タイでの携帯電話事情

タイでは、携帯電話機器を発売する会社と、携帯電話番号を契約する会社(いわゆる通信キャリア)が完全に分かれてます。
通信キャリアの会社で携帯機器も販売していますが、携帯機器を買った店以外のキャリアを選んでも何の問題もありません。携帯機器と通信キャリアの組み合わせが自由な「SIMフリー」が前提だからです。

通信キャリア事情

通信キャリアからは、電話番号付きのSIMカードを購入します。ゴロが良い電話番号は値段が高いですが、それでも完全なゾロ目でなければ 100バーツぐらいで買えます。
購入したSIMカードを、携帯電話機に入れればセットアップは完了です。
SIMカードは購入時点で多少の通話時間が入ってますが、課金チャージをしないと本格的に使うのには足りないと思います。

課金は基本的に、プリペイド。つまり前払いです。
プリペイドのため、口座引き落としや本人確認などの手間が一切無く、旅行者でもすぐに電話を使うことができます。
思ってもいない高額な請求が後から来ることが無い代わりに、残金を把握していないと、通話途中でチャージが無くなって強制切断されてしまうことがあります。余裕を持ったチャージをしておくと良いでしょう。

携帯電話のチャージ 課金の方法は、コンビニなどで「○○会社(キャリア名)を 200バーツください」と言えば、16桁の数字が印刷されたレシートをもらえます。(→が、そのレシート)
後は、携帯電話で「*121*16桁の数字#」と押して発信すれば、チャージが完了してSMSが送られてきます。レシートはだいたい 100バーツで1枚なので、100バーツ以上のチャージは同じ操作を繰り返します。

普通の電話通話とSMSだけなら、1分 5バーツほどがかかるだけです。 日本への国際電話の場合でも 1分 15バーツです。
但し、スマートフォンでメールを受け取ったり、Webサイトを見ようとすると急に値段が高くなります。この場合はキャリアの提供しているインターネットプランに加入した方が良いでしょう。タイでは定額制は、毎月 600〜1000バーツかかるので非常に高いです。自分の使用する時間数分だけの契約をすると良いと思います。私の場合、1ヶ月 6時間までで 50バーツのプランを使ってます。

携帯機器事情

日本では、携帯機器を販売する会社がキャリア(の場合がほとんど)で、携帯機器の値段を非常に安く(ゼロ円とかで)売る代わりに、毎月の基本料などに機器の値段を上乗せしています。
タイでは機器会社とキャリアが別なのでこのようなことは無く、通話料が安い代わりに機器が少し高い感じになってます。
値段が高いと言っても、画面が白黒で 3行くらいしか表示できない(日本での i mode 以前のような)機器なら 300バーツぐらいから手に入ります。
通話に使うだけなら、このような安い携帯電話で十分です。
ただし、メニューの表示はタイ語か、良くて英語に切り替えられる程度です。日本語を入力することはもちろんできないので、アドレス帳に名前を設定するのも苦労するかもしれません。
日本語フリーペーパーなどで、タイで使える日本語対応携帯の販売の広告を見ることもあります。これは日本の携帯のSIMフリー版というよりは、何か特殊な携帯のようです。SIMフリーの携帯電話が日本に持ち込まれたら問題になるのでおおっぴらには売れなかったのかもしれません。

しかし、事情は変わりました。
日本でも 2011年夏から SIMロックが解除されることになったのです。
手続きが若干面倒ですが、これからは日本で購入した携帯電話をタイで普通に使えるようになるでしょう。(au携帯は通信方式が違うので、タイでは使えない可能性があります。店などで事前に確認してください)

iPhoneの設定

上述のように、今後は日本語を入力できる高機能携帯電話やスマートフォンをタイでも使えるようになります。
スマートフォンはおおむね、インターネット接続は定額制のプランに入っていることを前提に作られていると思います。しかし定額制は毎月 600〜1000バーツと、生活費に比べると非常に高価です。
そこで、私の使っている iPhone を例に、その他の環境も混ぜながら設定例を紹介します。

  • インターネット接続は必要な時だけ使う
    日本ではインターネット接続をこまめに切り替えてパケットを節約しても、労力の割には定額制との差を感じにくいと思います。しかしタイでは10倍近くの差が出ます。
    iPhoneで通常は「設定 - 一般 - ネットワーク - モバイルデータ通信」を「オフ」にしておき、インターネットを使いたい時だけ「オン」にします。
    また同時に、同じ設定ページの「3Gをオンにする」も「オフ」にしておくとこで電池寿命も延びます。
    インターネットを使う時は「モバイルデータ通信」と「3Gをオンにする」を両方オンにし、使い終わったらすぐに両方ともオフにします。
    「モバイルデータ通信」の設定は重要で、これをオンにしたままにしておくと、何も操作してない(メールやSMSも受け取ってない)のに半日で200バーツぐらいが無くなります。
  • バッテリー対策
    iPhoneのネックの1つが、バッテリーが保たないことです。Appleのページにも対策が乗ってますが、私は「WiFiを切っておく」「位置情報サービスを切っておく」「通知をオフにする」をおこなっていて、WiFiを使いたい時やカメラ(の位置情報)を使う時、Google Mapを使う時だけオンにしています。
  • 時間帯の設定
    タイ時間はグリニッジ標準時より7時間マイナスです(ちなみに日本は9時間マイナスです)。「設定 - 一般 - 日付と時刻 - 時間帯」で「バンコク」を検索して設定しておきます。
  • 言語環境
    iPhoneでは日本語、英語入力だけでなく、タイ語、中国語なども入力できます。タイ語入力ができるようにしておくとPDICでタイ語辞書が引けるだけでなく、メモ書きなどで役に立ちます。
    設定方法は、「設定 - 一般 - キーボード」で「新しいキーボードを追加」を選び、タイ語を追加するだけです。タイ語キーボード名には「PattaChote」が付いているものとそうでないものがあるのですが、違いが分かりません。どちらか1つだけの追加で良いようです。
    キーボードの切り替えは意外と面倒なので、数が増えると鬱陶しいです。対策として私は、日本語入力はテンキーを外してローマ字だけにしています。

言い忘れていましたが、ソフトバンク製のiPhoneは(まだ)SIMロックがかかっているので、タイでは使えません。私が使っているのはタイで購入した物です。3GS版で 2万6千バーツもしました。店員が親切で、購入時に日本語表示の設定をしてくれました。
2010年の段階では、日本語を使えるスマートフォンは(未調査ですが)iPhoneしか無かったのではないかと思います。 今後は日本でSIMロックが解除されるため、タイで買えるAndoroid携帯などでも(グローバル対応で)日本語入力が可能な物が出てくるかもしれません。