●テトラサイクリン系抗生物質とは
テトラサイクリン系抗生物質は、クラミジア感染症、リケッチア感染症、マイコプラズマ感染症などの感染症のほか、肺炎、副鼻腔炎、中耳炎等の治療に使用されます。1960年代は頻繁に使用されていましたが、抗生物質に効かない菌の増加から、現在では以前ほど使用されなくなりました。
代表的な薬として、ミノマイシン(ミノサイクリン)、ビブラマイシン(ドキシサイクリン)があります。
薬の服用
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●テトラサイクリン系抗生物質と歯
テトラサイクリン系抗生物質を歯がつくられる時期である、母親の妊娠中から8歳頃までに服用すると、歯の色が灰色、茶色、暗赤色、暗黄色になることがあります。特に光が当たると、歯の変色は目立ちます。そのため、この時期の服用には注意を要します。
テトラサイクリン系抗生物質の生産は1965年から1970年が最も多く、この頃は風邪薬として頻繁に使用されていました。40歳代の方にテトラサイクリン系抗生物質による変色歯が多く見られます。
現在は歯の変色の原因となることがわかっているため、母親の妊娠中から8歳頃までの子供には殆ど使用されません。
テトラサイクリン系抗生物質による変色歯
歯の種類 | 歯ができ始める時期 | 歯冠が完成する時期 |
中切歯(1番前の歯) | 胎生5ケ月頃 | 4〜5歳 |
側切歯(前から2番目の歯) | 胎生5〜5.5ヶ月頃 | |
犬歯(八重歯) | 胎生5.5〜6ヶ月頃 | 6〜7歳 |
第1小臼歯(前から4番目の歯) | 出生時 | 5〜6歳 |