●加熱式タバコとは
従来のタバコはたばこ葉を燃やしていましたが、加熱式タバコはたばこ葉を加熱することで使用するタバコです。
2014年にアイコス(フィリップ・モリス)が発売され、煙が出ない、臭いが少ないといった利点が評価されて若年者を中心に急速に広まりました。2016年にプルーム・テック(JT)、グロー(BAT)が発売されました。
2019年には世界の加熱式タバコの6割は日本で販売され、各社は日本を足がかかりに、世界への展開をはかりました。一方で、2024年現在で30ヶ国以上が販売を禁止しています。
2023年の時点で国内のタバコ販売数の4割が加熱式タバコとなっており、アイコスが5割、グローが2割、プルーム・テックが1割のシェアとなっています。
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●加熱式タバコの普及率
厚生労働省の調査(2022年国民健康・栄養調査)によると、喫煙男性の30%、喫煙女性の34%が、加熱式タバコを使用しています。
60歳以上では8割以上が紙タバコを使用しているのに対し、20歳代は男性の68%、女性の85%が加熱式タバコを使用するなど、若年者ほど加熱式タバコを使用する傾向があります。
●加熱式タバコと口腔
ニコチン、一酸化炭素などの有害物質や発がん性物質の量は従来のタバコに比べると少なく、その結果として強い口臭が発生しにくい、口が渇きにくい、歯にヤニが付きにくいといった利点があります。
一方で、従来のタバコと同様に加熱式タバコにも歯周病を悪化させたり、味覚を低下させる作用があるほか、舌がんを始めとする口腔がんの原因にもなります。
加熱式タバコに変えてから歯肉が腫れやすくなる人がいます。これは、タバコに含まれる有害物質の中には歯肉の炎症を抑える作用をもつものがあり、有害物質が少なくなることで、今まで隠れていた歯周病の症状が自覚症状として表れやすくなるためです。
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●従来のタバコと加熱式タバコの比較
厚生労働省の調査によると、アイコス(加熱式たばこA)のニコチン濃度は従来のタバコと同程度のニコチン濃度となっています。グロー(加熱式たばこB)はアイコスの半分程度、プルームテック(加熱式たばこC)はアイコスの1/6程度のニコチン濃度となっています。
発がん性物質は全ての種類において従来のタバコの1/4以下となっていますが、グロー(加熱式たばこB)が比較的高く、プルームテック(加熱式たばこC)が低い傾向にありました。
従来のタバコに比べると副流煙は1/10程度となっていますが、有害物質、発がん性物質が含まれていることから、喫煙時は周囲の人への影響を考慮する必要があります。
●電子タバコとは
たばこ葉を使用せず液体を電気加熱させて、発生する蒸気を吸引するタバコです。日本ではニコチンを入れると薬事法に抵触するため、ニコチンが含まないものが一般的です。
加熱式タバコに比べると特別な技術が必要ないため、多くのメーカーから500種類以上のブランドが販売されています。購入費用が安いため、海外では若年者を中心に普及が進む一方で、2019年から電子タバコによる死亡、肺疾患が相次いで報告されています。
そのため、2019年にインドで販売禁止、アメリカでは規制、一部の州では販売禁止になるなど世界で規制が進んでおり、2023年現在で40ヶ国が完全に使用を禁止しています。
●水タバコ(シーシャ)とは
水タバコは中近東のイスラム圏を中心に普及している、パイプを使用する喫煙方法です。火皿で燃えたたばこの煙を水にくぐらせ、ろ過された煙を喫煙します。煙が水を通ることで冷やされ、やわらかい味わいになります。
日本では紙タバコに比べると害が少ないという誤った情報、シーシャカフェでは非日常のリラックスした時間を過ごせること、おしゃれなデザインでSNS映えするとのことで、2020年代になり若年者を中心に使用する人が増えています。
喫煙時間が1回1時間程度と長いため、紙タバコよりも多くの有害物質を吸い込むとされており、口腔に与える影響は紙タバコや加熱式タバコと同じです。
※1 厚生労働科学特別研究「非燃焼加熱式たばこにおける成分分析の手法の開発と国内外における使用実態や規制に関する研究」
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