入れ歯洗浄剤の誤飲
●入れ歯洗浄剤の誤飲

入れ歯の清掃には欠かせない入れ歯洗浄剤ですが、誤って飲み込んでしまう事故は度々おきています。

入れ歯洗浄剤の誤飲は、高齢者が薬と間違えて飲み込んでしまったり、コップの中に入れた洗浄中の入れ歯洗浄剤を清涼飲料水やジュースと間違えて飲んでしまう事故が多い傾向にあります。子供がお菓子と間違って食べてしまう事故も度々おきています。

お菓子 子供がラムネと思って食べてしまうことがあります

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●入れ歯洗浄剤を誤飲してしまったときの症状

1)過ホウ酸ナトリウム(過ホウ酸塩)による症状

体内での吸収は早いものの、症状が現れるまでに数時間かかることがあります。

1錠以下の誤飲(ごいん)では危険性は少なく、弱アルカリによる胃の不快感や膨満感、軟便がおきることがあります。

大量に誤飲してしまった場合は、入れ歯洗浄剤の成分の一つである過ホウ酸ナトリウムによって、吐き気、嘔吐(おうと)、下痢、腹痛などの消化器症状、顔の紅斑がおきます。そのほかに神経系、肝臓、腎臓、呼吸、循環器系に症状があらわれることがあります。

腹痛 胃の不快感や膨満感、腹痛などの症状がおきることがあります

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2)アルカリによる症状

口、のど、食道粘膜の腐食、吐き気、嘔吐、胃出血、下痢、潰瘍形成、胃穿孔などの症状があらわれることがあります。



●入れ歯洗浄剤を誤飲したときの処置

1)家庭でできる処置

牛乳(成人は120〜240ml、幼児は体重1kgあたり15ml以下)、卵白などを与えます。

強アルカリ性の入れ歯洗浄剤(ピカの赤色包装)を誤飲したときや症状がひどい場合は、ただちに医療機関(主に救急外来)を受診します。



2)医療機関(主に救急外来)での処置

牛乳、卵白などで希釈します。

強アルカリ性の入れ歯洗浄剤(ピカの赤色包装)を大量に飲み込んだときは、誤飲後1時間以内であれば胃の洗浄をおこなうことがあります。

強アルカリ性の入れ歯洗浄剤(ピカの赤色包装)を飲み込んだときは、ショック対策、消化管穿孔対策が必要になることがあります。

ロート ピカ アルカリ性の強い入れ歯洗浄剤(ピカ、ロート製薬)

当クリニックでは、入れ歯洗浄剤の誤飲に対する救急処置はおこなっておりません。お近くの医療機関(主に救急外来)を受診してください。



強アルカリ性の入れ歯洗浄剤(ピカの赤色包装)を誤飲したときの注意事項

腐食性物質が再び食道を通過して炎症が重症化するため、嘔吐を促すことはしないようにします。

酢やジュースを飲ませて中和を試みると、発熱する熱によって熱傷をおこすことがあります。

炭酸飲料の経口投与は、胃が破裂する危険性があるため避けます。

胃洗浄、内視鏡検査はできる限り早くおこないます。

嘔吐 催吐は避けます



問い合わせ先

公益財団法人日本中毒情報センターでは、急性中毒について、実際に事故が発生している場合に限定して情報提供しています。

つくば中毒110番(365日、9〜21時対応) 電話 029−852−9999

大阪中毒110番(365日、24時間対応) 電話 072−727−2499


情報提供には正確な情報が必要なため、下記事項を聞かれます。できれば商品をお持ちのうえ連絡してください。

患者氏名、年齢、体重、性別
連絡者と患者との関係、連絡者の電話番号
中毒原因物質(正確な商品名、会社名、用途)
中毒事故の発生状況(摂取量、摂取経路、発生時刻)
患者の状態



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