VISA手続き
外国に長期滞在しようと思うと必要になってくるのがビザです。
タイに3ヶ月以上滞在できるビザは、基本的に下記の4つです。
- 労働ビザ
タイに進出している企業の駐在員、またはタイで起業した場合に使うビザ。
- 配偶者ビザ
タイ人の配偶者がある場合のビザ。
- ロングステイビザ ・ リタイアメントビザ
50歳以上の人を対象に、80万バーツ以上の預金がある場合に取得できるビザ。
- 教育ビザ
タイで勉強する人に与えられるビザ。
労働ビザと配偶者ビザはなかなか敷居が高いビザです。とすると、50歳未満で比較的簡単に取得できるのは教育ビザしかありません。
上記のビザは基本的に毎年更新なのですが、教育ビザは最大でも3年しか更新できないようです。実際には3年間も学校に通うことは無いでしょう。だいたいの感覚としては授業時間は 100時間ぐらい(半年ほど)で一区切り付くようです。
タイに長く住もうと思ったら、どのみちタイ語の勉強は避けては通れません。
そんな訳で、私は49歳の時点で教育ビザ取得を目指してみることにしました。
この教育ビザ取得にかかった行程を話すことにします。
事前準備 1
- 教育ビザを取得できるタイ語学校を探す。
教育ビザはタイ国が認めた学校でしか発行されていないので、選択肢が限られています。教育ビザ取得可と明記している学校を選ばざるを得ません。
教育ビザを発行する学校は、英語でタイ語を教えてくれるところなら結構沢山あるのですが……
それだとタイ語以前に英語もできる必要があり、英語力に自信が無いとちょっと困ります。
日本語でタイ語を教えてくれ、教育ビザを発行してくれる学校は、バンコクにはいくつかありますがチェンマイには2つしか無いようです。私は両方の学校にメールを送ってみたのですが、片方は音沙汰無し(^o^); なので必然的に国書日本語学校に絞られることになりました。
ちなみになぜバンコクを選ばなかったのかと言うと、バンコクは都会過ぎてスローライフにならなさそうだったからです。バンコクには2度行きましたが、どうも微笑み具合も足りない感じですね。
- 学校から指定された書類を用意。
教育ビザ取得のために学校から指定されたのは、
1.パスポート 全ページのコピー(全ページにサイン必要)
2.卒業証明書(英文)のコピー
3.学校への申請書類(申請書はメールで送ってもらった)
4.パスポートサイズの写真6枚
です。
この内戸惑ったのは「英文の卒業証明書」。でも、卒業した学校のホームページにちゃんと申請書類がありました。帰省の際に卒業証書を発掘して卒業日を確認し、申請書にこれを記入して学校に提出したら、4日ほどで英文卒業証明書が送られてきました。
指定された書類が揃ったのでタイ語学校に郵送で送ったのですが…… 学校からは「届かない」と連絡があって少し焦りました。結局、郵送だと到着まで10日もかかったのです。
いやー、EMSを使うべきでしたね。速達も普通郵便も到着日に大差無いと思い込んでました。
学校側はこの書類をタイ国の教育省に提出して結果を待ちます。
- 授業料の振り込み
学校に申請書類が到着してからほぼ50日後、ようやくタイ国から許可証が発行されたと連絡がありました。
あとはビザ取得手数料と授業料の合計を振り込めば、その許可証を送ってくれるということです。
授業料は半年分で 25,800バーツ(約 7万7千円)。これは授業時間が48時間分しか入っていないものなので、授業時間の追加や期間の延長をする場合は現地で追加支払いをするそうです。
授業料は海外銀行への振込みになるのですが、いつも使っている銀行に朝9時に行って振込みをしようとしたら、バーツ払いは11時からでないと受付けないと断られてしまいました。仕方なく会社の昼休みに再チャレンジし、なんとか送金を済ませました。
事前準備 2
- 学校から送られてきた書類
学校から、タイ国発行の許可証がEMSで届きました(EMSだと3日で到着)。到着した書類は以下の通り。
A. タイ教育省からのレター(タイ大使館宛)
B. 学校の登記簿
C. 学校からタイ大使館宛のレター
D. 学校から私宛ての招待状
全部で30ページ。そして全てのページに校長先生のサインがしてある!
こんな面倒なことをタイ人がしてくれるなんて感激です。
これらの書類と、大使館で必要な書類を用意して大使館に持っていけばビザが発給されます。
ちなみに、書類の上にあるマークは、タイの国章であるガルーダです。
- 大使館に持っていく書類
タイ大使館に提出する書類は、以下の通り
1. パスポート原本
2. ビザ申請書 1枚(大使館ホームページから取得)
3. パスポートサイズの写真2枚
4. 航空券予約の確認書
5. 英文経歴書1部(大使館ホームページから取得)
6. 英文入学許可証 タイから送られてきた[AとC]の書類。
7. 英文推薦状原本 タイから送られてきた[D]の書類。
8. 申請料(現金) 22,000円
9. 預金の残高証明書
ちょっと引っかかったのが[9]預金の残高証明書。
これは銀行で発行してもらうのですが、通帳を作った支店で申し込まないと郵送になって時間がかかります(お役所なんだから…)。
写真は、ビザ申請書に貼るようですが… ↓なんか変です?
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写真を貼る場所に、英語で「6ヶ月以内の写真を2枚貼れ」って書いてありますが、どう見ても1枚分のスペースしかありませんね。申請書は1枚だけの提出なので、もう1枚の写真はどうしたら良いかが不明です?
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とりあえず写真を1枚貼り、もう1枚は大使館に持って行ってどうするか聞くことにしました。
あと、学校の登記簿[B]が不要?にも思えたのですが一応持って行くことにします。
タイ大使館に行く:1日目
さて、大使館(目黒にある)の受付時間は 9:00〜11:45 だそうです。
なんか分かりにくそうな場所にありましたが、ちゃんと大通りからの入り口の道に案内が出ています。
案内通り進むとすぐにレンガ造りの古風な大使館が見えてきました。私が行ったときは中央の桜がちょうど見頃で美しかったです。
入口が閉まっている感じでしたが、ビザの受付は右側だよと小さく看板が出ています。
そこで、大使館右のスペースに入ってみると……
スゲー繁盛! (笑)
タイのビザを取る人なんて少ないだろうと高をくくっていたのですが、めちゃ混みです。窓口近くに整理券発券機があったので取ると、その時点で約30人待ち。しかも見ているとかなり進行が遅いです…。
しまったぁ〜。余裕こいて10時ちょっと前ぐらいに到着したのですが、9時に来てなきゃいけなかったのね。
大使館に来ていた人は、タイ人60%、日本人35%、その他5%といった感じです。
他の人の申請書をチラ見して、残り1枚の写真の貼り方も分かりました。↓こうです。
(写真はウソCGね)
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この貼り方、マジです (笑)
写真で文字が隠れちゃってるじゃん! 2枚貼らせるんだからそういう風に申請書をレイアウトしておけば良いだけなはずなのに、なんじゃこのアバウトさは。
こういう、日本だったら絶対あり得なさそうなことが平気で起きるのがタイの面白いところです。
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さてさて待つこと1時間半。ようやく私の番になりました。
(これが日本だったらキレて叫んでいる人が1人はいるんではないかと思うのですが、集まっている人はタイに感化しているのか、皆、平然と受け入れていました)
書類が(写真の貼り方も含めて ^o^)キチンとしていたからなのか、ビザの期間(シングル半年か、ダブル1年)を聞かれただけで、後は隣の窓口で支払いをすれば良いと言われて5分ぐらいで終わりました(ほっ)。
扱いが分からなかった学校の登記簿も、何の疑問もなく受け取られたようです。
で、待つことさらに10分ほど、支払いをしたら領収書→がもらえて、今日はこれでお終い。
明日の午前中にこの領収書を持って、もう一度大使館に来るように言われます。
ふぃ〜〜。実質、待っていただけなのに立ちっぱなしだったからメチャ疲れた…。
おかげで携帯ゲームが進んだよ。
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しかし、目黒の大使館に2回来るというのは、今回は都内にいたからいいけど、地方にいる人は大変でしょうね〜。
あと、タイ大使館は日本の休日だけじゃなく、タイの休日も休みになると書いてあったので注意しましょう。
タイ大使館に行く:2日目
翌日は9時ちょっと過ぎに大使館に到着。昨日よりは人数少ないけど、すでにそれなりに人が待っています。
2日目は整理券をもらうことも無く、受取窓口に並んで領収書を出したらパスポートが返ってきました。
やったぁー!! 1年間の教育ビザ、ゲットです。
この1枚を取得するのに、英文卒業証書申請から数えてほぼ3ヶ月間かかりました。でもまあ、ほとんどが待ち時間で手順はそんなに多くないので、やった甲斐はあったと思います。
ビザの有効期限は、大使館が申請書を受け取った日から1年になっています。
タイ移住後の教育ビザ更新
ビザが入手できてタイに移住を開始すると、(ビザの種類に関わらず)外国人は90日ごとに住所などの届け出をしなければなりません。
この90日更新に合わせて、教育ビザの延長手続きをすることになります。
学校のビザ担当者が手続き書類を作成し、受講者と一緒にイミグレーションに行って更新手続きします。
同様に、教育ビザを終了する時も手続き書類を作成してもらう必要があります。
教育ビザが終了したら即日ノービザ状態になってしまうので、そのままだと1ヶ月しかタイに滞在できません。教育ビザ終了と同時にリタイアメントビザを申請するのが良いと思います。
教育ビザは勉強するために取得するビザですので、ビザだけ取って学校に行かないというのは許されません。以前は教育ビザを悪用する人が多かったようで、タイ側も対策を強化してます。このため、教育ビザの更新書類の中には、受講者の授業時間や成績も書かれているようです。
私が行っていた学校では、最低でも週に1回は授業に出ることを教育ビザ発給の条件にしていたようです。
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