●歯周病の種類
1)健康な歯肉 歯周病は歯肉炎と歯周炎に分けられます
歯は骨(歯槽骨)に支えられています。健康な歯肉は、歯肉の2〜3mm下に骨があります。歯肉の内面と歯との間には浅い溝(歯周ポケット)があります。歯周病は「歯肉炎」と「歯周炎」に分類され、
成人の8割は歯周病にかかっているとされています。
健康な歯肉
関連するページ 歯周ポケット
2)歯肉炎 初期の歯周病を歯肉炎といい、歯肉が腫れます
歯垢(しこう、汚れ)と歯石(歯垢が硬くなったもの)が歯につくと、歯肉が腫れて歯みがきの時などに血が出やすくなります。これを歯肉炎といいます。
歯肉炎
関連するページ 歯垢と歯石 子供の歯周病(歯肉炎)
3)歯周炎 歯周病が進んだものを歯周炎といい、歯を支える骨が溶けてなくなります
歯肉の腫れが歯を支える骨まで及ぶと、骨が溶かされて歯がグラグラするようになります。さらに悪化すると歯が抜け落ちます。これを歯周炎といいます。
歯周炎を予防、治療するためには、毎日しっかり歯をみがくほか、年2〜4回の定期検診の度に歯石を取ってもらうのも重要となります。
1 2
3
1.軽症の歯周炎 2.中等度の歯周炎 3.重度の歯周炎
関連するページ 歯周病の治療
●
歯周病の人の割合
成人の8割ほどが歯周病にかかっているとされており、厚生労働省の調査によると中等度から重症の歯周病の人は45〜54歳で43%、55〜65歳で47%、65〜74歳で56%にもなります。
中等〜重症の歯周病の人の割合(%)
資料:令和4年歯科疾患実態調査(厚生労働省) ※歯周ポケット4mm以上の人の割合
関連するページ 毎日歯を磨いているのに虫歯や歯周病になってしまう理由
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歯周病(歯周炎)の新分類 2021年度から日本でも本格使用
2018年にアメリカ歯周病学会、ヨーロッパ歯周病連盟により、新しい歯周病の分類が公表されました。日本でもこの分類が採用され2021年からこの分類が本格使用されました。
1999年に定められたこれまでの分類との大きな違いは、歯周病のリスク因子として喫煙と糖尿病が追加されたことです。喫煙と糖尿病は歯周病を重症化させる大きな要因として広く認識されています。
以下は分類を簡略記載したものです。詳細はかかりつけの歯科医師、歯科衛生士にお問い合わせください。
歯周病のステージ(これまでにおきた組織破壊の状況)
ステージ |
ステージ1 |
ステージ2 |
ステージ3 |
ステージ4 |
重
症
度
|
歯肉の下がり |
1〜2mm |
3〜4mm |
5mm以上 |
歯を支える骨の変化 |
歯の根の1/3未満の骨が失われている |
歯の根の1/3以上の骨が失われている |
歯周病で失った歯 |
0本 |
4本以内 |
5本以上 |
歯周病のグレード(これからおきる組織破壊の予測)
グレード |
グレードA
遅い進行 |
グレードB
中等度の進行 |
グレードC
急速な進行 |
基
準
|
骨、歯肉の変化 |
5年以上なし |
5年で2mm未満 |
5年で2mm以上 |
組織の破壊 |
破壊は少ない |
破壊が進む |
急速に破壊 |
リスク |
喫煙 |
非喫煙 |
1日10本未満 |
1日10本以上 |
糖尿病 |
糖尿病ではない |
軽症 |
中〜重症 |
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