斉藤 望展

6月27日(月)〜7月2日(土)

四季彩舎(東京・京橋)

アーチストメモランダム

文・篠原弘

作品タイトル サイズ 材料はいずれも板・石膏・金箔・テンペラ・アクリル
Rose -with soft sunlight- M15 絵の反対側に白のスチレンボードを置き、白色の反射色で撮影した。そのため、金色は明るく軽い調子になった。金地は強く磨き込むことで鏡面となる。背景に無限の空間が生まれる。そこで、背景を大きく取ることにした。
Narcissus -early spring- M15 の水仙は家庭科室の前に咲いていた。咲いている場所がいかにもそれらしくよろしい。紙細工のような繊細な花びらが可憐で、春とは名ばかりの、冷たい青空が広がる日によりそうように咲いていた。もうひとつ水仙を描を描こうと思った動機がある。学生の時に私淑していた藤井勉さんが水仙を描いたからだ。それは一輪だけ描いたさり気ない絵だ。とてもきれいな花だと思った。東北出身の藤井さんのイメージにぴったりだと思った。私もあのような絵が描きたかった。
Hydrangea -June- F3 ガクアジサイ

 6月は授業で中庭に出て屋外の制作をしている。4月の木蓮、5月のバラ、そして6月のアジサイと花が次々と咲く。アジサイといえば雨と蝸牛。二つは欲張りなので、雨を入れてみた。本当は霧のような柔らかい雨にしたかったのだが。私の育った町はこの時期海霧がかかり、太陽が出ない。灰色の雲に覆われる。もちろん花々もこの季節が終わってから一斉に咲き出す。この時美術の授業で屋外制作なんて考えられなかったな、と思った。

Hydrangea -drizzle drops- F4
Tulip -April on Sunday- F3
Tulip -April- F3
-Rhododendron- F4
Magnolia ~cloudy morning~ F6
Rose -rain drops- 0
Rose -sunshine- F6
Vine -September- F8
Peony -yellow- F6
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