味覚障害の治療で使用される薬 横浜・中川駅前歯科
味覚障害の治療で使用される薬味覚障害の治療では、亜鉛や鉄を含んだ薬、漢方薬、神経を活性化させる薬などが使用されます。


●亜鉛製剤、サプリメント
味覚障害の治療では最も多く使用されます。適応症例を選んで、適切に治療をおこなえば、亜鉛製剤、サプリメントの内服により7割前後の人に改善がみられます。効果はすぐに現れるのではなく、1〜3ヶ月後に現れます。

1日の亜鉛の摂取量は成人男性で12mg、成人女性は9mgとされていますが、味覚障害がある場合は医師、歯科医師の指導のもとで多めに亜鉛を摂取するようにします。亜鉛を補充するための薬、サプリメントには下記があります。


1)プロマック(プロマック顆粒15%、プロマックD錠75)
病医院で処方が可能な亜鉛を含んだ薬です。名前は「胃(stomach、ストマック)を守る(protect、プロテクト)」に由来します。胃潰瘍治療薬のため、味覚障害には保険適応されません。常用量では1日に亜鉛34mgが摂取できます。

 プロマック  味覚障害の薬 亜鉛製剤・プロマック

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2)アエンダM  当クリニックにて販売
プロマックの亜鉛成分(ポラプレジンク)を製薬会社に提供している企業が開発したサプリメント。
身体に吸収されやすいように亜鉛にグルコン酸を混ぜ「グルコン酸亜鉛」として錠剤にしています。セレン、クロムなど他の金属が含まれていないのが特徴です。1錠に亜鉛10mgが含まれ、症状に応じて1日1〜3錠を服用します。


3)その他
各社より亜鉛のサプリメントが販売されています。多くは亜鉛に加えてセレン、クロムなどの他の金属が含まれています。


 アエンダM アエンダM    DHC亜鉛 DHC亜鉛    からだにしっかり届く亜鉛(ファンケル) からだにしっかり届く亜鉛

亜鉛の摂りすぎは、銅の吸収を阻害する恐れがありますので、過剰摂取にならないよう注意が必要です。クロムは、過剰摂取により金属アレルギーを発症することがごく稀にあります。

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●唾液分泌促進薬
味覚障害の患者さんの3割が口の中の乾燥を感じており、味覚障害の治療をおこなううえで、唾液のコントロールは重要となります。唾液の分泌を促す薬のほか、口の中の乾燥感を和らげるため、保湿剤が配合された洗口液(うがい薬)やスプレーが使用されます。

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漢方薬
ドライマウス、舌痛症など口の中の病気を原因とする味覚障害、心因的な病気を原因とする味覚障害では、漢方薬が効果的なことがあります。

柴朴湯、小柴胡湯、黄連解毒湯、補中益気湯、白虎加人参湯などは亜鉛を含みますが微量のため、漢方薬の味覚障害に対する効果は、亜鉛によるものではないとされています。

漢方薬は一部の歯科、耳鼻咽喉科、内科などで処方されます。味覚障害に効果のある漢方薬としては下記があります。


1)柴朴湯(さいぼくとう)
味覚障害の第1選択として使用されることが多い漢方薬。妊娠初期やつわり後の味覚障害にも使用されます。抗炎症、鎮静、唾液分泌促進作用があります。

2)小柴胡湯(しょうさいことう)
風邪など急性の病気に伴う味覚障害で、口の中が苦いと感じるときに使用されます。放射線治療後の味覚障害にも使用されます。

3)黄連解毒湯(おうれんげどくとう)
高血圧、胃炎、肝炎など、慢性の病気に伴う味覚障害で、口の中が苦いと感じるときに使用されます。口の中の炎症後の味覚障害にも使用されます。抗炎症、鎮静、止血効果があります。

4)竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)
高血圧、胃炎、肝炎など、慢性の病気に伴う味覚障害で、口の中が酸っぱいと感じるときなどに使用されます。

5)補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
急性あるいは慢性の病気に伴う味覚障害で、味を感じにくいときなど使用されます。

6)白虎加人参湯(びゃっこかにんじんとう)
ドライマウス(口腔乾燥症)による味覚障害に使用されます。


他に柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう)、半夏厚朴湯(はんげこうぼうとう)、十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)、半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)、六君子湯(りっくんしとう)、柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)、六味丸(ろくみがん)などが使用されます。



●亜鉛を多く含む食品
亜鉛が多く含まれる食品には、緑茶、抹茶、カキ(牡蠣)、牛肉などがあります。特にカキには亜鉛が多く含まれ、大きなカキなら一つで1日分の亜鉛を摂取できるほどです。

味覚障害がある場合は、下記の食品を積極的に摂取するようにします。


亜鉛を多く含む食品
 魚介類  カキ(牡蠣)、、しらす干し、いか、するめ、たらこ、かに、さざえ
 あわび、たづくり、ホタテガイ、わかさぎ、かずのこ、たたみいわし
 肉類など  牛肉赤身、豚肉赤身、レバー、ウインナーソーセージ、チーズ
 豆類など  そば粉、ごま、大豆、アーモンド、カシューナッツ、ココア、緑茶、抹茶
 海藻類など  あまのり、かわのり、わかめ、あさくさのり、干しひじき


亜鉛を多く含む食品(食品1gあたり)
亜鉛を多く含む食品



味覚障害の治療を希望される方は、お手数ですが事前にご予約ください。また、初診日に味覚検査をおこなわないこともあります。予めご了承ください。


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