ウイルスは口や鼻から侵入してきます。新型コロナウイルス感染症の予防のためには、手洗い、マスクの着用のほか、口内を清潔に保つことも大切となります。
毎日の歯みがきをしっかりおこない、定期的に歯科医院で歯のクリーニングをおこなうことで口内を清潔にして、ウイルスが侵入しにくい口内環境にしていきます。また、うがい薬を使用して、口内やのどを頻繁に殺菌、洗浄していくことも重要とされています。
●はじめに
このページは国立感染症研究所の論文、日本学校歯科医会の資料等をもとに作成しました。2020年5月(8月更新)までの情報をもとに作成したため、新型コロナウイルス感染症の研究が進んだ結果、下記とは異なる場合もあります。予めご了承ください。
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●新型コロナウイルスに効果があるとされるうがい薬
ポピドンヨードやリステリンは、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に効果があり、感染リスクを下げるとされています。一方で、グルクロン酸クロルヘキシジン(コンクール)や塩化セチルピリジウム(ネオステリングリーン)を使用したうがい薬の効果は低いとされています。
1)ポピドンヨード
ヨード系の消毒薬であるポピドンヨードは、細菌、真菌、ウイルスを含む様々な微生物に対して高い効果があります。
これまでの研究から、2002~2003年に大流行した重症急性呼吸器症候群(SARS、サーズ)、2012年に流行が始まった中東呼吸器症候群(MARS、マーズ)の原因であるサーズコロナウイルス(SARS-CoV)、マーズコロナウイルス(MARS-CoV)にも効果があることが確認されています。
同じコロナウイルスである新型コロナウイルスに対しても効果があるとされ、イソジン製造元の会社では、20020年4月にアジア、ヨーロッパ、アメリカの専門家と連携して効果の検証をおこなうと発表、7月にシンガポール国立大学などの研究にて効果があることが確認されたと発表しました。15~30秒で99.99%以上の新型コロナウイルスが不活性化したとのことです。
ポピドンヨードを使用したうがい薬には、イソジンうがい薬(シオノギヘルスケア、ムンディファーマ)、ネオヨジンうがい薬(岩城製薬)、明治うがい液(明治製菓)があります。定められた濃度で、ブクブクうがいと天井を向いてガラガラうがいをするのがよいとされています。
2020年8月には、大阪府の吉村知事が大阪府と大阪市、大阪はびきの医療センターとの研究にて効果が認められたとして、「ポピドンヨードを使用したうがい薬でうがいをしてほしい」と記者会見で呼びかけました。
日本で1961年から長く親しまれてきたイソジンは、2016年に明治製菓からムンディファーマに製造が代わりました。明治製菓はイソジンと同じ中身で、明治うがい液として販売を開始しました。
うがいの方法
1)汚れを取る目的で口に含んでブクブクうがい。
2)上を向いて、のどに15秒ほどガラガラうがい。
3)うがい液が口の中からのどにとどくように15秒ほどうがい。
ポピドンヨードは治療で必要があれば、歯科医院で処方することも可能です。お気軽にご相談ください。
ポピドンヨードが含まれたうがい薬は30秒で99.99%以上の新型コロナウイルスの不活性化が認められた(シンガポール国立大学、2020年7月、Infectious Disease and Therapy Journal に掲載)。 ポピドンヨードが含まれたうがい薬は15秒で99.99%以上の新型コロナウイルスの不活性化が認められた(マラヤ大学、2020年6月、British Dental Journalに掲載)。 ポピドンヨードが含まれたうがい薬は15秒以内に新型コロナウイルスを完全に不活性化したが、70%エタノールは15秒では不活性化できなかったものの、30秒では不活性化できた(コネチカット大学、2020年6月、Journal of Prosthodonticsに掲載)。 |