これは、しんぶん赤旗取材班が取材し、25回にわたって連載した
内容をまとめたパンフレットです。「自分が何をしたか、子どもにも
話したことがない」という元兵士の方々、もう80才をこえ、「戦争はも
うたくさん」の想いから、重い口をひらいた貴重な証言集です。おり
しも憲法9条の改悪の動きが強まってきた2006年発行です。
壮絶です。南京大虐殺、従軍慰安婦、731関連部隊での生体実
験、スパイ謀略活動、沖縄宮古島での体験、戦艦大和の沈没―当
時日本政府が「大東亜戦争」の美名でおこなった侵略戦争の実態
を多岐にわたり紹介しています。このすさまじい事実を前に「あの
戦争は聖戦だった」「南京大虐殺はなかった。デマだ」なんていえる
のでしょうか!
「『敵憎し』でね。女性でも子どもでもやる(撃つ)」「こっち(日本軍)
も殺されてる。『やれ、やったれ』という心理状態に自然となる」…中
国戦線の多くの兵士の言葉だそうです。「戦場ではそれが当たり前
やった」ととてもいいにくそうに…。日本が築く大東亜共栄圏。日本
は他国より優れていて、さからう中国人や朝鮮人は殺して当然―
それが元兵士たちに押し付けられた価値観。戦場では強姦も日常
茶飯事。「病気の娘だけは助けてください。なんでもしますから」と
泣きすがる何の罪もない民間人、父親を前に、家ごと娘まで焼きつ
くす。「俺は3人半殺した」この半とは、妊婦のおなかの中にいた赤
ちゃん。殺すことに慣れなければ自分が狂ってしまう…そんな世
界。
今、戦争は過去の出来事ではありません。過去から学び、未来を
つくるためにも、そして真の国際貢献のためにも、自分の国が何を
してきたのか、何がおきたのか、ぜひ多くの方に知っていただきた
い一冊です。「自虐史観だ」と切り捨て歴史を見つめようとしない者
に未来はありません。世界の中で、恥ずかしくない存在でいるため
にも、事実から目をそむけないでいきたいと思います。
|