大田亜希 西川竜太郎 川井康弘
   三浦英明 八柳豪 星野元信 河野正明 若井なおみ 谷部史年 他

 ブリチンの王・リアは、高齢のために退位するにあたって、3人の娘に国を分割して与えることにする。
長女ゴネリルと次女リーガンは言葉巧みに父王を喜ばせるが、末娘コーディーリァの率直な物言いに、 激怒したリアはコーディーリァを勘当し、コーディーリァをかばったケント伯も追放される。
コーディーリァは勘当された身でフランス王妃となり、ケントは風貌を変えてリアに再び仕える。

 リアは先の約束通り、2人の娘」ゴネリルとリーガンを頼るが、裏切られ荒野をさまようことになり、次第に狂気にとりつかれていく。
リアを助けるため、コーディーリァはフランス軍とともにドーバーに上陸、父との再会を果たす。
だがフランス軍は敗れ、リアとコーディーリァは捕虜となる。
ケントらの尽力でリアは助け出されるがコーディーリァは獄中で殺されており、娘の遺体を抱いて現れたリアは悲しみに絶叫し世を去るのだった。

 1月13日〜18日 俳優座劇場


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    二     月  
 
●『ファッションショー』      (民藝)
作/木下順二 演出/内山鶉
出演/箕浦 康子 仙北谷和子 塩屋 洋子 杉本 孝次 吉岡 扶敏 
   戸谷  友 青木 道子 庄司 まり 内田潤一郎 岡山  甫

 不老長寿は人類の見果てぬ夢……。しかし超高齢化社会の現実では長生き必ずしも幸福ではない?
  国の年金も当てにならず、穏やかな老後の生活、人生の終着駅はどこにあるのか。
老人たちがおカネだけを頼りに思うのも無理はない。
大空てるは戦中戦後の貧しさを生抜いてきた老女。高卒で働き始め、爪に火をともすように節約を重ね、定年の時には終の棲家と二千万円という金を手にする。
老後は安泰と思いきや詐欺師に虎の子を盗まれ、てんやわんやの大騒動に――。
 怪しげな古着商や元警官、自称女優の間借り人やてるの幼なじみも巻き込んで、おカネという魔物が次々と手から手へ渡っていく。
てる達三人組のきずな、再生への道はいずこに。
 1月22日〜2月9日 俳優座劇場


●歌舞劇ロマン『カンアミ伝』    (わらび座)
作・演出/中村哮夫
出演/安達和平 戎本みろ 丸山有子平野進一 遠藤浩子 他
   

現在の能狂言を大成し、全国各地に伝わる郷土芸能の源流をつくった観阿弥と世阿弥の親子の関係を軸に現代社会で失われてしまった家族の絆、 親と子の愛情を描きながら、スケールの大きな生き方をした人間の苦悩と困難、挑戦し続ける志を描く。       シアター1010


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    三     月  
 
●『日本人のへそ』             (こまつ座)

作/井上ひさし 演出/栗山民也 音楽/小曾根真
出演/石丸幹二 笹本玲奈 辻萬長 たかお鷹 他

 登場人物は全員が吃音症患者。自分たちが吃音症になったのかを劇に仕組み、演じることで心理的な障害を取り除き、治療に役立てるという革命的な治療法に挑む。
ヘレン天津はもと浅草のストリッパー。東北の農村に生まれた彼女は、集団就職で上京。ロマンチックな幸福に憧れてやってきたが、都会での生活はクリーニング屋を振り出しに、美容院、パチンコ屋を経て、バー、キャバレー、トルコ風呂、そして浅草のストリップ小屋に。
ヘレンのこの波乱に満ちた半生を題材にとり、唄や踊りやコントを交えて繰り広げられる治療劇は、彼女がついに日本のボス=政治家の情婦になる場面で最高潮を迎えるが、その時、世にも恐ろしい出来事が。

            シアターコクーン


●『炎の人』             (無名塾)

作/三好十郎 演出/鵜山仁
  出演/仲代達矢 他

 炭鉱地で宣教師として布教活動をしていたゴッホは、爆発事故後、労使交渉の代表として奔走するのだが、会社側の依頼で視察を行った牧師によって、ストライキを煽動しその先頭に立っていると認識され解職される。
その後、絵を描くことに没頭するゴッホは、「ホントの人間が描きたい」「ホントの自然が描きたい」と、日夜葛藤するのである。
貧乏人の家庭に生まれ、貧乏人として描いた彼の絵は、生涯たった一枚しか売れなかった。そんな彼の生活を支えていたのは、弟のテオであった。

            サンシャイン劇場


●『ハムレット』             (東 演)

作/シェークスピア 訳/佐藤史郎
演出/V・ベリャコーヴィッチ
  出演/笹山栄一 南保大樹 能登剛  他

 今回も斬新な、光と音楽、俳優の肉体を駆使した舞台。 運命に立ち向かうハムレットの苦悩や、友情、親子の絆、猜疑心に苛まれる彼の内面的心理は写実的セリフのみで表現するには余りに膨大すぎて、むしろベリャコーヴィッチ演出による、まさにスペクタクルとしての心理の表出を舞台いっぱいに展開することでダイナミックな『ハムレット』が実現します。
今回も斬新な、光と音楽、俳優の肉体を駆使した舞台。運命に立ち向かうハムレットの苦悩や、友情、親子の絆、猜疑心に苛まれる彼の内面的心理は写実的セリフのみで表現するには余りに膨大すぎて、むしろベリャコーヴィッチ演出による、まさにスペクタクルとしての心理の表出を舞台いっぱいに展開することでダイナミックな『ハムレット』が実現します。

             本多劇場




 
    四     月  
 


●『帰れ、いとしのシーバ』       (民 藝)
作/ウイリアム・インジ 訳/丹野郁弓 演出/兒玉庸策 出演/樫山文枝 西川明
 
 アメリカ中西部の小さな街が舞台。ドックとローラの夫婦はそろそろ中年を過ぎようとしている。
一見しあわせそうにみえる二人の生活も対話が進むにつれ、それぞれの現状認識のズレ、内にかくした淋しさ、孤独が垣間見えてくる。
恋に落ち若く結婚したのだが、彼らが夢見た輝かしい世界は無残にもくずれてしまった。
ドックが目指した医者への道はかなわず、2人は子供も失った。
妻ローラは自分の気持ちを子犬シーバだけにそそぐようになってしまった。
二人の過去が、一見なんの変哲もない現実の生活と交錯して推理劇風に展開される。
紀伊國屋サザンシアター


●『カシオペアの丘で』                            (演劇集団円)
作/重松清 脚色・演出/土屋理敬
出演/田原正治 上杉陽一  小松エミ 岸昌代 細越みちこ 他

1977年、かつては栄えた北海道の炭鉱の街に住む4人の同級生は、打ち上げられたばかりのポイジャーを見つけようと、秋の夜、廃坑跡の丘に登る。ポイジャーは見つけられなかったが満天の星空の中、名もないその丘をカシオペアの丘と名づけこの丘に遊園地を作ろうと約束する。
 それから30年、丘には遊園地が出来ていた。かつての同級生4人が、丘に集いそれぞれの人生を見つめ直すことになる。高度成長期から現在までの日本社会の変化の中で、必死に誠実に生きてきた彼らの記録。
ステージ円




 
    五     月  
 

●『をんな善哉』     (青年座)

作/鈴木聡 演出/宮田慶子
出演/高畑淳子 他
 
 東京下町に古くからある「おしるこ屋」、主人公の女性は50歳半ばの独身。
のちにバブル景気といわれた1980年代には、広告代理店でバリバリ活躍したキャリアウーマンだったが、どういう理由からか、現在は、亡くなった両親が残した下町の小さなおしるこ屋をたった一人で営んでいる。
そんな時、おしるこ屋がある商店会の存続に関わる大事件が起こる……。
紀伊國屋サザンシアター


●『月光の海 ギタラ』
                   (俳優座)

原作・脚本/毛利恒之  演出/藤原留香
出演/加藤剛 頼三四郎 他

(あらすじ)  沖縄の孤島、黒潮洗う白い壁(ギタラ)で何が起きたのか。
米軍艦船への体当たりに失敗した若き特攻隊員は、不時着後、苛酷な運命に翻弄される。
迫る米軍の上陸、自決か捕虜か。あの遠い夏の日の“愛と死のドラマ”が甦る。
戦後半世紀、秘めてきた苦悩の足跡を追う、感動小説の舞台化です。

  紀伊國屋ホール



●『唐茄子屋』『秋葉権現廻船噺』
                   (前進座)


「唐茄子屋」
  脚本/平田兼三 演出/香川良成
出演/中村梅之助 嵐圭史 藤川矢之輔 河原崎国太郎 嵐広也 他

 放蕩の末、勘当された大店の若旦那を通して描く、長屋の暮らし、あたたかい日本人の心意気……

「秋葉権現廻船噺」 作/竹田冶蔵
白波五人男のルーツといわれる幻の痛快歌舞伎を、76年ぶりに復活上演

出演/梅之助 圭史 矢之輔 国太郎 芳三郎 いまむらいづみ 他

      5月12日〜24日   国立劇場大劇場




 
    六     月  
 

●『骸骨ビルの庭』      (文化座)


原作/宮本 輝 脚本/小松幹生 演出/黒岩亮
出演/阿部勉 津田二朗 青木和宣 田村智明 米山実 白幡大介 有賀ひろみ 他

   大阪は十三(じゅうそう)にある通称・骸骨ビル。戦後のある時期から戦争孤児たちが住み着き、ビルの持ち主である 復員兵の阿部徹正と友人の茂木泰造により、混乱と貧しさの時代を育て上げられてきた。
 そして平成6年。ビルの明け渡しを迫られている老いた茂木や中年となった孤児たちであるが、 不遇のうちに死んだ恩人・阿部徹正に掛けられた汚名を晴らすため、骸骨ビルから出ようとしなかった。
彼らを立ち退かせる任を負い管理人としてやってきた八木沢省三郎は、一癖も二癖もある住人たちと交流する中で、 かっての二人の青年と孤児たちの歩んできた人生、そして実の親子以上の深い絆を知るのだった。
阿部は何故、そして突如にして、縁もゆかりもない子供たちを育てるに至ったのか!

紀伊國屋サザンシアター



●『子供騙し』
           (トム・プロジェクト)

作・演出/水谷龍二
出演/高橋長英 篠井英介 冨樫真

 2002年に初演され緒形拳、篠井英介、冨樫真の出演で好評を得た作品。
その後2002年と2004年に再演され全国各地で好評を得た。今回、緒形の役を高橋長英が引き継いで上演する。
  紀伊国屋ホール


●『帰還』      (民 藝)


作/坂手洋二 演出/山下悟
出演/大滝秀治 他

   男は帰ってきた。その集落に。故郷でもない、何十年も訪れたことのない、その場所に。
それは、青春の記憶の中にのみ残っているその場所が、新たに建設されるダムに沈むことを知ったからだ。
男が記憶の外の追いやり、封印してきた歴史……。

紀伊國屋サザンシアター