Q.フッ素を使っているのは日本だけですか?
A.いいえ、フッ素は世界中で虫歯予防のために使用されています。欧米先進国など虫歯の少ない国々では、水道水、粉ミルク、塩、ガムにフッ素を入れたり、フッ素のサプリメントが販売されているなど、日本以上にフッ素の使用が盛んです。
フッ素の使用に関しては、世界保健機構(WHO、国連の専門機関)、国際歯科連盟(世界の歯科医師会)、厚生労働省、日本歯科医師会、日本口腔衛生学会(日本最大の予防歯科の学会)など、あげれば切りがないほどの団体が推奨または支持しています。
水道水にフッ素を入れる国も多くあります(フッ素を水道水に入れる浄水場)
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Q.6歳未満の高濃度のフッ素の使用はやめたほうがよいと聞いたのですが?
A.世界保健機関(WHO)は、虫歯予防のためのフッ素の利用を一貫して推奨しています。世界保健機関が「6歳未満は高濃度のフッ素を使用しないほうがよい」としているのは、特殊な条件下でのフッ素の使用に限定されたものです。
日本のように、フッ素の使用が遅れている国にあっては当てはまりません。日本口腔衛生学会では、6歳未満であっても高濃度のフッ素の使用は問題ないとしています。
国連の専門機関「世界保健機関」もフッ素の使用を推奨しています
Q.フッ素はダウン症の原因になると聞いたのですが?
A.フッ素の使用に関しては、共産主義者の陰謀(1950年代、アメリカ)、アルツハイマー病の原因(1980年代)、エイズの原因(1980年代)など、昔からフッ素の有害性を問う話はたくさんあります。これらの話は今となっては笑い話ですが、当時は話を鵜呑みにする人も多くいました。
現在も同じように、「ダウン症の原因」、「癌の原因」、「骨が悪くなる」など、フッ素の使用を反対する人々はいます。ただ、反対する人々の意見や論文は科学的な根拠のないものであったり、精査するとデータの取り方に誤りが見られるものばかりとなっています。また、残念ながらフッ素の使用を反対することによって生活を営んでいる人もいます。
Q.学校でおこなわれているフッ素洗口を中止すべきという意見もあるようですが?
A.フッ素洗口は安全性に問題はなく、簡単にでき、虫歯予防効果も高いことから、多くの都道府県では施設での利用を推進しています。フッ素洗口は急速に普及しつつあり、家庭だけでなく、小学校など全国10287施設で104.4万人がおこなっています(2014年)。
その一方で、日本教職員組合(日教組)は安全性に問題があるとしてフッ素洗口には反対し、2008年には41万人の署名を集め、厚生労働省、文部科学省に提出しています。
これに対し、ある県の歯科医師会では「一部のフッ素反対者の偏向した情報や意見によって惑わされているものと思います。心から子供達の健康を守り、育てる意欲があれば、正しい科学に関心を持ち、世界の標準である適切なフッ素の利用について偏らない科学的に正しい研修の機会を早急にもつことをおすすめします」と反論しています。
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Q.フッ素を使用し続けると、体の中に蓄積されて害があるのでは?
A.体内に入ったフッ素の大部分は尿として体外に排出されますが、一部は歯や骨に運ばれて利用されます。蓄積されて害を及ぼすようなことはありませんのでご安心ください。
Q.フッ素を使用し過ぎると中毒をおこしませんか?
A.風邪薬でも、一度にたくさん飲み過ぎると中毒をおこすように、大量のフッ素を一度に使用すると中毒※1をおこします。ただ、日常で使用する範囲内であれば、全く問題はありません。
フッ素洗口 | 歯みがき粉 | |
中毒量 | 1度に42回分以上を飲み込んだとき | 1度に420回分以上を飲み込んだとき |
死亡量 | 1度に588回分以上を飲み込んだとき | 1度に5880回分以上を飲み込んだとき |