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STREET ARTNAVI REPORT ストリート・アートナビ取材:展覧会シーン/Page 02
震災復興10周年記念国際公募展:兵庫国際絵画コンペティション/Hyogo International Competition of Painting
会場:兵庫県立美術館 会期:2005年1月17日(月)〜2月20日(日)※月曜休館
取材日:2005年1月16日(日) 掲載:1月23日(日)
TOP頁/表彰式/Celemony of Awarding 大賞受賞者/Grand Prize 内覧会/Preview01 内覧会02 内覧会03
 皆様に感謝します。たいへん受賞が嬉しい。この喜びを震災の被害者に捧げたい。神戸大震災やスマトラ沖地震で人間はいかにぜい弱であるかが分かった。
創造的復興のシンボルとしての安藤忠雄氏設計の美術館は芸術、思想の交流の場として現在から未来の架け橋となり人間の生活に希望を持たせ、再興に資することができます。私はいろいろ経験したことでお互いが手を差し伸べて助け合うことができることを知っています。
(ランバート・モラロキ/受賞後の感想より)

ランバート・モラロキ&ブリジット・ハーテル(南アフリカ)「都会の避難所」部分
MORALOKI, Lambert & HERTELL, Brigitte(South Africa)Urban Refuge (part)
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◎審査講評からグランプリ作品に関する部分の抜粋(展覧会図録より転載)

・今回の一次選考通過作には、なぜか人物群像をモニュメンタルに構成した作風がめだった。だが、その構成は宗教的なイコンや古典名画から、借りものないし引用のケースが多い。そのなかで南アフリカの『都会の避難所』は、ともかくも相互扶助といった自前の思想をうかがわせ、わたし自身は最初からこの作品を大賞に推すつもりであった。ところが、大賞にきまってからこの作品のランバート・モラロキとブリジット・ハーテルという共同制作者は、かつて大阪トリエンナーレ(※1)のやはり大金の大賞受賞者とわかり、両度の審査にかかわったわたしは、このカップルだけ顕彰しすぎではないかと少し疑問を述べたが、二度とも審査委員長の木村重信は、それは偶然の結果で仕方がないと問題にしなかった。事実、佳作になったグエン・ヴァン・クーン(ベトナム)やスラジ(インドネシア)の作品も、わたしのいう群像表現の実例だが、架空の機械で同時進行の事件をつなぐ前者や異質な要素をモンタージュした混乱のままの後者よりも、やはり前掲南ア作品がすぐれていると納得せざるをえない。(※1/2001年開催、グランプリ賞金1,000万円)
(審査員/針生 一郎 はりう・いちろう 日本美術評論家連盟会長)


・大賞はL.Moraloki&B.Hertellの合作『都会の避難所』が得た。前者はアフリカ系男性、後者はヨーロッパ系女性であるが、アパルトヘイト(※2)撤廃後も残る社会的不平等に、人種の違いを超えて抗議する。その痛切な訴えがアサンブラージュ(※3)風に熱っぽく造形されている。(※2/Apartheid・人種隔離政策)(※3/Assemblage・集合、収集)
(審査員/木村重信 きむら・しげのぶ 兵庫県立美術館長)


・受賞作の審査は審査員間の議論も交えながら、投票を繰り返し、慎重に進められた。
大賞のランバート・モラロキ&ブリジッド・ハーテルの『都会の避難所』は、巨大な画面の中に様々な断片的なイメージがひしめいているが、その雑然とした印象がかえって作品に厚みと深さを与え、迫力のある空間を出現させている点に強く惹かれた。すでに大阪トリエンナーレでも大賞を取ったことのあるアーティストでもあることの豊穣さというべきかもしれない。
(審査員/建畠哲 たてはた・あきら 多摩美術大学教授)
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取材日:2005年1月16日(日) 掲載:1月23日(日)
取材・写真・Webデザイン:ストリート・アートナビ 中田耕志
※上記の説明、写真キャプションは展覧会報道資料、図録を参考にしました。
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