睡眠時無呼吸症候群と顔の形、歯並びとの関係
●日本人の睡眠時無呼吸症候群の特徴
アメリカ人の患者は、肥満の人がほとんどです。一方、日本では肥満でない人が多いのが特徴です。肥満でない人でも、発症するケースが多くみられるのです。
国内の複数の病院が、中等度や重度の患者約５０００人に対して調べた調査では、肥満でない人が３割、軽度の肥満の人が４割もいました。
●睡眠時無呼吸症候群を発症しやすい顔の形
下顎が小さい人や面長な顔（顔が長い）の人は、太っていなくても、もともと気道が狭いので、わずかな体重増加でも無呼吸を発症します。また、正常者に比べると肥満の人は、舌や首などに脂肪がつくため気道が狭められ、無呼吸を発症しやすくなります。扁桃が大きい人も、同様の理由で無呼吸を発症しやすくなります。無呼吸を発症しやすい顔の形として、下記の要因があげられます。
１．軟組織
舌が大きい、大きな扁桃（扁桃肥大）、アデノイド、肥満による脂肪の沈着
２．骨格
下顎の後退、下顎が小さい、前後径の小さな頭蓋、面長な顔（顔が長い）
●縄文顔と弥生顔
日本人の顔には縄文顔（南方系）と弥生顔（北方系）がありますが、縄文顔が顎がしっかりしているのに対し、弥生顔は顎が小さく、面長な顔をしているため、無呼吸を発症しやすいといえます。混血がすすみ、現代日本人は縄文顔２〜３割、弥生顔７〜８割といわれています。
縄文顔
弥生顔●睡眠時無呼吸症候群と歯並び
歯並びが悪いと、無呼吸を発症することがあります。
下顎の後退、下顎が小さい、かみ合わせが深い症状がみられると、口の中の容積が小さくなり、舌は後ろ（喉の方向）に押し出されやすくなります。その結果、気道は狭まり、無呼吸を発症する原因となります。
出っ歯、咬んだ時に前歯に隙間がある症状がみられると、口は閉じにくくなり、口を開けたままでいることが多くなります。口を開けたまま寝てしまうと、重力の作用で下顎は後退し、舌は後ろ（喉の方向）に押し出されやすくなります。結果、気道は狭まり、無呼吸を発症する原因となります。
また、現代は軟らかい食べ物が増えた結果、かむ回数が昔に比べると少なくなりました。かまない食事は、顎の発育を悪くし、無呼吸を発症する原因となります。
睡眠時無呼吸症候群の予防のためには、矯正治療により歯並びを治したり、子供の頃からかむ回数が増える食事を取り入れて、顎の発育を促していくのも一つの方法です。
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