2016年1月からファイバーコア(ファイバーポスト)が、健康保険適応になりました。従来の金属の土台に比べると見た目に優れる、歯が折れにくいといった特徴があります。当クリニックでは1月より取り扱いを始めさせていただきました。
●コアとは
コアとは、歯の神経をとった後に使用する歯の土台です。材料としては金属(メタル)、プラスチック(レジン)が多く用いられます。金属でできたコアを「メタルコア」、プラスチックでできたコアを「レジンコア」といいます。
コアのうえに、銀歯などの金属、プラスチック、セラミックスをかぶせます。これがいわゆる「さし歯」です。
コアを入れます コアの上に金属、セラミックス等をかぶせます
●ファイバーコア(ファイバーポスト)とは
ガラス繊維強化樹脂という新しい材料を使用したコアです。 従来の金属やプラスチックを使用したコアに比べて、審美性がよく、丈夫で歯の負担が大幅に減るという利点があります。
2003年に厚生労働省が認可され、当クリニックでは認可と同時に使用させていただいております。2016年1月から健康保険が適応になりました。
ファイバーコア 金属製コア(メタルコア)
●ファイバーコアの特徴
1.見た目がよい
本物の歯は光を透過しますが、現在最も使用されている金属製コア(メタルコア)は、光を全く通しません。そのため、オールセラミックスクラウンを装着すると、金属が透き通って見えてしまうという欠点がありました。
ファイバーコアは光を透過しますので、透き通ったような本来の歯の美しさが再現できます。審美性の優れた材料です。
ファイバーコア(光を透過) 金属製コア(光を遮断)
2.割れにくい
現在最も使用されている金属製コア(メタルコア)は、たわまないため、強い力がかかると歯が折れることがありました。ファイバーコアは本物の歯に近いたわみがあるため、歯を保護し、金属性コア(メタルコア)のように歯が折れることが少なくなります。
金属製コア(強い力が加わると、歯が折れることもあります)
3.金属を使用しません
金属を使用しないため、金属アレルギーの心配はありません。
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●ファイバーコアの治療の流れ
1.大きな虫歯があります 2.虫歯を取ります
3.ファイバーコアを入れます 4.セラミックスや金属をかぶせます
治療前 治療後
治療前:虫歯で歯が変色しています
治療後:ファイバーポストを入れた後にオールセラミックスクラウンをかぶせました
●各種コア(土台)の特徴
健康保険の治療では、主に銀合金を使用したコア(土台)が用いられています。銀合金は安価な半面、歯の根が割れたり、腐食しやすく、銀が溶けだして歯肉が黒くなることがある等、欠点があります。
かぶせ物と同様に、コアにもそれぞれ特徴があります。ご自身にあったコアを選ばれるのがよいでしょう。
特徴 | 健康保険 | 審美性 | 耐久性 | 歯肉の審美性 | |
メタルコア(金合金など) | 耐久性に優れる | 適応外 | △ | ○ | △ |
メタルコア(銀合金) | 安価だが、腐食しやすい 歯のつけねの歯肉が黒くなりやすい |
適応 | × | △ | × |
ファイバーコア | 2016年1月から健康保険適応 強度と審美性に優れる |
○ | ○ | ○ | |
レジンコア | 耐久性がかなり劣る | × |