後天性免疫不全症候群(AIDS、エイズ)は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)に感染後、数年から10年以上の潜伏期間を経て発症します。AIDSはHIVに感染することで免疫力が低下し、感染症や悪性腫瘍などを発症する状態です。
厚生労働省によると、2024年の新規のHIV感染者は662人、AIDS患者は332人でした。
●歯科診療とHIV感染
HIVは感染力が非常に弱く、日常生活では他人に感染させることはありません。
1981年にアメリカでAIDSが初めて報告され、その当時は「必ず死に至る病気」として恐れられ歯科診療を断られることが多かったものの、1990年代になると歯科診療を通してHIVの感染が広がらないことが証明されました。1990年代後半には治療の進歩によってHIVの増殖を完全に抑えることができるようになり、AIDSは「死なない病気」になりました。
現在では、歯科医院で日常的におこなっている標準的な感染予防策をおこなえば他人に感染させることはないことが知られており、どこの歯科医院でもHIV陽性者の方の診療は可能となっています。
そして、HIV感染を理由に歯科診療を断るのは、歯科医師法19条で定められた応召義務(正当な理由がなければ診療を拒否できない義務)に反するとされています。
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●当クリニックの対応について
当クリニックではHIV陽性者、AIDS患者の方の歯科診療をおこなっています。歯とお口の健康、歯科治療についてご不明な点等がありましたら、診療時だけでなく匿名のメールもしくはお電話(045-910-2277)でもご相談をお受けしています。お気軽にお問い合わせください。
病院(高次医療機関)から受け入れ可能かとのお問い合わせをいただくこともありますが、当クリニックでは可能です。
●HIV関連口腔症状
HIVに感染するとAIDS発症前であっても免疫機能は低下していくため、口腔カンジダ症、歯周病など様々な症状が口内にあらわれます。WHO(世界保健機関)によると40種類以上の症状が報告されています。
HIV感染者の90%以上がHIV感染をきっかけとする口内の症状を経験し、口内の症状からHIV感染が見つかることもあります。HIV感染により口内に症状があらわれる病気等については下記があります。
HIV感染と強く関連している病気等
口腔カンジダ症(最も多くみられる)/毛様白板症(白板症との鑑別が必要、舌に多い))/カポジ肉腫(歯肉、口蓋に多い)/非ホジキンリンパ腫/歯周病(壊死性潰瘍性歯周炎ほか) ほか
HIV感染がときに関連している病気等
メラニン色素の沈着/難治性の口内炎(治るまでに数か月かかることもある)/舌炎/口唇ヘルペス/ドライマウス(口腔乾燥症)/根尖病巣(歯の根の膿)/唾液腺の腫れ(特に耳下腺)/帯状疱疹/味覚障害 ほか
●抗HIV薬
抗生物質のクラリスロマイシン(商品名:クラリジット、クラリスほか)は、抜歯や歯肉の腫れなどの際に使用されますが、抗HIV薬により代謝が遅くなるため注意が必要となります。抜歯などの際に不安や緊張を取り除くために使用される鎮静薬のミタゾラム(商品名:ドルミカムほか)は抗HIV薬との併用はできません。
当クリニックには薬剤師が在籍し、服薬指導(服薬相談)をおこなっています。希望される場合は受診の際にお申し付けください。
●HIV陽性者、AIDS患者の方の歯科診療
HIV感染に関連する口腔カンジダ症、ドライマウス、口内炎などを発症したときは、これらの治療を歯科でおこないます。
HIV陽性者、AIDS感染者の方は、体調不良時や免疫が低下したときは口内に症状があらわれやすいため、虫歯や歯周病の治療だけでなく、日頃から定期的に歯科医院で歯のクリーニングをおこなうなど、口内を清潔に保つことが重要となります。
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※当クリニックへのアクセスについては、下記のページをご覧ください。
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