●MTAセメントとは
MTA(エムティーエー、Mineral Trioxide Aggregate)セメントは、1993年にロマリンダ大学(アメリカ)の研究者によって開発されました。父親が建設業に従事しており、そこからヒントを得て、コンクリートの主成分を歯科用に改良する形で開発されました。
1998年に「プロルートMTA」として製品化され、その後に改良された製品が次々と販売されていきました。日本では2007年に認可され、使用が始まりました。
ほとんどの細菌はph9.5以上のアルカリ性で死滅するとされていますが、MTAセメントはph12の強いアルカリ性のため殺菌効果が高いとされています。封鎖能力に優れ、外部からの細菌の侵入を防ぐほか、歯を治す作用もあります。
MTAセメントは虫歯の治療、歯の根の治療などに使用されます。従来の虫歯治療であれば抜歯が必要な虫歯も、MTAセメントの使用によって抜歯せずに残せることもあります。
プロルートMTA
関連するページ MTAセメント Q&A
●MTAセメントの利点
MTAセメントを使用することによって、歯の神経を残せる、歯を削る量を少なくできる、抜歯せずに歯を残せることがあるといった利点があります。
1)歯の神経を残せる可能性があります
通常であれば歯の神経を取るような大きな虫歯でも、MTAセメントで歯の神経の周囲を覆うことにより(直接覆髄)、歯の神経を残せることがあります。
歯の神経の保護以外にも使用されます
2)歯を削る量を少なくできます
MTAセメントの使用によって歯の神経を残すことができるため、治療時に歯を削る量を少なくできます。
3)歯を治す作用があります
歯に対してなじみがよく(高い生体親和性)、MTAセメントの使用後に新たに歯の組織ができることが明らかにされています(新生硬組織形成能)。
MTAセメントの周囲には、新たに歯の組織ができています
4)歯の寿命が延ばせる可能性があります
歯の神経を残せる、歯を削る量が少なくできることによって、歯の寿命が延ばせる可能性があります。また、歯にヒビが入った、歯に穴が開く(パーフォレーション)など、通常であれば抜歯が必要な歯も、MTAセメントによって抜歯をせずに残せることもあります。
関連するページ セカンドオピニオン セカンドオピニオン Q&A
●MTAセメントの欠点
MTAセメントは1g1万円前後もする高価な歯科材料のため、健康保険適応外で治療がおこなわれていることがあります。また、適応症が限られる、硬くなるまでに時間がかかるなど取り扱いが難しいという欠点もあります。
しかしながら、2017年に安価で、硬くなるまで時間がかからないMTAセメントが開発されました。
非常に高価な材料です
●MTAセメントと3Mix法、ドックベストセメント、カリソルブとの違い
歯の神経を残せる、歯を削る量を少なくできる虫歯治療としては、MTAセメントのほかに3Mix法、ドックベストセメント、カリソルブがあります。
MTAセメントは、虫歯を除去した後に使用します。虫歯がない状態で使用すると、経過がよく優れた材料として機能します。これに対し、3Mix法、ドックベストセメントは、虫歯を残した状態で使用することが多く、材料の成分により虫歯菌を殺菌していきます。カリソルブは虫歯を溶かす薬です。
それぞれ特徴がありますので、ご不明な点等がありましたら、ご来院の際にお問い合わせください。
お気軽にご相談ください
関連するページ 3Mix法 ドックベストセメント カリソルブ
●MTAセメントの費用
当クリニックではMTAセメントの費用はかかりません。健康保険の歯科治療のなかで、治療をさせていただきます。お気軽にご相談ください。
※当クリニックのアクセスについては、下記のページをご覧ください。
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