東京労演
   2013年 下半期 作品紹介
7月 8月 9月 10月 11月 12月
 
    ◎  七   月
 
●『二都物語』 (東 宝)

   原作/ディケンズ 脚本・作詞作曲/サントリエロ
   翻訳・演出/鵜山仁
   出演/井上芳雄 浦井健治 すみれ 浜口めぐみ 橋本さとし 他

 18世紀後半、イギリスに住むルーシー・マネットは、17年間バスティーユに投獄されていた父ドクター・マネットが酒屋の経営者ドファルジュ夫妻に保護されていると知り、パリへ向かう。
父娘でロンドンへの帰途の最中、フランスの亡命貴族チャールズ・ダーニーと出会うが彼はスパイ容疑で裁判に掛けられてしまう。
 そのピンチを救ったのはダーニーと瓜二つの酒浸りの弁護士シドニー・カートン。
3人は親交を深め、ダーニーとルーシーは結婚を誓い合う仲となる。密かにルーシーを愛していたカートンだが、2人を想い身を引くことに……。
 しかしダーニーは昔の使用人の危機を救おうと祖国フランスに戻り、フランス革命より蜂起した民衆たちに捕えられてしまう。
再び裁判に掛けられたダーニーだったが、そこで驚くべき積が判明し、下された判決は死刑。ダーニーとルーシーの幸せを願うカートンはある決心をし、ダーニーが捕えられている牢獄へと向かうが……。
             (帝国劇場)

●『ワーニヤ伯父さん』  (円)
                        (シアターウエスト)
   作/A・チェーホフ
   台本・演出/内藤裕子
   出演/金田明夫 高林由紀子 岡本瑞恵 藤田宗久 上杉陽一 吉見一豊 他

 ワーニャは姪のソーニャとともに寸暇を惜しまず懸命に働き、領地からあがった大半の収入を亡くなった妹の夫であるセレブリャコーフに送金してきた。
彼は輝くばかりの存在であり、誇りだったからだ。
退職後、後妻のエレーナとワーニャたちの屋敷に起居しはじめる。
やがてワーニャは尊敬していた教授が俗物に過ぎない老人に思え失望するが、若くて美貌なエレーナに魅了されていく。
 友人の医師アーストロフも彼女にひかれ、屋敷に通うようになる。
寝食を忘れて働き通しだったアーストロフにとっては森への思い、その再生に心血を注ぐことが唯一の生きがいだった。
ソーニャはそんな彼を慕うようになったのだが……。
セレブリャコーフは屋敷の人を集め提案をする。
領地を売って、その金で新たな生活を始めたいというのだ。激昂するワーニャは老教授にピストルを撃ってしまう――。
  教授とワーニヤがそれぞれ和解の言葉を述べ、教授夫妻はハリコフへと去って行く。
残ったワーニヤとソーニャはたまっていた仕事に取り掛かる。つらい胸のうちを訴えるワーニャにソーニャが優しく語りかける。
            (シアターウエスト)


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    ◎  八   月
 

●『三婆』     (松竹・新派)

 原作/有吉佐和子 脚本/小幡欣治   演出/齋藤雅文
 出演/波乃久里子 水谷八重子 沢田雅美 佐藤B作 他

 金融業者の武市浩蔵が妾の駒代の家の風呂場で倒れ、ぽっくり死んだ。
知らせを受けた本妻の松子と故人の妹タキが駆けつけてきた。松子はうろたえる専務の尻を叩き、通夜の場を本宅へ移してしまった。

 裸一貫で事業を創った浩蔵だが死んで借財だけが残り、その返済のため渋谷のタキの家と本妻の裏庭の一部が売却され松子の住む家だけが残った。
ところがある日、突然タキが松子の家に引っ越してきた。タキは、故人の妹は本妻と同等かそれ以上の相続があるものと信じ、居座るつもりである……さらに駒代も、新橋に料理屋を開業するまでの一ヶ月間、部屋を貸して欲しいと申し込んだきた  こうして肚に一物もった℃O人の婆“が一つの屋根の下に住むことになったのだが……。

                (三越劇場)


●『花はらんまん』   (NLT)

 作・演出/池田政之 
 出演/司葉子星由里子 あした順子 阿知波悟美 井上純一 平松慎吾 杉山美穂子 他
 
 初老の花岡華子は、訳あって一人になってしまった。生きていくために見つけた働き口は、セレブ棚橋家の家政婦。主の貞之はいつも家に居ず、妻の容子もパーティで留守がち。長男の瞬も家に寄りつかず、長女でまだ高校生の有須は不登校の引き籠りで、家の中は暗い雰囲気。 家を管理しているのは先輩の家政婦の雪子、月代の二人だが、これも横着を絵に描いたような老女であった。華子は持ち前の明るさとバイタリティーから、家の中を見違えるように変えていき、有須の不登校も治そうと、立ち上がる。 それは雪子、月代も巻き込んで有須を高校のダンスコンテストに出演させることであった。さあ、老女三人と、有須のダンス特訓が始まった。
 平均寿命は延び、年は取ってもみんな元気である。年寄りだからと隅へ追いやらず、経験を積んだ者だから出来る仕事はあるはずである。 笑って、泣いて、踊る熟練人間への応援歌!観客と共に元気になるお芝居です。
      (三越劇場)

 ●『はだしのゲン』  (木山事務所)

    原作/中沢啓治
    脚本・演出/木島恭
  出演/小野文子 大宣見輝彦 橋本千賀子 広瀬彩 女部田裕子 前田昌明 他

 1945年8月6日、広島上空にアメリカの爆撃機B29が飛来し「原子爆弾」が投下され、ゲンは父・姉・弟の焼死を目の当たりにするしかありませんでした。
ゲンは母と焼け跡の中で生まれた妹とともに、「この戦争は間違っている」と言い続けた父親の気性を受け継いで、青麦のように真っ直ぐな心のままに生抜いていきます。

 1996年の初演以来、日本国内のみならずニューヨーク、ソウル、ぽーランド、ロシアと海外でも大きな反響を呼び、今年で436ステージになります。
今年は被爆から68年。日本の上京も世界の上京もめまぐるしく変わる今日にあって、『はだしのゲン』は、過去を振り返り現在を見つめ未来を望む作品です。
私たちがかつて失ったものは何か、現在に続く悲しみとは何か、そして明日の希望とは何か?観劇したみなと体験しましょう。
     (俳優座劇場)


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       ◎  九    月


●『集金旅行』  (民 藝)
  原作/井伏鱒二 脚本/吉永仁郎
  演出/高橋清祐   出演/樫山文枝 箕浦康子 水谷貞雄 小杉祐二西川明 他
     
 昭和文学の巨匠井伏鱒二作品が民藝に初登場。 荻窪のアパートの経営者が多額の借金を抱えたまま病死。残されて当惑した住人たちは窮余の一策を……。 飄逸と哀愁を交えた筆致で市井の人々を描き多くの読者を持つ井伏文学を”静かな喜劇“として舞台に展開します。

         (紀伊国屋サザンシアター)


●『三人姉妹』 (俳優座)
 原作/A・チェーホフ   翻訳・演出/森一
    出演/青山眉子 片山万由美 執行佐智子 天野眞由美 他

 鐘が鳴った。その女は黙って腰を下ろして静かに本を開いた。
導かれるように他の女たちが現れる。
悲しむように、豊かに、時に激しく。
女達の三人姉妹が始まる。

 モスクワから東に1600`、ウラル山脈の山麓に父親の赴任に伴って首都モスクワから移り住んで来た3人の娘達。
華やかであった生活とは違い、静かで退屈な田舎暮らし……見果てぬ夢モスクワ。
そこへモスクワからの連隊がやって来る。
“いつかモスクワへ”と強く望む姉妹たちであった。そして時も経ち、レンチも町を去る日がやってくる……。
 この物語は娘達の「青い鳥」を狂おしいまでに追いかける希望と絶望と現実のドラマである。
   (俳優座5F稽古場)

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       ◎   十    月 

 

●『GO』   (文化座)
  原作/金城一紀 脚本/水村清朔
  演出/岡安伸治
  出演/佐々木愛、高村尚枝、米山実、青山真利子、長束直子、高橋未央
     水原葵、春稀貴裕、梅田崇、皆川和彦、藤原章寛、筆内政敏、為永祐輔、小林容典、斉藤直樹
   
 在日韓国人の杉原は、日本の普通高校に通う3年生。父親に叩き込まれたボクシングで、ヤクザの息子の加藤や朝鮮学校時代の悪友たちとケンカや悪さに明け暮れる日々を送っている。
朝鮮学校時代は「民族学校開校以来のばか」と言われ、社会のクズとして警察にも煙たがれる存在だった。
ある日、杉原は加藤の開いたパーティで桜井という風変わりな少女と出会い、ぎごちないデートを重ねながら少しずつお互いの気持ちを近づけていく。
そんあ時、唯一の尊敬できる友人であった正一が、些細な誤解から日本人高校生に刺されて命を落とす。親友を失ったショックに愕然としながらも、同朋の敵討ちに向かう仲間には賛同できない杉原は桜井に救いを求め、勇気を振り絞って自分が在日であることを告白する--。

  2013年10月19日〜24日 東京芸術劇場 シアターウエスト


●『婦系図』 (松 竹)
  作/泉鏡花 演出/成瀬芳一
  出演/市川笑三郎 市川月乃助 市川春猿 他

 ドイツ語学者の早瀬主税と元芸者のお蔦は相思相愛で、一緒に暮らしはじめました。
しかし恩師、酒井俊造には内緒であり、人目を忍んでの生活ではありましたが、姉芸者小芳の助けもあり、二人はつつましくも幸せに暮らしています。
 一方、酒井の娘妙子に河野英吉との縁談話が持ち上がります。河野家は家柄を鼻にかけながらも、内情は乱れており、河野家の不遜な態度につけても主税は不愉快でした。
 お蔦と主税のささやかな生活は、やがて酒井の知るところとなります。
「女を捨てるか、俺を捨てるか」と真剣に迫る境に、主税は心を決めるのでした……。

      2013年10月11日(木)〜10月21日(日) (三越劇場)

●『裏小路』   (トム・プロジョクト)
  作・演出/中津留章仁
  出演/吉田栄作 秋野暢子 吹上タツヒロ 辻井彰太 下條アトム

最近の生徒は根性がない
体罰? それの何処がいけないんだ?
虐めはなくならない
人は差別したい生き物だ
社会に出ても勝者と敗者が決まっている
人間は平等じゃない
虐めをなくそうなんて生徒に言っている
自分が空しくなる
いじめはなくならないよ
私、若い頃、虐められてました
空気
ノリ
集団心理
学校は親の顔色ばかり伺う
親も悪い
学校はビジネスだ
イメージが大切
民主主義とは、マイノリティの存在は
無視して良いということだ
生徒に意見なんてない
ただ空気を読むだけだ
尊厳
教育
怠惰
放棄
撲滅
  
     2013年10月17日〜20日   (紀伊國屋ホール)

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       ◎   十 一    月       



●『レ・ミゼラブル』 (東宝)
 原作/ヴィクロル・ユゴー 演出/ローレンス・コナー
  出演/福井昌一 吉原光夫 知念里奈 和音美桜 里アンナ 他
       
【プロローグ】
  1815年、ツーロン
 19年間投獄されていたジャン・バルジャンは、ジャベールから仮出獄を言い渡される。
 世間の冷たさにバルジャンの心は荒み、銀の食器を盗んで逃げようとする。
 司教に人としてのあり方を諭され、バルジャンは過去を捨て新しい人生を生きようと決める

  1823年、モントルイユ・シュール・メール
 マドレーヌと名を変えたバルジャンは、市長の地位を手にしていた。彼の経営する工場では、日々の暮らしに精一杯の貧しい人々が大勢働いている(♪一日の終わりに)。
 その一人ファンテーヌは、仕事仲間との喧嘩騒ぎでクビになってしまう(♪夢やぶれて)。
 人に預けた娘コゼットの養育費のため、港で身を売るようになったファンテーヌ(♪ラブリィ・レディ)。
 そこでも客と騒ぎを起こし、警察に逮捕されそうになったところをバルジャンに救われる。

  馬車が暴走し下敷きになった男をバルジャンが助ける。
 その様子を見ていたジャベールは市長がバルジャンではと疑いを抱く。
 だが翌日には、バルジャンと言われる男が法廷で裁かれることになっている。
 それを聞いたバルジャンは苦悩の末、男の無実を晴らすべく裁判所に現れて自らの正体を明かす。

【エピローグ】
  祈りを捧げるバルジャンの前にファンテーヌの魂が現れ、神のみもとへと誘う。
 死の時を迎えたバルジャンは、マリウスと共に駆けつけたコゼットに本当の父娘ではないと告げ、告白の手紙を渡す。
 ファンテーヌとエポニーヌの魂に導かれ神の国へ旅立つバルジャン。告白の手紙に涙するコゼットとそれを支えるマリウスを包むのは、神の国で救いを得た亡き人々の想いであった。

          2013.11/10〜11/25     帝国劇場

●『もしも終電に乗り遅れたら』  (俳優座劇場)
 作/アレクサンドル・ヴァムビーロフ
  演出/菊地准 
    出演/浅野雅博、小田伸泰、外山誠二、逢笠恵祐、岩崎正寛
     若井なおみ、米倉紀之子、林 亜沙子、槙乃萌美、里村孝雄

    凍えそうな春の夜。最終電車に乗り遅れたブスイギンとシーリワ。
 なんとか泊めてもらおうと近くの家を片っ端からノックするが、けんもほろろに断られる。
 やっと入りかけた家でも青年に強盗とうたがわれシーリワはとっさに嘘を口走る。
 「この男は君の兄貴なんだ!」崩壊寸前のサラファーノフ一家は、テキトーな二人の言葉を真に受けて、事態はあらぬ方向へ走り出す!!
 みんなマジメで、ちょっと変?!ウソでホントの「家族」の喜劇。どうぞご期待ください。

     2013年 11月16日(土)〜20日(水) (俳優座劇場)

●『気骨の判決』  (俳優座)
 作/竹内一郎
 演出/川口啓史 
    出演/岩崎加根子 可知靖之 遠藤剛 河原崎次郎 中寛三 香野百合子 他

    太平洋戦争中の昭和17年、東条総理大臣の元、国政に全面的に賛成する議会を作るべく総選挙が行われた。
 政府への批判は非国民とされ露骨な選挙妨害が相次ぎ、各地から選挙無効の訴えが大審院に持ち込まれた。
 他の民事部が原告敗訴の判決を出す中、正義を求め続けた男がいた・・・大審院第三民事部長(裁判長)吉田久。
 政府の圧力に屈することなく、真実を見つめた一人の裁判官と彼を支えた家族の物語。
 2009年にNHKでドラマ化され大きな反響を呼んだ感動作を宅内一郎氏の書き下ろしで舞台化する!

     2013年 11月16日(土)〜24日(日) (紀伊国屋ホール)

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       ◎   十 二    月      

 

●『八月の鯨』  (民 藝)
  作/デイヴィッド・ベリー  訳・演出/丹野郁弓
  出演/奈良岡朋子 日色ともゑ 篠田三郎 他

  リビーとサラの姉妹は毎年、アメリカ・メイン州沿岸の島にあるサマーハウスで夏を過ごすことにしている。
 1954年の8月、鯨の訪れを心待ちにする姉妹だが、もう昔のように鯨がこの島にやってくることはない。
 目が不自由になった姉のリビーは、他人に依存しなければ生きてゆけない自分に腹を立てていた。
 ますます気難しくなった彼女には、面倒見のいい妹のサラもさすがに手を焼く始末。
 そんな頃、幼なじみのティシャがサラにある提案をする。
 リビーを施設に預けて自分と暮さないか、と言うのだ。迷うサラ。
さらにロシアの亡命貴族マラノフの登場で姉妹の間には微かな波風がたつ……。
あとは野となれ山となれ
             2013年10月11日(木)〜20日(木) 三越劇場

●『あとは野となれ山となれ』  (トム・プロジェクト)
  作/水谷龍二  演出/高瀬久男
  出演/竹下景子 宇梶剛士 岸田茜

  主婦にも定年があって然るべきだ。赤城万里子55歳。
ようやくその時が来た。万里子は離婚覚悟で家を飛び出した。行き先は決まっていた。 十年前から贔屓にしていた旅一座である。
2011年10月例会で取り上げ好評を博した作品の再演。


             2013年10月11日(木)〜20日(木) 三越劇場

●『渇いた太陽』  (東宝)
  作/テネシー・ウィリアムズ  演出/深作健太
  出演/浅岡ルリ子 上川健太 他

  大女優アレクサンドラは、次第に美貌が衰え、人気も無くなり、映画界に嫌気がさして失踪してしまいます。
彼女はビーチボーイをしていたチャンスと出会い、彼を付き人に雇い、南部の町セントクラウドへ逃避旅行に出かけます……。


             2013年12月21日(土)〜29(日) シアタークリエ


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