●かみ合わせが悪いと歯ぎしりがおきる
「かみ合わせが悪いと歯ぎしりがおきる」という考えは、20世紀の半ばから研究発表されるようになりました。
この考えを最初に科学的に発表したのは、アメリカ・ミシガン大学の研究者・ランフォードで、34人の重度の歯ぎしりをする患者さんの歯を少し削り、かみ合わせの調整をしたところ、全員が歯ぎしりをしなくなったと1961年に研究発表しました。
この研究は、歯の状態を日中に観察しただけで重度の歯ぎしりをしていると診断、睡眠中の歯ぎしりを直接観察していないなどの問題がありました。しかしながら大きなインパクトを与え、これ以降「歯ぎしりはかみ合わせの調整をおこなうと治る」という考えが世界中の歯科医師の間で広まっていきました。
1970年代の代表的なかみ合わせの専門書「オクルージョンの臨床」(1974年、ドーソン著)でも、歯ぎしりは悪いかみ合わせの防御反応の一つで、かみ合わせの調整をおこなうことで歯ぎしりは治ると書かれています。
日本でもこの考えは多くの歯科医師の間に広まり、1990年代になっても学会や研究論文で同様の発表がされています。
かみ合わせが悪いと歯ぎしりをする?
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●かみ合わせは歯ぎしりの原因ではない ※3-5
1980年代から、「かみ合わせが悪いと歯ぎしりがおきる」という考えに、否定的な研究発表が増え始めました。かみ合わせに大きな問題があっても歯ぎしりをしない人がいる一方で、かみ合わせに問題がなくても歯ぎしりをする人がいることが、多くの研究者により発表されました。
現在では、歯ぎしりは覚醒反応(睡眠の病気)、心理的要因(ストレスなど)、遺伝的要因、中枢神経の障害、神経障害(脳性まひ、てんかんなど)などが原因として考えられ、研究が進められています。
ア テキストブック オブ オクルージョン
※1 Ramfjord SP Bruxism, a
clinical and electromyographic study. J Am Dent Assoc. 1961 62:21-44 ※2 Dawson PE. Evaluation, diagnosis and treatment of occlusal
problems. 1974
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