新型コロナウイルス感染症の拡大により、マスクをつける機会が増えました。朝からマスクをつけていると、昼過ぎにはマスクから臭いニオイが…。そのように感じる人も増えているようです。
マスクには感染予防という役割があるものの、マスクの内側は湿度が高いために雑菌が繁殖しやすく、また呼吸をするだけで自身の口臭がつきます。口臭の影響は特に大きく、自分の口臭を直接感じることとなります。
会話、くしゃみ、咳により、唾液中の細菌がマスクにつき、マスクはさらに臭くなります。冬の時期よりも、気温が上がる春、夏の方が細菌は繁殖しやすく、マスクは臭くなります。
●マスクが臭いと気付いても対策はせず
アース製薬が20~40代の男女400人に対しておこなった調査によると、
マスクをつけたときに74%の人はニオイが気になり、92%の人はニオイの原因は自分の口臭と感じています。
ニオイが気になる人は男性よりも女性の方が多く、特に20代女性、30代女性が最も気になる人が多いとの結果となりました。一方で、
口臭のケアをおこなっている人は16%にとどまりました。
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●新型コロナウイルス感染症により口臭で悩む人は増加
新型コロナウイルス感染症は、口臭で悩む人を増加させました。
新型コロナウイルス感染症に対するストレスや不安、外出自粛や在宅勤務による話す機会の減少は、唾液の分泌量を減らしました。唾液には口臭を抑える効果がありますが、唾液の減少は細菌を繁殖させ、口臭の原因となります。
口臭はマスクにも付着します。付着したニオイは、卵が腐ったような「硫化水素」、キャベツが腐ったような「ジメチルサルファイド」、玉ねぎが腐ったような「メチルメルカプタン」のニオイです。
口臭ケアを怠ると、腐った生ごみを持って街中を歩いているような状態となります。
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●新型コロナウイルス感染症により口臭ケアに手を抜く人は増加
新型コロナウイルス感染症は口臭で悩む人を増加させた一方で、マスクの着用によって身だしなみの変化もみられ、
口臭ケアに手を抜く人も増加させました。
第一三共ヘルスケアが2020年6月に30~50代の男女300人を対象におこなった調査では、マスクをすることで手を抜くことの一つに口臭ケアがあげられました(下図)。
マスクをしているから大丈夫と思っている人は多くいますが、マスクをしているからこそ口臭が強くなりやすく、十分なケアが必要となります。
マスクをすることで手を抜いていること
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男性 |
女性 |
1位 |
ひげそり 20% |
メイク 63% |
2位 |
鼻毛の処理 14% |
UVケア(日焼け止め) 19% |
3位 |
口臭ケア 12% |
産毛・ひげそり 14% |
●臭いマスクの改善方法
1)鼻呼吸をする
口呼吸をすると、どうしてもマスク内の湿度が高くなり、雑菌が繁殖しやすくなります。また、自分の口臭や唾液がマスクに付きやすくなります。
意識して鼻呼吸にしていくと、マスクのニオイが軽減されます。鼻呼吸は臭いの予防だけでなく、口呼吸よりもウイルスや細菌を体内に入れにくく、感染予防にも適しています。
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2)マスクスプレーを使用する
アロマの香りが楽しめたり、除菌効果のあるものなど、様々なスプレーが販売されています。スプレーの使用により、臭いニオイは消えます。いくつかのスプレーを購入して、香りを楽しみながら生活を送るものよいでしょう。
3)マスクをこまめに交換する
マスク不足の状況では難しいかもしれませんが、マスクをこまめに交換するのがニオイ対策としては最も有効です。こまめな交換が難しい場合は、洗えるマスクを購入したり、マスクを天日干ししたり、マスクカバーを使用するのも方法です。
4)タバコを控える
タバコのヤニには4000種類以上の化学物質が含まれ、成分の中には腐った汚物や糞尿に含まれる成分と同じものもあります。タバコを控えることで口臭が改善され、マスクのニオイも軽減されます。
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5)口臭治療をおこなう
歯科医院で口臭治療をおこなうことにより、口臭を減らします。また、口臭予防のリンス、ジェルなどのグッズを使用していくのも効果的です。治療によって口臭が改善されると、マスクのニオイが軽減されます。
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