新型コロナウイルス感染症拡大により、一部の方は歯科診療について不安や心配、恐怖感をおもちかもしれません。そこで、歯医療科関係者の新型コロナウイルスの感染状況を記載させていただきます。

既にかかりつけの歯科医療機関に通院中の方、これから通院しようと思っている方の一助になれば幸いでございます。

　　


●歯科医療関係者の感染者数、感染状況

厚生労働省、都道府県により発表された国内の歯科関係者の感染者数は１２人となっています。神奈川県内での歯科医療関係者の感染者はいません。

新型コロナウイルス感染症の国内患者数は８５８２人ですので、歯科医療関係者の感染者数は極めて少ないのが現状となっています。他の職業区分（公務員など）に記載等、記載漏れもありますが、歯科医療関係者の感染は決して多くはありません。

国内感染者は２０〜５０代が圧倒的に多く、歯科医療関係者も２０代４人、３０代２人、５０代４人など、同様の傾向がみられます。性別では国内外問わず男性の感染者が多いものの、歯科医療関係者は女性が多いため、女性の感染者が多い傾向がみられます。

１２人の感染者の内訳は、歯科医師４人、大学院生２人、歯科衛生士３人、歯科助手２人、不明１人となっています。


新型コロナウイルスの感染者数

※資料：厚生労働省、都道府県の発表による。クルーズ船の乗客を含めず。


歯科医療関係者１２人の感染者状況

１）３月３１日　福井　歯科助手（３０代女性） 接客を伴う夜の飲食店にも勤務しており、この店内で９人が集団感染。 ２）４月２日　東京　歯科大学の大学院生 ３）４月２日　千葉　歯科医師（２０代女性） 都内病院に勤務。発症時は研究部門に勤務しており診療はせず。 ４）４月３日　埼玉　歯科大学の大学院生（２０代男性） ５）４月３日　埼玉　歯科医院勤務（４０代女性） ６）４月７日　北海道　歯科医師（２０代女性） ７）４月１３日　北海道　歯科医師（２０代男性） 女性歯科医師は発症後に東京から北海道に帰省。男性歯科医師はその夫。 女性歯科医師は３月２５日、男性歯科医師は３月１９日まで都内歯科医院に勤務。 ８）４月１０日　高知　歯科衛生士（５０代女性） ９）４月１３日　千葉　歯科衛生士（５０代女性） 歯科大学病院勤務。４月５日に微熱があってから自宅待機。 １０）４月１４日　三重　歯科衛生士（３０代女性） １１）４月１５日　三重　歯科医師（５０代女性） 同一歯科医院に勤務する歯科医師とそのスタッフ。 １２）４月１４日　千葉　歯科助手（５０代女性）

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●歯科医療関係者の感染率

歯科医療関係者の感染率は０．００３６％となっており、歯科医療関係者の感染率は国内感染率の約半分となっています。歯科関係者数を常勤換算で算出した感染率のため、実際の感染率はさらに低いものとなります。

歯科医療機関は決して危険な場所ではなく、歯科医療機関で働いているから感染率が高まることはありません。


新型コロナウイルスの感染率

※算出資料
歯科医療関係者（従事者）数：３２５０４６人（常勤換算で算出しているため、実際に勤務している歯科医療関係者はさらに多い）　資料：２０１７年医療施設調査・病院報告の概況(厚生労働省）／日本の人口：１億２５９５万人　資料：総務省統計局による２０２０年３月現在の日本の人口。

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●歯科医療機関への受診について

新型コロナウイルスの感染症拡大により、「歯科医院に行ったら感染してしまうのではないか」、「歯科医院はキケン」、「歯が痛いけど感染が怖いので我慢しよう」などと思われている方もいます。

しかしながら、歯科医療関係者の感染率は決して高くはありません。また、歯科医療機関が集団感染の場となり、通院していた多くの患者さんが感染したという報告も現時点ではありません。

国外においても、ＷＨＯ（世界保健機関）、Ｐｕｂ Ｍｅｄ（米国国立医学図書館が作成する世界の研究論文情報データベース）、ＣＤＣ（アメリカ疾病予防センター、アメリカでの感染対策の司令塔）等の報告、医学論文を見る限り、歯科医療機関に通院していた多くの患者さんが感染したという報告も現時点ではありません。

虫歯を放置すると、かむ機能の低下や痛みから免疫力は低下します。歯周病を放置すると、糖尿病の症状が悪化したり、心臓病など全身の病気を引きおこすことがあります。お口の健康は、身体の健康と密接なつながりがあります。

必要な治療があれば、我慢せずに、症状が悪化する前にかかりつけの歯科医療機関に受診されることをおすすめします。

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